見出し画像

区別と差別について

昨日、セクシャルマイノリティの話をしたので、その関連話を紹介します。それは「区別と差別」についての話です。


 私はパンセクシャル(全性愛)です。数年前、地元のセクシャルマイノリティ(セクマイ)のグループ会に1度だけ参加したことがありました。初参加でもあり、初めて複数人のセクマイの人たちと関ることができる、と緊張していました。

 会場には6つのテーブルの島ができていました。1テーブルに5、6人くらいが座れるようになっています。私は緊張もあって、1番奥の隅のテーブルに座りました。
 私の向かいの席には、1人の女性が座っていました。その方は、Mtfなのか女装家さんなのか今でもはっきり覚えていませんが、彼女が言った言葉がとても印象に残っています。彼女を仮にEさんとしましょう。Eさんは、毎回京都から参加してきているとのことでした。


 それぞれのテーブルのメンバーで、自分が1番つらかったこと、過去の話をしました。 その際、修学旅行での大浴場についての話が挙がりました。話をしたのは、クィアの男性です。仮に彼をQさんとします。学生時代の修学旅行の大浴場が苦手だったといいました。理由は、自分が男子たちに裸を見られること、裸の男子たちを見ることがとても嫌だったようです。彼は「寝室もそうだけど、男も女も自分の好きな方を選べればいいのに…」と。

 そこで反論したのが、Eさんです。
「馬鹿ね!10代の性欲を舐めちゃダメよ!そんな男女入り混じってたら、なにが起こるか分かったもんじゃない!そういうのは理性をきちんと持った年齢からじゃないと!」
私は急に声を挙げたEさんと、言われたQさん傷ついていないかなど、オロオロしてしまいました。(ここでHSP気質発動)

Qさん「でも…」
Eさん「でもじゃないっ!!」
私(ハラハラ…)

私たちのテーブルだけ、空気が重くなっているのが分かりました。どうしようと困っているときにEさんが落ち着いた口調で話します。

Eさん「あのね、区別と差別は違うの。差別はしちゃダメだけど、区別は大勢の人間がいる限り必要なの。”区別”を理解できない年齢の間は、そこを気を付けないと…」

ズドーーーーーン!!

と私は雷に打たれたような衝撃を受けます。
私(かっけえええええっ!!そしてすげえ大人な意見だああああっ!!)


その後グループチェンジをしますが、Eさんと再び同じグループになることはありませんでした。しかし1番最初に同じテーブルになれて、とてもよかったです。


数年たった今でも、あの日のEさんの言葉は私の胸に響いています。Eさんとは連絡先の交換はしなかったので、今はどうなっているかわかりません。しかし、きっとパワフルに生きておられると思います。


区別と差別… はっきりと認識するには難しいものだと思いますが、一人でもEさんのような考えの人が増えていけばいいなあと思います。

では、以上!
上杉リベロでした!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?