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エッセイという病

 これはまずい。

 自分の病気をようやく自覚できたので、処方箋としてこの文章を書き始めた。効いてくれるかどうかはわからないが。いや、効いてくれないと困る。むしろ効かせる。

 病態機序としては、以下のようになる。

 まず、旧Twitter改めXを放棄。ネットにおけるレーベルの本拠点をこのnoteと定め、必要な情報を集約させて移住を完了した。
 ここまではいい。何の問題もない。
 問題なのは、この〔ひとりてらり〕というエッセイを立ち上げてしまったことだ。

 〔ひとりてらり〕の存在目的は、0話でも書いたとおり自分の話をするためで、内実としてはツイートの代替だと言っていいだろう。

 今週の【推しの子】めっちゃ面白かった!!!! ……とか。
 〔チェンソーマン〕の最新話まじうけるwwwww ……とか。
 NHKの〔帰ってくれタローマン〕見た?! ……とか。

 そういう「自分にとっていま最高にアツい話」をする場所としてこのエッセイを立ち上げたのだ。本当だ。信じてくれ。別に自分の苦労話をしたかったわけじゃない。ここまでの長い話はそのほとんどが単なる転載。自分が過去に書いていた文章の中にnote映えしそうな話があったからこれで楽に閲覧数やイイネが稼げるんじゃなかろうかと浅はかに考えただけである。実際わりと稼げた。見立ては間違ってなかった。フォロワーさんもちょっと増えた。お察しの通り永元千尋というのはわりとめんどくさい類の人間ですそんな僕に興味を持ってくれてありがとうこれからもどうぞよろしくね!

 ────ところがだ。

 さて自己紹介も終わったぞ、ここからは何を話してもいいぞ、くだらない話をしよう、とすると、なぜか本当にくだらない話で終わらせるわけにはいかないと思ってしまうのである。
 文筆屋のサガ、あるいは一種のプライドなのだろうか。たった5行や10行そこらで終わる話を「エッセイ」と称して「いっちょあがり」としてしまうことにすさまじい抵抗感がある。
 まあ、noteの運営さんもそんな書き手心理などまるっとお見通しなのだろう。ここにはすでに「つぶやき」という140字程度のショート投稿機能もある。それを使えば済む話。
 しかし。しかしだ。なにせこちとらわざわざXを放棄してnoteに移住してきたのだ。屈辱なのだ。敗北なのだ。そんなTwitterのパチモンにすがってしまうということが。それならイーロン・マスクのケツを舐めてでもXにしがみついてたわ!
 
 イーロン……そう、イーロン・マスク……!
 ええい、名前を呼ぶのも忌々しい!
 あの愛くるしい青い鳥をくびり殺し、その屍を踏み台にして、以前とは違う別のナニカを作り出し生まれ変わらせようとしている傍若無人なビリオネア! 私はなんとかして彼に「NO」をつきつけてやりたい! あなたは間違っていると! あなたが作ろうとしているXなど必要ないのだと! 少なくとも僕にとってはね! その証拠に、ほら、僕は今、こんなにも楽しい! note最高! そう喝采を上げねばならない! 上げ続けねばならない! 心から!!!!
 
 気のせいか、この時点でもう病んでる人みたいね。
 
 念のために補足しておきますが、自分は起業家としてのイーロンの手腕を(かなり強引だし決して好きにはなれないけれども)割と評価していて、将来的に「Xしか勝たん」みたいな状況になったら渋々戻ることになるんだろうなと思ってはいます。どうせならBlueskyとかの方が伸びていって欲しいんだけどね。

 とにかく。

 そこそこ読める、それなりに読み応えのあるエッセイというのは、そう簡単に書けるものではないのよね。
 今回の移住にあたって軽くリサーチもしてみたけれど、商業出版ないしそれに類する経歴をお持ちのエッセイストの方でさえ、noteでの投稿頻度は月に1度か2度くらい。それはそうだ。本当にちゃんとやろうと思ったらネタの選別から必要になってくるだろうしな。
 そもそも論として、永元千尋という書き手はエッセイという土俵で戦うためにここにいるわけじゃないんですよ。LIBERTYWORKSの本懐は小説であって、第一の目的は〔終焉のパラベルム〕の連載をスタートさせること。エッセイなんて二の次、三の次。開店休業状態でほっとけばいいのである。

 そう、ほっとけばいいんだけど────
 
 頭の片隅で、ずっと考え続けているのだ。
 エッセイのネタ、なんかないかな、と。
 もう病気ですよ。ビョーキ。

エッセイに使えるかも、って写真まで撮り始めたよね。

 いやもうこんなことやってる場合じゃないのよ!
 要らんところに脳の思考領域を割り振るんじゃない! そんなヒマがあったら小説の執筆準備を進めやがれ! そのためのnote移住だろうが!!!!

 でも、小説の準備するよりエッセイ書くほうが心理的なハードルが低いんですよ。だってホラ、エッセイは自分にとって本領じゃないから。最悪、駄文でも構わないわけだから。しょうもない話でいいんだよって言い訳もしやすいから。
 そうして、人は低きに流れてしまう……。良くない、良くないね……。
 
 なので、開始早々、こんなこと言うのも何ですが。
 この〔ひとりてらり〕は、月刊~隔月更新ということにします。
 次の更新は9月、ないし10月。果たしてそこまで放置できるか。何も語らずに作業へ集中できるか。もちろんXに戻ったりもしない。noteのつぶやきに逃げたりもしない。為すべきを為すために! 自分にとっての真なるインターネット生活を手に入れるために!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 でもさ。
 
 そこまで放置しといて、いざ小説書けました、UPしましたってなったときに、みんな気付いてくれるんだろうか、目に留まるんだろうか、っていう不安はあるのよ。
 そのためにはやっぱり、どんな駄文でもいいから週イチくらいでエッセイもどきを更新しておくべきなのではなかろうかと。
 
 そう思うとホント、Twitterの仕組みってよく出来てたんでしょうな。
 Xから完全撤退とか言わずに、世界的大富豪イーロン様の靴を舐める気持ちで、自分の感情はグッとこらえて、「更新情報はポストするよ!」ってことにしとけば良かったのかも。ぐぬぬ。
 
 
2023/08/06

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