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北海道旅行記2023夏

みなさんこんにちは。リーブルです。
ゲームと旅行と乗り物が好き。旅行は特に北海道が好き、乗り物は特に鉄道が好きです。
今回は今年の7月に行ってきた北海道旅行についてウザいくらい書いていこうと思います。

…ん?

そう、今年は二度も北海道へ行ってしまいました。
もう心はいつも北海道。完全に染まってしまっています。
さあ、それでは夏の北海道旅行へ参りましょう!

あ、今回は19000字ほどありますので、最後まで読むなら覚悟の準備をしておいてください!

1日目:北の大地の東へと

今回の北海道旅行は6日間!帰りの飛行機に乗るだけの最終日まで含めれば7日間の大旅行です。
いつもは新千歳空港を目指しますが、今回の旅は道東、つまり北海道東部がメインなので、釧路空港を目指します。

謎の飛行機発見

釧路空港に着陸したところ、プライベートジェットっぽい飛行機がいました。
どちらのセレブざますか…?と気になったので、尾翼などに書いてある「JA012G」で検索したところ、国土交通省の飛行検査用航空機というものらしいです。セレブではありませんでしたが、なんならセレブ以上にレアでは?


飛行機を降ります。地方空港としてはかなり立派な空港ではないでしょうか?

待合ロビーに出ると釧路湿原の名物、丹頂鶴(たんちょうづる)のはく製が展示されていました。
はく製とはいえこれほど近くで丹頂鶴が見られる機会はとても貴重だと思います。カワイイ〜。

全国、全世界的に酷暑を極めた今年の夏。この日も全国各所で30℃超を観測するなか、釧路はなんと22℃
日当りの良い場所はさすがに少し暑いのですが、日陰に入ればとってもひんやり!
しかも釧路は冬も北海道にしてはあまり寒くありません。
とても住みよい場所なんですよ。交通の便の問題を除けばね…

バスに乗ってまずやってきたのはJR釧路駅。
相変わらず鉄オタですので今回もほとんどが鉄道旅です。
冬に引き続き夏もJR北海道のフリーパスを購入です。
27000円ほどするお高いパスですが、JR北海道の在来線に特急も含めて7日間乗り放題!さらに指定席も6回まで利用可能なおトクなパスなのです!
私は毎回推定6万円分くらい乗り倒しています。おトク~。

唐突ですが…特に本州にお住まいの皆さん。JRって、最強無敵の巨大会社!…みたいなイメージ、無いでしょうか。
ところがJR北海道は違います。潰れそうです。いや、普通だったら潰れていますが、国の支援があってどうにかやっている非常に苦しい会社です。
「JR北海道」って、「JRの北海道支社」じゃないんです。「JR東日本」も、「JR西日本」も、「JRの東日本支社」や「JRの西日本支社」ではありません。「同じJRを名乗っているものの、各々独立した会社」です。
だからあなたのそばのJRがめちゃくちゃ元気でも、JR北海道は潰れそうな会社です。
鉄オタの私からの勝手なお願いです。私は光の部分も闇の部分もすべてひっくるめてJR北海道が大好きです。
皆さんも北海道を旅することがあれば、ぜひともJR北海道を利用してあげてください。

乗る予定の列車までかなり時間がありましたので、釧路駅のパン屋さんでお昼を食べた後は、まずは釧路市内をお散歩。
釧路の名所、幣舞橋(ぬさまいばし)へとやってきました。
釧路駅に到着した時は雲一つ無い快晴だったのが、いつのまにやら曇り空。
曇りというか、霧の中です。北海道東部の夏はスッキリ晴れるのは珍しいのだとか。

まだまだ時間があるのでもう少しお散歩。少し歩くと「出世坂」と呼ばれるところに。
白樺並木がステキな出世坂を上ると…

霧に包まれた釧路の街が見渡せます!道路の一番奥に釧路駅が見えています。
なんだか神秘的ですね。というのは観光客だからこその感想かもしれませんが…

さて、目的の列車の時間めがけて釧路駅へと戻ってきました。
行先は根室。普通列車で2時間超の旅路です。この車両はキハ54、ディーゼル車です!(電車じゃないよ!)
私、このキハ54が大好きなんですが、語りだすとマニアックになりすぎるのでやめておきます。
今から乗る釧路-根室間の花咲線(はなさきせん)は利用者が少ない路線なのですが、車内は満席で立ち乗りの人もかなりいました。学生さんが多かったです。
一両編成とはいえこれだけ乗っていても大赤字。大赤字だけどこれだけ乗っているとバス転換もしにくいでしょう。JR北海道は本当にツラい会社だなぁと鉄オタは思うのでした。

あっという間に市街地は過ぎていきました。おウマさんおるや~ん。

学生さんたちは途中の厚岸駅でほとんど降りて行き、車内はだいぶ寂しくなりました。
厚岸…あつぎし?え、あっけし?いやいや、あっけしとは読まんやろ。
と言いたくなりますがここは「あっけし」です。

花咲線の魅力は何といっても自然豊かな車窓の景色。深い森の中を、不思議な地形が続く湿原の中を、列車は風のように走り抜けていきます。
そして、時折…どころか飽きるくらい観ることができるエゾシカの姿。
ところによりますが「あ、エゾシカだ。あ、またエゾあ、またエゾシあ、またエゾあ、またエゾシエゾエゾシカ」くらいのペースでエゾシカが出てきます。写真は撮れていませんが…

こんなワクワクする景色がずーーーっと続きます。
各駅停車なのに特急列車かってくらい走り続けます。北海道の広さよ…

一部鉄オタに有名な厚床(あっとこ)駅に停車しました。
この駅名標とベンチが印象的な2番ホームは、「青春18きっぷ」のポスターに登場したことがあります。
が、2番ホームは現在立入禁止です。今は1番ホームしか使われていません。
立ち入れなくなって数年経つらしいのですが、立ち入れなくなって以降も駅名標とベンチが交換されているようなのです。普通は撤去されるものなのですが。
う~ん、なんだかドラマを感じさせますね~。この景色はきちんとJR北海道によって「保存」されているのです。綺麗に整備されていても立ち入れるなら普通の駅ですが、立ち入れないことによってここは「作品」へと昇華していると思います。
創作がはかどりそうですね~。亡き人とここに座った思い出?それとも幽霊だけが乗る列車?それとも誰か4人を待ち続けるベンチ?
これほど創作のタネになりそうな景色もなかなかありません。
そんな景色もわずかな停車時間の後へと消えてゆきます。

