世界株の下げ止まりはいつか? スーパーチューズデーに注目


おはようございます。

300億円運用していた
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それでは、
今日も、資産運用に役立つ内容を
発信していきます。


世界的に株価が急落中

世界的に株価が急落しています。

この急落は2月18日付け
『アップルショック2020」

で言及した通り想定通りの展開です。

それでは株式市場の下落はいつまで続くのでしょうか。

一つのターニングポイントになるのは
米国大統領選のスーパーチューズデーです。


スーパーチューズデーとは??

米国大統領選は共和党と民主党の候補者が争います。

それぞれの党の大統領候補を決める手続きは、
全米の50州と首都ワシントンの特別区などで
「党員集会」や「予備選挙」を行って、
大統領候補に投票する代議員の獲得争いによって進められます。

その予備選挙や党員集会が集中する日
2月もしくは3月初旬に火曜日にあり、
これを「スーパーチューズデー」と呼びます。


今年のスーパーチューズデーは3月3日

今回のスーパーチューズデーは3月3日
14の州で予備選挙などが行われ、
代議員のおよそ3分の1が決まります。

スーパーチューズデーで劣勢にたった場合は、
その後の選挙戦での逆転が難しくなるため、
選挙戦を継続するか撤退するかの判断が迫られます。

そのためスーパーチューズデーで
事実上候補者が絞り込まれることが多い
です。


なぜ、スーパーチューズデーに注目すべきなのか?

株式市場参加者のベストシナリオは
現職トランプ大統領の再選です。

評価は分かれますが、トランプ大統領は米経済に貢献しています。

一方でリスクシナリオは民主党候補に
バーニー・サンダース氏もしくはエリザベス・ウォーレン氏が
選出されることです。

なぜなら両氏は、
経済成長の重石となる政策を掲げているからです。

従来はバイデン元副大統領が
民主党候補の中で最も支持を集めていました。

しかし、足もとでバーニー・サンダース氏が最も勢いがあり、
株式市場は戦々恐々
としています。


バーニー・サンダース候補の経済政策まとめ

【金融行政】
グラススティーガル法の復活です。

大まかに言うと銀行・証券業務の分離となり、
金融機関の営業に制限がかかり、業績の足かせとなります。

【富裕税】
富裕層への課税強化されます。

米国の最富裕層の平均実効税率は現在23%ですが、
これが富裕税の導入で平均実効税率は97.5%に跳ね上がります。

不動産を始めとした耐久財の消費に影響を及ぼします。

【キャピタルゲイン税】
増税を打ち出しており、株式投資の魅力が低下します。

【法人税】
オフショア(米国からみた海外)での租税回避を禁止

米企業の税負担が増加し、
設備投資や米国企業の競争力の源泉である
研究開発費が削減
されることにつながります。

【ウォール街税の新設】
米国で営業する金融機関に対する新たな課税負担が発生します。

【最低賃金】
15ドルに引き上げになります。

これは企業にとっては負担増になり、業績に悪影響を及ぼします。

最低賃金の引き上げは、職を持っている労働者には良いことですが、
企業が雇用に対して後ろ向きになることが予想できます。

その場合は失業率が上昇することが考えられます。

【住宅政策】
公的住宅の充実を打ち出しており、
小さな政府で民間の活力に任せていた
米国経済のダイナミズムが失われる可能性があります。

【スチューデントローン(学生ローン)】
すべて帳消し。

これは一見すると良い印象を受けますが、
財源は結果的に法人税に頼ることになり、企業の負担が増加します。

【原子力発電】
全て閉鎖を打ち出しており、
発電コストの上昇につながります。

【農業】
大規模アグリビジネスを解体します。

米国では農業の工業化が進展しており、
アグリビジネスの解体は食品コストの増加
になるでしょう。

【社会保障】
国民皆保険制度への移行

この政策も個人にとっては良さそうに感じますが、
政府負担の増加を結局は増税で賄うことにつながります。

【GAFA】
Google、Apple、 Facebook、Amazonを「GAFA」と言います。

これらの巨大テクノロジー企業の分割を計画しています。


いかがでしょうか。

サンダース氏の政策は大衆に迎合した内容です。

個人は喜ぶかもしれませんが、
企業活動を阻害するものがラインナップされており、
企業業績の重石になります。

企業が儲からなくなれば、結局雇用も賃金も増えません。

企業いじめは結果的に個人のためにならないのです。

サンダース氏がスーパーチューズデーで勝利した場合、
株式市場は米国の経済成長が鈍化することを織り込みに行き、
さらに株価が下落する可能性があります。

逆に比較的経済に優しい政策を打ち出している、
バイデン氏、ブルームバーグ氏、ブティジェッジ氏が勝利した場合、
米国株式市場の反転のきっかけになるでしょう。


根拠となるニュース
サンダース氏が矢面に、スーパーチューズデー控えた民主党討論会
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-02-26/Q6ACAZDWRGG501

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