見出し画像

――みんなが、幸せでありますように。


 震度7を超える大地震と大規模火災により、2万を超える人命を奪っていった《首都圏大震災》。それから丸2年が経ち、東京は世界に誇る最先端のメトロポリスへと生まれ変わりつつあった。

 落ち着きを取り戻した郊外で暮らす18歳の日向みつきは、一浪中の予備校生。5歳年上で親友の昭月綾や、中学生で妹分の大地瑤子らと共に、都市に潜む数々の事件をひそかに解決(?)していた。
 そんな彼女らと、左遷されて退職することばかり考えていたキャリア官僚・久瀬隆平が出会ったとき、運命の歯車が大きく回り始める。

 世界規模の陰謀。歴史の闇に葬られた禁断の記録。誰もが知っていながらやがて忘れ去られてしまった〔超能力〕という言葉と概念。過去の妄執が平和な東京を戦場に変えたとき、光り輝く優しい翼が空を飛ぶ――!!

※注意※
 本作は2003年に企画・発案、2004年に小説誌で発表されたのち、2006年にノベルスとして商業出版されたものです。
 2011年に発生した東日本大震災とは何ら関係がなく、登場人物の発言や行動は00年代初旬の風俗を強く反映しています。特に社会的背景、中でも作品のバックボーンとなる中央官庁の描写については、当時取材した内容や入手できた資料に依るところが大きく、現在ではフィクションとしても許容が難しい描写も散見されます。ご注意ください。


本作の来歴

2003:
 角川書店(当時)スニーカー文庫編集部とのやりとりの中、本作の原型が整えられる。

2004:
 小説誌〔ザ・スニーカー〕誌上企画〔Pre-Pro〕にて短編〔お日様は今夜も空を飛ぶ〕を発表。当時作者が使用していたペンネームは「こちふかば」。
 このとき発表された短編はシリーズの第3話に相当。担当イラストレーターを公募したのち、未発表のエピソードを統合・改変、長編小説として刊行される予定だったが、諸事情により立ち消えとなる。

2005:
 スニーカー文庫の担当編集のご厚意もあり、未発表の第1話と第2話を他社へ持ち込むことに。
 リーフ出版・ジグザグノベルズ公式サイトにおいて〔サイズミック・エモーション〕と改題し第2話冒頭までを掲載。当時まだ一般的とは言い難かったWeb上での人気投票に出版が決まるシステムで、ここで一定の結果を出す。

2006:
 〔サイズミック・エモーション〕出版。
 売上部数が判明する前に続刊の可能性が消滅。独自で続編の発表を模索するも、この年の末に入社したゲーム会社で企画・メインシナリオを担当することになり断念。

2007:
 リーフ出版が倒産、ジグザグノベルズ消滅。
 出版契約は更新されず、全ての権利が作者の手元に戻る。

2020:
 noteでの無償公開を開始。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?