このあたりからだったでしょうか。
近くの席に座っていたご婦人と話が弾みます。まだ歴は浅いらしいですが、鉄オタだそう。
まぁ~、じゃなきゃ花咲線には乗りませんよね。ちなみに私も歴は浅いです。
今までどこの路線に乗ったとか、お互いの身の上話で盛り上がったりなんかします。

今回の旅行は新型コロナウイルス感染症の扱いが5類になった後、私にとって初旅行でした。(旅行というほどでもない旅にはちょこちょこ行ってましたが)
2月の北海道旅行でも人と話したりはしましたが、より会話がしやすい空気になったのを強く感じました。昔は当たり前にしていたはずの見知らぬ人との会話。それが再び何の後ろめたさも無くできるようになったのです。良い時代が戻ってきた…

なんでそんな名前になったの?って言いたくなる昆布盛駅。

夕焼けがキレイでした。この夕日が沈む頃、一日目の旅は終わりを迎えます。

さあ、花咲線の終わりが近づいてきました。
日本最東端の駅、東根室駅です。行き止まりである根室駅がここから北西に位置しているため、途中駅ではありますが東根室が日本最東端の駅となっています。
なお、私はJRの北端、南端、西端をすでに訪れていますので、これをもってJRの東西南北端を制覇したことになります。まあ、東根室だけまだホームに降りていないのですが…
そして、そんな余韻に浸る間もなく、列車は終点、根室へと向けて走り出します。

ついにやってまいりました!日本最東端の始発/終着駅。日本の線路の東の果て、根室駅です。

夕方かつ天気が悪いせいもあるのですが、なんと気温は15℃。
繰り返しますが、この日は日本各地で30℃超を観測していた日です。なんということでしょう。

日本最東端有人の駅!
う~ん!「冒険」ってかんじがします!

朝日に一番近い街!冒険の第一章としてこんなにピッタリな場所もなかなか無いでしょう。
港町ですのでかもめの鳴き声が聞こえてきます。旅愁を誘いますね~。
ところで根室に何しに来たの?というと…

駅からすぐそばにあるこの「民宿えびすや」に泊まりに来ました!
線路の果てを見たい、ここに泊まりたい。これだけが根室に来た目的です。
そんなに良い民宿なの?と思いますよね?

夕食ドーーーン!!!

花咲ガニ!
アサリ蒸し!
焼き鮭!
肉!(これなんていう料理だろ?)

すごいでしょ!?
でもお高いんでしょ?って思いますよねぇ?
これで!あ、なんと!夕食・朝食込みで1泊6600円~~~!!(ジャパネットたかた)

花咲ガニは根室周辺でしか採れない珍しいカニで、他県の北海道物産展なんかで出て来れば1匹で5000円を超えることもザラなので、そんな花咲ガニがついて6600円は異常とも言える安さです。

お部屋は至って普通ですが、そもそも北海道の僻地となると宿を探すのも一苦労。
そんな中で駅近というのもまた良いところ。

そういえば、お食事中も会話が盛り上がりました。
私のほかに3組いらっしゃった(満室!)のですが、一組は釧路から仕事で来た二人組。
あとは私含めて全員九州からのお客様でした。
なんでよ。ここ根室やぞ。北海道やぞ。

あとはここの女将さんがお話好きで。ごはんを完食してもずーーーっと話してしまいました。
そして良い食事とあまりにも安い料金がなんだか申し訳なかったので、事前に買ってきた九州みやげ、博多通りもんを渡しました。
九州から来たご夫婦も持ってきていたのでカブりました。
なんでよ。ここ根室やぞ。北海道やぞ。
女将さんが一番好きなお菓子だと言うので助かりました。いろいろ話し込んだ内容からすると、お世辞とかではなくマジで一番好きそうでした。

夕食後、根室なんてそうそう来れる場所ではありませんので、お散歩に出ました。
根室駅からちょっと離れたところにこんな看板があります。暗くて全く分かりませんが、この看板の後ろで線路が切れています。遠くまで来たなぁ。

せっかく北海道来たんだしセイコーマート行っちゃお!って思ったら跡地でした。なんでよ。かなしい。
ていうかこんなの写真撮るなよ。

そんなこんなしてお散歩を終え、眠りにつきました。

2日目:釧路の街を行ったり来たり

おはようございます!えびすやは朝食も豪華!
もう一度言いますが、あの夕食とこの朝食込みで1泊6600円!すごいでしょ〜?(ジャパネットたかた)

雨も降っていることだしゆっくりしたいところですが、相変わらずの限界旅なのでそうも言っていられません。

再び根室駅へとやってまいりました。8:27発の列車で釧路へと戻ります。
名残惜しいですが根室を離れます。観光地に行ったわけでもないのにとても思い出深い場所でした。

今日も深い霧に包まれている花咲線の景色です。
遠くが全く見えません。釧路・根室の夏はこれが日常です。

2時間ちょっとかけて再びやってきました釧路駅!
ここからが今日の旅の本番!今日乗るのは「くしろ湿原ノロッコ号」です!
人が立ち入れない自然の楽園、釧路湿原をのんびりと駆け抜ける人気の観光列車です!

