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乃木坂46のこれから①:握手会の影響

 乃木坂46の26枚目シングル『僕は僕を好きになる』の販売期間は終了しました。

 握手会がなくなって初めてのシングルということで、私なりに売上の動向を注目していました。
 この記事では、24枚目『夜明けまで強がらなくてもいい』の売上と比較してみたいと思います。集計は、以前の記事と同様に、Billboardのランキング、数値を用いました。

・24枚目と26枚目のランキング推移比較

 赤が『夜明けまで強がらなくてもいい』、青が『僕は僕を好きになる』。
 実線がCD、点線がダウンロード、破線がストリーミングのランキング推移になります。

ランキング比較乃木坂2426

 結論から言えば、CDのランキング推移はそれほど変わらないものの、売上は大きく落ち込みました。私が毎週の数値を合計した値では、26枚目は82万枚程度。24枚目は140万枚ですので、ほぼ半減しています
 そして、ダウンロードやストリーミングのランキングも、低めというか、圏外になるまでの期間が大幅に早くなっています。

 『夜明けまで強がらなくてもいい』と『僕は僕を好きになる』の差は、CDについては当然、握手会とオンラインミート&グリート(以下ミーグリ)の差でしょう。移動や宿泊、待ち時間の点で握手会よりも有利な点があると思ったミーグリですが、既存の握手会通いの層には響かなかったようです。

 しばらくミリオン達成を続けていた乃木坂46ですが、今作で途切れることになります。ただ正直、連続ミリオン達成が途切れようとも新作を出す方がよほど健全ですし、覚悟の上だったでしょう。今時ミリオン達成が勲章だと思っているのは、レコード会社の老人経営者や老人株主ぐらいのものです。

 ですが、ストリーミングの順位の急落は、握手会とは関係ないはずなので、それでは説明がつきません。
 私の憶測では、乃木坂46がストリーミングで聴かれる回数はそれほど変わっていないものの、音楽界全体ではストリーミングで聴かれる総回数がどんどん増えているから、ではないでしょうか。そうなれば相対的に、順位が下がることになります。

 本来、握手会の力で売上が確保出来ていれば、Billboardのストリーミングの順位などどうでも良い、という判断も取れるでしょうが、売上減の深刻さは不明ながら、ほぼ半減している状況は望ましくないことは確かです。
 白石の卒業等を機に、ファンが減っている可能性も否定は出来ませんが、ここまでガタ落ちするほどとは思えません。曲が、センターが、選抜メンバーが、という話では説明がつかないレベルであって、握手会が出来ないのならこの程度の売上になる、という単純な結論になるでしょう。

・27枚目の見通し

 現在、27枚目シングルの発売が近づいていますが、このシングルもミーグリですし、遠藤がセンターになったら売上が一気に回復する、という話ではないでしょう。
 本当なら握手会を再開したいところでしょうが、何かを叩きたくてウズウズしている昨今の世間の空気では、到底無理です。どんなに短く見積もっても、一年は様子見することになる気がします。こういう時は、名の知れたグループは動き難くて大変です。

 それでもシングルの発売をして行くのは、世代交代の進行と、一般への認知度アップ狙い、そして何よりミーグリであってもある程度の利益は確保出来るのだろうと思います。
 ただ、売上・利益は確実に減っているわけで、それに対して何をするのか、ということを、考えてみます。

・売上減の対応は?

 乃木坂46は、坂道グループの中でも最も大所帯で、はっきりした選抜‐アンダーの制度を取っています。
 単純過ぎるのを承知で特徴を箇条書きにすれば、

①人数を多くしてファン同士の競争を煽り、握手売上を高める。
②握手売上の高いメンバーを表に出して、世間の認知度を高める。
③アンダーメンバーにも外仕事を用意して、グループに貢献させると共に、当人達のキャリアアップのケアもする。


 となります。
 ①②はAKBグループと同じですが、③が乃木坂46の最大の強み、長所です。しかしそれはあくまで余禄であって、①②の成功がなければ成り立ちません。グループ内の高人気メンバーに外仕事を取れない状況で、低人気メンバーに仕事が来るはずがないのです。そうなれば、自然と低人気メンバーのモチベーションも低下して行くことが予想されます。

 今までは①②のために、大量に新メンバーを入れて目先を変えつつ、ファンの拡大再生産を狙って来たでしょうが、人数が多いと言うことはそれだけ経費も掛かるということ。ここへ来ての大幅売上減は、とにかく人数増、という方針に影響を与える可能性が高いと思います。
 コロナの影響がなくて売上が順調であれば、もう一年もすれば五期生オーディションの話が出て来たはずです。世代交代を考えれば、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるで、新メンバーは多ければ多いほど当たる確率は上がるわけで、十数名を補充したのではないかと思います。
 しかしコロナ禍の状況では、人数を増やすことの弊害がかなり大きくなりますので、五期生は人数を減らすのではないかと思うのですが、詳細は稿を改めます。

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