観光列車は景色も楽しいけど飲食も楽しい!ノロッコ号プリンをいただきます。
釧路周辺、特に標茶町(しべちゃちょう)は酪農が盛んですので、乳製品の美味しさはもう間違い無しです。

車窓の景色の写真をお見せするべきだと思うのですが…
実はノロッコ号に乗るのは2年ぶり2回目。それで油断してしまったからか、全く写真を撮っていません…反省。
手つかずの川、森、草原の景色に、時折エゾシカや運が良いと丹頂鶴の姿が見えることも。
車内アナウンスもあり、生き物の姿が見えると車内はざわざわ盛り上がります。
楽しいですねぇ。

終点の塘路(とうろ)駅そばの展望台より、湿原とノロッコ号の姿。
この先の斜里町へと行きたいのですが、ノロッコ号はこの先には行きません。
乗り換え接続もよろしくなく、そんな状況で私はどうしたかと言うと…

戻りのノロッコ号に乗ってまた釧路に戻ってきました。
リアル桃鉄でもやってるんでしょうか?

が、ただ無意味に戻ってきたわけではありません。
釧路で食べたいものがあったのです。
釧路駅から歩いて5分くらい?のところに釧路和商市場という魚市場があります。
ここでは「勝手丼」と言って、ご飯が盛られただけのどんぶりを買い、市場を巡って好きな刺身を買って乗っけていく海鮮丼が名物なのです。

がしかし、ここで市場内のとあるお店の店員さんに話しかけられます。
「どうです!鮭とか買っていきませんか!」
う~ん、鉄道限界旅6日間中の2日目で生の鮭は厳しいなぁ!断りましたが結構グイグイ来るので…う~~~ん、こりゃ面倒な客引きか…?と、この時は思ってしまいました。
が、鉄道限界旅だし、乗り換え待ちで来ただけだから勝手丼食べたいだけなんですよぉ~、と言ってみますと…
「それなら勝手丼より、焼き鮭どうですか!市場の魚は確かに鮮度良いですけど、切り身になってしまえばそのへんのお店とそんなに変わらないんですよ。それだったら、勝手丼より焼き鮭の方が絶対美味しい。鮭の切り身があるので、これを市場内の食堂に持っていくとその場で焼いて定食作ってくれますから。新鮮なのを焼いた焼き鮭は絶対に美味しいですよ!ぜひ!」
でも焼き鮭って珍しくもないしなぁ…と思ったら、ホッケの開きを見せてくれました。
お、焼きホッケなら興味あるぞ!
並んでいたホッケの開きの中で一番小さいやつ(それでもスーパーで売ってるやつと比べると超立派)900円を何も言ってないのに800円に値切って売ってくれました。ありがてぇ~

それを食堂に持ち込みまして、500円。
およそ7~8分ほど待ちますと…

じゃじゃ~ん!
焼きホッケ定食です!
パリっとこんがり焼けた表面に箸を入れれば、ジュワっと柔らかでみずみずしい身が。
魚そのものが美味しいのは間違いないんですが、焼き方も非常に上手で水分が抜けているかんじが全くありません。
こんなにパリパリで、それなのにこんなにしっとりした焼き魚は初めてかも…?絶品でした。やはり市場だからこそこれほど美味しいんでしょうねぇ。

例の店員さんの話を聞いといて良かったなぁと思いました。そして面倒な客引きなんて思ってしまってお恥ずかしい。
和商市場はなぜ勝手丼しか有名ではないんだろう?と今では思っています。
みんな勝手定食、食べてみてね。

ところで私が大好きな釧路の観光案内動画があります。
観光案内の内容の質の良さはさることながら、それを抜きにしても純粋に映像作品としての質がめちゃくちゃ高いのです。
ぜひ見てみてくださいね。


さて、再び釧路駅へ。今度はノロッコ号で行った塘路駅を通り過ぎ、斜里町(しゃりちょう)を目指して網走行の普通列車に乗ります。
およそ2時間の旅路となります。長いですねぇ~~~~~

ノロッコ号で撮り忘れてた釧路湿原をパシャリ。
普通列車でも釧路湿原は見られますが、ノロッコ号は窓が大きいというかほぼオープンだし、見どころに差し掛かるとめちゃくちゃゆっくり走ってくれるので、やはり釧路湿原の景色を楽しみたいならノロッコ号がベストなんです。

湿原の景色を過ぎると深い森、森に入ると景色はあまり変わり映えせず、ガタンゴトン、ガタンゴトンと規則正しいリズムで流れるレールの音が眠気を誘います。

知らず知らず眠りに落ちて、目を覚ますと広大な畑の景色が広がっていました。田舎生まれの私ですが、これほど広大な畑の景色は初めてです。
景色変われど、ガタンゴトン。規則正しく、ガタンゴトン。目覚めてスッキリした頭には、見慣れぬ景色に出会った私には、今度はこのガタンゴトンが心躍るリズムになるのでした。

やってきたのは知床斜里(しれとこしゃり)駅。
世界自然遺産、知床の観光拠点である斜里町の玄関口です。
駅近くにある斜里バスの路線バスに乗り、ウトロという港町を目指します。

バスからは斜里岳が見えました!
うわーーーすげぇかっこいい。日本各地に美しい山はありますが、周りの景色まで美しいので圧巻です。絵画みたい。

バスは途中で海沿いの道へと出てきます。光り輝く黄金色の夕陽がとてもきれいです。
冬はこの海に流氷が押し寄せるらしいです…見たいねぇ。

やってきたのは「知床ノーブルホテル」
オホーツク海を眺められる客室と大浴場がステキなホテルです。

ステキな客室~!
しかも電子レンジと洗濯機まで置いてありました。
洗濯機…?洗濯機…!?

窓から見える景色もサイコー!感動ですねぇ~。

ポケふた しゃり

晩ごはんの時間までまだまだあるのでお散歩に出ました。
近くにある道の駅にはポケふたが設置されています。
ポケモンSV発売前に設置されたものなので致し方無いのですが、しゃり町だしシャリタツがよかったかも~~~と思わんでもないです。

そこから近くには漁港があり、漁港の上は一般人立ち入り可、水揚げの様子が見学できる「ウトロ鮭テラス」があります。水揚げはいつ来ても見られるわけではありませんが、海が良く見えるし鮭や鮭漁についての説明パネルがあるのでいつ来てもまあまあ楽しいです。

晩御飯の時間なのでホテルに戻ります。
また帰ってきます!遠い遠い場所だけれど、きっといつか!

晩ごはんはバイキング形式でした。写真は撮り忘れました。ごめんなさい。
かわりにその後セイコーマートで買ったブランデー梅酒ソーダをお届けします。当時新商品でした。
知床ノーブルホテル、コンビニがまあまあ近いのも魅力です。

大浴場も最高でした。客室と同じく海が見えます。もちろん露天風呂もありますよ。
温泉で温まり、火照った体を潮風で冷ます…気持ち良かったです。
目隠しが若干ザルなのは人によっては気になるところかもしれませんが、最上階で他に高い建物も無いので見えちゃう心配は無いと思います。

良い景色も日が沈んでしまえば闇の中。
今日の旅もおしまいです。お休みなさい。

3日目:遥か遠い地の果てで

おはようございます。お部屋の窓から一枚。良い景色でしょ~?
左側に立体駐車場のようなものが見えると思いますが、これが昨日おさんぽしたウトロ鮭テラスです。その手前の黒っぽい建物が道の駅。ポケふたが設置されてるところですね。

今日は斜里バスさんの知床観光バスで世界自然遺産・知床を旅します!
これはバス乗り場のそばにあった川。北海道もなんだかんだ暑い中、冷たい水で気持ち良かったです。

ウトロのバスターミナルを出たバスは、知床半島の奥へと向けて進んでいきます。
ところで「しれとこ」とはどういう意味なのか?と言いますと、アイヌ語の「シリエトク」、意味は「地の果て」から来た言葉です。
地形も気象も厳しく、現代においても開拓されていない手つかずの自然が多く残る場所で、まさに地の果て。ということでバスはこうして山を登っていくようなかんじになります。

バスはまず斜里町と羅臼町の境目である知床峠へとやってきました。
霧がすごいです。距離感に自信はありませんが、視程せいぜい100メートルあるかどうかくらいじゃないでしょうか?
知床ではこの景色が日常で、晴れていたら奇跡と言っても良いほどなのだとか。
ガイドさんがつくバスツアーってそういうお話が聞けて良いですね。

続いてやってきたのは知床自然センター。
ここに大きな映画館があり、知床の一年の風景を映した映画を視聴しました。
「自然遺産観光で映画なんて…」と、観るまでは思っていたのですが…
これは見て良かった!最高!自力では見られない自然、動物の姿が精細に描かれ、わずかな時間で知床のすべてを楽しめると言っても過言ではありません。
知床って一般人が入れない場所が多いですし、入れたとしても熊が出たりして危険ですし、そんな困難を乗り越えてもあの映画のように動物たちを見ることは一回ではほぼ不可能です。そんな奇跡のような一瞬を凝縮した映画で、これは絶対に観るべきだと思います。

映画を見た後は近くにある「フレペの滝」を見に行きます。
近くとは言いましたが10分くらいは歩きます。
森を抜け、草原を抜け、海が見えてきたら…

ドドン!!!これがフレペの滝です!
滝もすごいんですが周りの景色もすごい!!
今までいくつか滝を見てきましたが、フレペの滝は「これを今まで見てきたものと同じく『滝』と呼ぶのは適切なんだろうか?」と思うほどにものすごいスケール感でした。

海にはちらほらと遊覧船の姿が。
知床半島は半分ほどまでしか立ち入ることができません。その先の景色を一般人が見るには、遊覧船ツアーしかありません。乗りたかったのですが、時間が足りませんでした…
私の旅程では、遊覧船に乗る場合はウトロでもう一泊必要です。残念ながら鉄オタの限界旅にそんな悠長な時間はありません。

海と滝の景色もすごく良いんですが、その手前に広がる草原もめちゃ美しくて最高なんですよね。
ところでゼノブレイド2遊んだことある方、この景色「楽園」に似ていませんか?など、急にゲームオタクらしさを見せるのがこの私です。

続いては知床五湖の木道へやってきました。
普通に鹿とか熊が出てくる草原の上を通る歩道で、大自然の景色を楽しめます。

木道の一番奥からは五湖のうちの一湖を見ることができます。
他の湖を見るには専属ガイド付きのツアーで地上を歩く必要があります。バスツアーではそんな時間がありませんでしたのでお預け。

ツアーでの訪問先をすべて巡り、戻りの道中で熊を見かけました!
道路のすぐそばです!生身だったら死しかありませんが、バスからなので安心安全サファリパーク状態です。

知床を巡るバスツアーは終了しましたが、そのまま続きで知床斜里駅方面へ向かう観光バスに乗り継ぎ。昨日は夕焼けだったオホーツク海の景色を眺めながら。

斜里町は広大な畑の景色が魅力。ただただ駅へと向かうだけのバスではないのです。

そして一番の見どころ!
「天へと続く道」です!地平線までまっすぐに伸びる道路!こんな壮大な人工物があるだなんて!

知床斜里駅へと戻ってました。
こうして見てみると結構大きな駅ですね。

次は札幌行の特急に乗るため網走へと向かうのですが、列車の時間まで1時間ほどあります。
同じ列車に乗ろうと待っていた韓国人の老夫婦とお話をしました。実はこのご夫婦、昨日の釧路から知床斜里に向かう列車と、今日の観光バスとずっと一緒でした。
お互い外国人に話しかけるのは勇気要りますからね…ようやく話しかけることができたというわけです。
おじいさんの方はほんの少しだけ日本語を喋れました。私もほんの少しだけ韓国語が喋れます。あとは文明の利器。翻訳アプリで意思疎通。良い時代ですねぇ。
聞けばご夫婦は私と同じく網走で特急に乗り換え。上川駅で降りて温泉旅館で泊まると言っていました。おそらく層雲峡温泉でしょう。私はまだ行ったことがありません。
しかし、それ結構遅い時間になるよなぁ…と思っていたら、やはりバスも無い時間になるようで、タクシーに乗るけどタクシーが韓国よりも高い!「しせん円!」と拙いながらも熱のこもった日本語で話されていました。
まぁ~日本のタクシーが高いのか安いのかは私にはよく分かりませんが、しかし上川駅から層雲峡温泉がそもそも遠いので、北海道の大きさをナメていたパターンかも…と思います。皆さんも北海道を旅行するときは距離感に気を付けましょう。私が言っても説得力ゼロですが。

さあ、網走行の列車がやってきました!もう見慣れてしまったキハ54。
もちろん韓国人のご夫婦も一緒に乗り込みます。

すげぇ…!
どこまでもまっすぐ伸びる線路の景色。こんな絶景初めて見ました。
2月にも同じ場所を走っていますが、あの時は満員でこんな景色見る余裕ありませんでしたからね。

途中の止別(やむべつ)駅がなんだか良い雰囲気だったのでパシャリ。旅ってかんじがしますね~。

おウマさんおるや~ん。このあたりも自然豊かです。

さあ、網走に到着!札幌行きの特急が発車します。網走の景色を楽しむ間も無く。
が、その前に…同じこの列車に乗るものの、乗ってしまったら韓国人のご夫婦とほぼお別れです。なんとも名残惜しい。乗り換えのわずかな時間を使って、一緒にお写真を撮らせていただきました。良い思い出です。

さあ、札幌行き特急オホーツク、発車です!
忙しい一日でした…のんびりと寝ていきましょう。

…あれ?なんか忘れてませんか?今は夕方…
そう!晩御飯のことを何も考えていませんでした!今から5時間半メシヌキーです!!車内販売なんてありません!!
旅程をミスったわけではありません。計画がミスっていました。つまり最初からメシヌキーが確定していたのに今まで気が付かなかったのです。知床斜里駅近くのセイコーマートでお買い物をするべきでした…

そこに差し伸べられる救いの手!
特急オホーツクは途中の遠軽(えんがる)駅でスイッチバックをするため、運転士の乗り換えで3分ほど停車します。遠軽駅の自販機にアルフォートが売っていたので、必死で購入!
あぁ~~~!!空腹で食べるアルフォート超うめぇ!!!生き返る!!

そして5時間半もの旅路を終え、列車は札幌駅へと到着しました。運転士さん、お疲れ様でした。
時刻は23時前。しかし翌朝は7:41に札幌駅を発ちます。今日は安いゲストハウスで宿泊です。おやすみなさい。

4日目:ラベンダーの世界へと

おはようございます。朝の札幌駅です。
今日も鉄道限界旅。よろしくお願いします。

今日乗るのはこちら!

フラノラベンダーエクスプレス!
夏の北海道といえばいろいろなものがありますが、特に有名なのは富良野のラベンダー畑でしょう!
そんな富良野へと向かう特急列車です!

朝ごはんは駅弁!「三種の海鮮めし」です!
運び方が雑だったせいでカニやウニが飛び散ってます。ごめんね…

約2時間ほどで富良野駅に到着です!
う~ん、なんとも味わいのある駅ですね。

駅から徒歩10分ほどのところにある「フラノマルシェ」にて、ふらのメロンスムージーフロートをいただきます!
夏の富良野はメロンも名物なのです。サイコーでした!

富良野駅へと戻り、いよいよ「富良野・美瑛ノロッコ号」へ!

実は3年ぶり2回目の乗車なのですが、車内がちょっとだけ豪華になっていました。造花ではありますが、ラベンダーがあちこちに飾られているのです。
良いですね~。それを楽しむ余裕も無いくらい車内は満員になってしまうのですが…

やってきたのはラベンダー畑駅!夏だけ営業の臨時駅です。
う~ん、駅名標が良いデザインしてますね~。

ラベンダー畑駅はこの写真に写っている「ファーム富田」の最寄り駅です。
こんなかんじでノロッコ号の沿線はラベンダーで紫に染まった景色がいくつも見られます。
この距離でしっかり紫に染まってるのが見えるってものすごいですね…

ファーム富田はラベンダー農園というより、花畑のテーマパークといった趣です。
ラベンダーだけでなくいろいろな花が一面に咲き誇り、さらにはラベンダー精油の抽出現場、ラベンダーグッズが並ぶ売店などなど、見ていて楽しいものばかり。

もちろんお食事もいただけます!
カレーと越冬メークインのグラタン、そしてラベンダージュレといちごのジュース!バエる~~~。
で、見てくださいよ。席によりますけどもお食事をしながらラベンダー畑を眺められるんです。
ただでさえ美味しいごはんがさらに美味しくなっちゃうよ!幸せ~。

すごいでしょ~?現実とは思えないほど圧巻の景色。
そんな場所を見て歩いて、写真を撮ったり。呼吸をすればラベンダーの香りがして、さらに美味しい料理まであって。もう何をしても楽しい。ファーム富田はそんな場所なんです。

小腹が空いたらラベンダーソフトクリーム!
牛乳も美味しい北海道、ソフトクリームも最高に美味しいのです!

ラベンダーオイルの蒸留場。これはただの展示ではなく、実際に稼働しています。楽しいだけじゃなく、学びもある場所です。

本当は何十枚と撮った写真を載せたいところですが…この辺にしておきましょう!一日中ファーム富田にいたので本当にたくさん写真を撮りました。ご紹介し切れないのが本当に惜しい!みなさんもファーム富田に行ったらぜひぜひステキな写真を撮ってみんなに見せまくりましょう!

今日の宿泊先は旭川。ノロッコ号は美瑛(びえい)駅と富良野駅を一日何回か往復するのですが、一番最初の便だけ旭川から出発、一番最後の便だけ旭川へ着。要は「旭川を出てその途中を往復し、最後は旭川へ帰る」という運用です。最終のノロッコ号で旭川へ向かいました。
隣には中国人のお若い夫婦が。日本語は喋れませんが、英語はそこそこ流暢に喋れます。私も拙い英語でどうにか雑談。普段は外国人と喋ることなんて全く無いんですが、今回の旅行はそんな貴重な機会が当たり前のようにあって楽しいです。

ノロッコ号は観光列車。地元の人にとっても特別な列車ですから、見かけた人たちは手を振ってくれます。嬉しくなって私も手を振り返します。
すると中国人のお兄さん、英語で「あれ、君のファンかい?」とジョークを飛ばしてきました。「イエスイエス!」なんてボケ返してみましたが…
今にして思えば、「いや、あなたのファンじゃないですか?」くらい言ってあげたかった~!英語の文章を思い浮かべるだけで精一杯で、ジョークを言う脳が全く働きませんでした!次があればリベンジしたい!!

ということで、旭川駅に到着!駅の装飾もノロッコ号一色です。

今日の宿泊先は「Ten to Ten Hostel 旭川」
2段ベッドのお部屋をひとりじめ!外国人観光客が増えたことで北海道のホテルはどこもお高くなっているのですが、ここはまだ無理なく泊まれるお値段でした。
大浴場は無く共同のシャワールームだけで、個室も広くはないのですが、まだ新しいのかどこもピカピカで、全くストレスはありませんでした。

今日の晩ごはんはジンギスカンでも食べようかなぁと旭川の街中へと出歩いてみたのですが、どこも予約で満席だったりとか、一時間待ちだったりとか…じゃあジンギスカンじゃなくても良いやと思ってもどのお店も同じかんじ。
う~~~ん、じゃあセイコーマートやな!!ということで、今日の晩ごはんはセイコーマートの冷し3種のネバネバそば!
北海道は蕎麦も名産ですし、出汁には欠かせない昆布も名産!もうね~、美味しくないわけがないんですよね。

さて、ここまで鉄道・バスの旅が続きましたが、明日はレンタカーで旅をします!
それでは、おやすみなさい!

5日目:みんなが知らないとっておき

おはようございます。ということで本日はレンタカー旅。
あまり人前で見せられないですが、実はカバンにお気に入りのポケモンを忍ばせて旅をしています…
今日借りた車はハスラー。ポケモンと一緒に旅をするのにピッタリな謎のステキスペースがあるではないですか!みんな出てこい!

運転中の景色も絶景だらけなのですが、お見せできないのが残念です…
それではいきなりになりますが最初の目的地へ。

留萌(るもい)駅跡。かつてここは駅でした。今は列車はやって来ず、建物には誰一人いません。くたびれ切った建物からは、ただただ哀愁が漂います。
2023年4月、留萌本線(るもいほんせん)の部分廃止により、ここは駅ではなくなりました。私は実は2021年に一度来ております。当時から廃止は決定しており、消えゆく駅の姿を見ておきたいと思ったのです。
ここまで楽しい鉄道旅だけをお届けしてきましたが、これでようやくJR北海道が苦しい鉄道会社であることが伝わってきたのではないでしょうか。
建物の外観は「JR留萌駅」の看板が撤去された以外は、現役の頃とさほど変わっていません。なのに、列車が永遠に来なくなっただけで、人がいなくなっただけで、こんなにも駅は変わり果てる。物体にも「死」というものがあるのだと感じました。

廃線になったことで、線路が一部切り取られ、裏にある公園へ抜ける通路ができていました。いずれは駅もレールも撤去して、別の施設が整備されるらしいので、今しか見られない景色です。

ということで、つい最近まで列車が走っていたレールを間近で観察できます。廃線跡は北海道各地、日本各地にいくつかありますが、ここは何といっても「最近まで現役だった」というのがポイント。

とっくの昔に廃止された路線だったらまず撤去されているであろう保安装置まで見ることができました。まあ、鉄オタじゃないと興味無いでしょうけど…
これの正式な名前は右下の方に書いている通り「ATS-S形地上子」。車両側にも「車上子」があり、停止位置を通過してしまった場合などに非常ブレーキが作動します。
留萌駅のホームからずいぶん先に設置されているので、これはオーバーラン対策の地上子っぽいですね。こういう装置があるおかげで、鉄道車両は運転士が意識を失ったりしても安全に停止することができます。
すごいでしょ?鉄道って。だからこそ車両だけじゃなくて線路も維持費がものすごいんです。

…って。留萌にはただ鉄オタしに来たわけじゃありません。
留萌駅跡そばにある、この「長田鮮魚店」というお魚屋さんに来たかったんです。なんで?って思いますよね。

おいしいおいしい海鮮丼がめちゃ安で食べられるのです!マグロ、サーモン、タコはまだしも、大きなホタテにウニまで入った海鮮丼、普通だったら2000円は軽く超えると思いますが、なんと2000円を切っています!
日によって具材も値段も違いますが、2000円を超える日はほとんどありません。
そしてお魚屋さんの海鮮丼ですから、鮮度が良い!刺身はちょっとゴリゴリするくらいシャッキリ、ウニは苦みが全くなく、まったり甘くとろけていきます!今まで食べた海鮮丼の中ではダントツの鮮度でした!
惜しいところは店内に飲食スペースが無くテイクアウトのみなので、車内で食べなければいけなかったこと。
いやぁ~それでもこの海鮮丼は最高です!

さて、海鮮丼を食べ終えて、次なる目的地へ…

車で北に一時間弱、苫前町(とままえちょう)にある「苫前グリーンヒルウインドパーク」です!
留萌から稚内へと向かう海沿いの道路、通称「日本海オロロンライン」はこんなかんじの風力発電所がいくつも見られます。その中でも一番爽やかな景色に仕上がっていると思います。
立入禁止の私有地部分が多いので、行く時はご注意くださいね。

その後、内陸へ向けて進路を変え、森というか山というかみたいな場所を抜けました。
これは目的地ではないですがちょっと立ち寄ってみたJR宗谷本線の佐久(さく)駅・兼佐久ふるさと伝承館。宗谷本線は私のお気に入り路線なのですが、列車の本数が非常に少ないため、存在は知っているものの訪問したことが無い駅ばかりなので道中寄れそうだったら寄ってみることにしました。

う~ん!なんだか夏休みの景色の中にいるような、そんな気分にさせてくれる駅ですね!

続いて宗谷本線沿いに南下して行き、筬島(おさしま)駅。廃鉄道車両を再利用した駅で、北海道にはたくさんこういう駅があります。

おおう…これは酷い…
特急停車駅はもう少しマシなんですが、普通列車のみの駅はこんなもんです。苦しいねぇ…

さらに南下して、音威子府(おといねっぷ)駅。特急停車駅です。
音威子府村は木工が盛んな村で、学生寮を備えた工芸高校もあります。
写真を載せられないのでご紹介はできないのですが、駅の中で学生さんの絵の展覧会をやっていました。

さあ、寄り道してばかりでしたがいよいよ本日の目的地、美深町の民宿「青い星通信社」へと到着です!

2月にもやってきました。ここに来るのは3回目。お気に入りスポットです。
2月の旅行記を読んでいない人も多いでしょうから説明しましょう。
ここは広~~~い草原の中にぽつんと佇む、レンガ造りのステキな民宿です。豪雪地帯なので冬は大雪に埋もれます。
数十年もの間廃墟だった、つまり人の手無しで厳しい冬や山のような雪を数十年耐え抜いてきた、北海道の厳しい自然と共に歩んできた建物をリフォームした民宿で、初めて来た人でもどこか「懐かしさ」にも似た感情が湧いてくるのではないでしょうか?

2月に来たときは気温マイナス29℃を観測し、おそらく一番寒い日でした。
そして今日の気温は30℃ほど。美深町で30℃以上を観測する日は気候変動が著しい現在でもほとんど無いそうで、つまり一番暑い日でした。
なんということでしょう。私は一番寒い日と一番暑い日に来てしまったのです。なんだか青い星通信社の全てを見てしまったような気分になってしまいます。

看板猫がお出迎え。この子、こんなに綺麗ですが野良らしいです。強い子だぁ。まあ青い星通信社にいつもごはんをねだりにくるらしいので、割と気楽に生きているみたいです。

個室は3室ありますが、今日は「水脈(みお)」というお部屋。雰囲気たっぷりで良いですねぇ~。

キミたちも遠くまでお疲れ様。

ここがロビーというか共用スペースというか。
この建物のレンガの美しさを存分に味わえる空間です。レンガというと赤いレンガを思い浮かべると思いますが、ここのレンガは青みがかったグレーなのです。なぜだか見飽きない不思議なレンガです。

晩ごはんはこの共用スペースでいただくのですが、今回はあえて晩ごはん無しプランで予約しています。なぜかというと…

同じ美深町内にありますレストラン「ビブリオテーク」です。ここにいつか来たい!と思っていたのです。
外観は若干不安になるかと思いますが…

中はこんなステキ空間!料理の味もサイコーですよ!近所だったら週一…と言うと財布がピンチなので月一くらいで来たい場所ですねぇ。

まずはゆずサイダー!甘みの中に顔を覗かせる、ほのかな酸味と苦みが絶妙。車で来てるので残念ながらアルコールはNGということで頼んだんですが、お酒を差し置いてあえてこれを飲むのもアリ!というくらい美味しい!

名前は忘れましたがサラダ。

イカ墨ピザ!なんか珍しいピザですね。とても美味しい。北海道のシーフードピザが美味しくないわけがないんですよね。

これなんだったっけなぁ~エゾシカ肉のサルシッチャ?
焼きたてアツアツ!火傷しないように注意!これも美味しい!

アイスクリームとチョコレートケーキ!
味もさることながら見た目も非常に良い。
全てのお料理がとても美味しかったです。

話はだいぶ変わりますが。
ここ美深町は人口およそ4600人。旭川から車でおよそ1時間、札幌からはおよそ3時間。正直僻地で小さな町です。
そんな小さな町でこれほどクオリティの高い料理が味わえるというのが本当に不思議な体験でした。
田舎で良い料理店に出会うのはなかなか難しいです。腕の良い料理人はやはり東京や大阪など大都会に出て行くことが多いですから。しかも僻地となればレストランに限らず「無いよりはマシ」程度のお店しかないことだって珍しくはありません。
しかし美深町は違いました。ビブリオテークのお料理は、東京や大阪などでも勝負できると思います。
そんな最高のお料理が、誰も名前を知らないような小さな町に来ないと食べられない。なんだか小説かドラマか何かのようなファンタジー溢れるお話じゃありませんか。これこそが知る人ぞ知る名店というものではないでしょうか?
誰がどれだけ紹介しても、簡単には行けない場所だから誰も行かなくて、ビブリオテークはいつまでも「知る人ぞ知る名店」であり続けるでしょう。
そんなお店に行けてとても幸せでした。

青い星通信社へと戻ると、すっかりと夜の帳が降りておりました。
人の気配の無い真っ暗な平原に、光り輝く青い星。他に何も無い場所なのに本当に飽きないんですよね。

スマホでもこんなに綺麗に星が撮れちゃう!私の自宅からはこんなに星は見えません。いつもそこにあるはずの星が、いつもは見えていないんだなぁ。何もない田舎でないと見えないもの、星以外にもあるのかもなぁと青い星通信社に来るたび思わされます。

ところでビブリオテークから帰ってくる道中、実はビールを買っていました。「美深白樺ブルワリー」というところの地ビールで、その名の通り白樺の樹液を使ったビールです。
いうて私ビールは普段あまり飲まないので、普通のビールとどう違うのか全く食レポができないのですが、美味しいビールでした。こういうほかの町には無いものがたくさんあってただの田舎ではないのが美深町の不思議なところ、かつ魅力なんですよねぇ。

酔いがまわって眠くなってきました。
今日はぐっすり眠れそうです。おやすみなさい。

6日目:冒険は終わらない

おはようございます。早朝の青い星通信社です。淡いグラデーションの朝焼け空が美しい。
翌日が飛行機に乗って帰るだけの日ですので、実質今日が最終日。今日も悔いの無い一日にしたいですね。

青い星通信社のお食事は、豪華な料理や特殊な料理は出てきません。自分でも作れるかも?と思えるシンプルなお料理だけ。
でもどうでしょう?なんだか…”良い”でしょう?
ここはホテルではなくて、家。人の気配の無い平原にたたずむ、もう一つの自宅。私はそう思ってます。そんな場所で食べるお食事はこうでなくちゃ。
このシンプルな料理がなぜだか忘れられなくて、また来たいと思う理由のひとつになるのです。

名残惜しいですが出発です。
青い星通信社を出ると、こんな爽やかな青空と草原の景色が広がっていました。
冒険の一幕。ってかんじですね。

今日最初にやってきたのは美深の山奥、仁宇布(にうぷ)にあります「トロッコ王国美深」です。
美深町を通る鉄道路線は宗谷本線がありますが、かつては美幸線(びこうせん)という路線もありました。
大部分は周囲に民家の見えない完全な山奥。利用者は極めて少なく、日本一の赤字線の記録を何度も叩き出しました。
美幸線は1985年(昭和60年)に廃止となりましたが、その跡がただただ消えていくのは惜しいと立ち上がった美深町の有志により、廃線跡5km、往復10kmをエンジン付きトロッコで走り抜けるアトラクションへと姿を変えました。

人の気配の無い山奥の赤字線。それは鉄道路線としては最悪の環境だったわけですが、アトラクションとしては最高の環境。線路というのはどうしてこうもドラマチックに映るのでしょう…

事務所兼お食事どころはわりと最近新築されたもの。
なんだか嬉しい話ですね。赤字過ぎて命を絶たれた鉄道が、今ではこうして人々を楽しませる活気ある場として生まれ変わっているのですから。

お蕎麦とカレーのセットをいただきました!
味はまあ普通ですが、コンビニも他にお店も無い場所で温かいごはんが食べられる幸せ!あ、お蕎麦はちゃんと冷たいですよ。(そういう話ではない)

続いて車を山奥へ走らせ、やってきたのは「松山湿原」
「あゝ秘境」の言葉通り、マジで秘境です。車で行けるから秘境感は薄いのですが、マジで秘境です。

まあ、なんともない普通の沼ですね…
ただ、この沼は実は天竜沼といって松山湿原ではなく、本当の松山湿原はここから徒歩でしか行けない場所にあります。今回は時間も無ければ装備も無いので残念ながら行けません。熊が出てもおかしくないですから気軽には行かないほうが良いでしょう。

松山湿原から帰る途中、道路上に何か大きなものが見えました。
事故っては危ないので減速しましたら…なんとキツネの親子がいるじゃないですか!カワイイ!他に車もいなかったのでちょっと止まって撮影会。
子狐はビクビク、親狐は威嚇モードでした。(その前にあくびを一発)
かわいいね。
寄生虫に感染する恐れがあるため、間違っても触ってはいけません。
なお、この後リスが突然飛び出してきて轢きかけました。自然豊かだねぇ…

そのあとはただただ帰り道。自動車旅は写真が撮れなくて何一つ紹介できません。惜しいなぁ。

まあお見せできるのはポケふたくらいでしょうか。カワイイ。

旭川へ戻り、レンタカーを返しましたら札幌行の特急に乗ります。駅弁「牛すき海鮮ちらし」を食べつつ札幌へ…

札幌駅へと戻ってきました。お気に入りのビジホ「JRイン札幌北二条」へ宿泊。温泉ではないですが大浴場付きのステキなホテルです。

北海道との別れが惜しい!晩酌にセイコーマート飯で北海道の味を堪能しまくります!
お腹いっぱい幸せになって、けど名残惜しさも増して、北海道で過ごす最後の夜は深い眠りの中へと消えてゆきました。

エピローグ:心はいつも北海道

(私が乗った飛行機ではありませんが、ロコンジェット)

帰りの飛行機に乗るだけの今日まで含めて7日間の旅が終わりました。いつものことながらあっという間でした。
でも振り返ってみるとたった1週間のこととは思えません。1ヶ月くらいの話のようにさえ感じます。

私が北海道旅行に目醒めたのはコロナ禍真っ最中のこと。あまり大きな声で言えませんけども…
なので、観光客で溢れた北海道は今まで見られませんでした。特に外国人なんてなおのことです。
それが今ではたくさんの観光客が、たくさんの外国人がいる「本当の北海道」の姿を見られる世の中が戻ってきたのです。ホテルの値段が高騰したりと不便な思いをすることも時にありますが、それでも今の北海道の方が絶対に楽しい。本当に良い世の中が戻って来たと思います。

さて…今回の旅先、非常に活気に溢れているように見えたのではないでしょうか。
急に暗い話になって申し訳ないですが、最初に説明した通りJR北海道は苦しい会社です。維持できない路線を多く抱え、現に廃止されてしまった路線の様子もお見せしました。これだけ活気が溢れているように見えても、JR北海道は苦しいというのが事実なのです。
今回の旅がこれほど楽しかったのは、鉄道旅だったからです。これは自信を持って言えます。レンタカー旅も楽しかったですが、鉄道旅の楽しさは非日常で、普段は味わうことのできない楽しさがありました。
でもどうでしょう。私が今回乗った路線はほとんどが将来的に維持できないとされている路線です。私に忘れがたい思い出をたくさん残してくれた鉄道路線たちの命は、風前の灯火なのです。
ですが感情論は意味を持ちません。今回ご紹介した留萌本線をはじめ、廃止に反対する人はたくさんいました。
しかし、バスで輸送能力が充分足りる、鉄道で存続させる場合の数百億単位の赤字の補填を市町村も北海道も誰もしたがらない、ということから、しっかりと合理的に鉄道の廃止とバス転換という選択肢が選ばれてきたのです。

でも…でもですよ。それでもどうにかなってくれないだろうか…
そう思う私ももちろんいます。でも私にできることはたかが知れています。

ですので、皆さん。この旅が面白そうだと思ったら。
北海道の旅が楽しそうだと思ったら。
ぜひともJR北海道を利用してあげてください。

鉄オタの私からの勝手なお願いです。私は光の部分も闇の部分もすべてひっくるめてJR北海道が大好きです。
皆さんも北海道を旅することがあれば、ぜひともJR北海道を利用してあげてください。

締めの言葉代わりに、JR北海道の社歌「北の大地」の一節を引用して終わりといたします。

緑が萌える 平野をまっしぐら
線路はのびる 列車は走る
ロマンを求めて ゆくものたちを
優しくいだいて くれるとこ
北の大地は 果てなくなつかしい
我は今 北海道

JR北海道 社歌「北の大地」より

北海道旅行記2023夏 完

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