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アークナイツ合同記事 モジュールについて 後編

前編記事はこちらから。


バグパイプのモジュールについて

written by sivol(https://twitter.com/sivol7)


 今回は皆さんも重宝しているであろうバグパイプの所属していたテンペスト特攻隊について各国語のモジュールテキストを下にまとめ、考察してみた。

モジュールテキストとテンペスト特攻隊について

バグパイプに課された試験の内容は、「カイシャー郡南部の物流倉庫に潜入し、現地の暴徒の人質にされた一般市民を救出せよ」というものだった。出発前、バグパイプは教官室に呼び出された。
~中略~
「スリム先生、これは命令ですか?」「はぁ・・・・・・」先生は一つ溜息をすると、「まあ、私からのお願いだと思っておいて。」と語った。
バグパイプは3つの「お願い」を真面目な顔で手帳に書き写すと、一番上に書かれていた「人助け」という文字の下に、強調のアンダーラインを引いた。
~中略~
バグパイプは2秒ほどためらい、さらに手帳を開くと一番上の行に3秒間目をやって手帳を閉じた。
~中略~
バグパイプは学校に戻ると、先生を訪ねた。
「申し訳ございません。お願いは一つも守れませんでした。」
先生はしばらく何も言わなかったが、やがてバグパイプに推薦状を差し出した。「ええっ?テンペスト特攻隊?スリム先生、私なんかが本当にいいんですか?」「ええ、推薦状はとっくに書いてあったわ。」
~中略~
「合格よ。正式に配属が決まれば、本物の破城弾も支給されるわ。」バグパイプは目を大きく見開いた。
~中略~
「リタ、苦情は受け付けないわ。」スリムはやれやれと言った様子でつぶやいた。彼女は素晴らしい生徒だ。将来きっと・・・・・・良い兵士になるだろう。

破城矛マガジン基本情報

 バグパイプのモジュールテキストではチェンの留学先でもあったヴィクトリア王立前衛学校の卒業試験の様子が記述されている。バグパイプはこの試験で9章登場時に所属していたテンペスト特攻隊に配属されることになった。
 そして、ここでは「命令」である課題、つまりバグパイプにとっては「人助け」のためスリム先生の「お願い」を守れなかったと釈明するバグパイプの姿が出てくる。この命令に絶対遵守する姿勢は9章でもでてくる。

ホルン:・・・・・・私が退避を命じた時、どうしてあの箱に向かって突っ込んだの?
バグパイプ:あの時の退避命令は、うち以外の人たちに出したんじゃないの?
ホルン:・・・・・・
バグパイプ:だって、倉庫に入る前にうちが隊長から受けた命令は、容疑者を必ず生け捕りにすることだったじゃない。
ホルン:それは初期段階での命令でしょ。
バグパイプ:でも命令は命令だべ?
バグパイプ:あの時はみんな、容疑者が爆弾に点火したとばっかり思ってたんじゃない?だからうちはさ、この命令を遂行できるのは自分だけと判断したんだよ。
~中略~
ホルン:あなたは私の部下の中でも最高の戦士なんだけど・・・・・・時々、本気で扱い方がわからなくなるわ。戦闘能力だけじゃなく、頑なに命令を遵守するところも・・・・・・いつも予想を超えてくるのだもの。
バグパイプ:命令をちゃんと守るのは、当然のことだべ!

『暴風眺望』9-2 亡霊事変 戦闘前

 この姿勢がその後ホルンが9-9 戦闘前で「私以上に優秀な、ヴィクトリア最高の戦士」と彼女を評し、ドーベルマン教官が彼女の第二資料で述べていた「兵士たちのプロとしての素質」となるのだろう。そして、9章後も命じられた「命令」を元に彼女は進んでいく。

ホルン:この場所から、すべての情報を持ち出すのよ。
ホルン:その後、本当に信頼できる人を見つけたら、亡霊部隊の情報を外に広めてちょうだい。
ホルン:ロンディニウムには、ヒロック郡で起きた事件の真相を知る必要があるのだから。
ホルン:バグパイプ――生きて。ここから逃げ延びるのよ!
~中略~
一人のヴィクトリア軍人として――
バグパイプは、戦場において、最も信頼できる人からの命令に逆らうことなどないのだから。
~中略~
振り返ることはできない。
これは命令なのだ。
深く息を吸うと、あらゆる感情を心の中に押し込んで、荒野の彼方へと歩き出す。

『暴風眺望』9-19 長き夜を照らす戦火 戦闘後

 次にバグパイプの所属していたテンペスト特攻隊を見てみる。正式な所属先はヴィクトリア軍第七前線歩兵大隊、第二テンペスト特攻隊となっており、隊長はリタ・スカマンドロス中尉、コードネーム:ホルンとなっている。これから考える階級や軍隊の編成は国、時代ごとに異なるため今回は英語版、日本語版双方のWikipediaを元にまとめている。そして、「特攻隊」と書かれると表現上複雑なため、このテンペスト特攻隊がどのような部隊なのか他言語の表現から探っていこうと思う。
  まず、EN版では「the Storm Company」、つまり「中隊」と訳されている。中隊の人員数、規模は日本語版Wikipediaでは60~250名、英語版では80~250名ほどの部隊と書かれれている。そして、指揮官は日本語版では少佐から中尉、英語版では少佐から大尉となっている。

 次に、翻訳元であるCN版の表現を見てみる。CN版では「风暴突击队」と表現されている。「突撃隊」を百度百科(中国のWikipediaのようなもの)で調べてみると、「Commando」「Ranger」と同義とされていた。つまり、CN版ではテンペスト特攻隊はヴィクトリアの特殊部隊の一種として表現されていると見れる。

 EN版の「Company」つまり中隊となるとどちらの言語を参照しても100名程度は部隊規模が必要となる。しかし、確認できた隊員はホルン、バグパイプ、チェロ、オーボエ、トライアングル、ドラム、ベース、マンダリンの8名のみであり、9-1のシナリオでもケリー大尉の部隊に倉庫内で包囲されているため、各ネームドのオペレーターの下に部下がいるとしても100名規模の中隊とは少し実情とあってないように思える。

ホルン:トライアングル、周囲から接近してくる人物がいないか、目を配っておいて。
ホルン:オーボエ、あなたはバグパイプと一緒に倉庫を調べてちょうだい。何か見つけたらすぐに合図するのよ。
ホルン:チェロは地面に倒れているターゲットを捕縛して。

『暴風眺望』9-1 暗雲の中へ

ホルン:――!ドラムはどこ?ほかの隊員たちは!?
トライアングル:ドラムは・・・・・・そばにいます。
~中略~
トライアングル:・・・・・・ベースと、マンダリンは、まだ倉庫に。連れ出せなくて、すみません・・・・・・
~中略~
ホルン:よくやってくれたわ。あなたは素晴らしいチームリーダーよ。

『暴風眺望』9-9 罪無き者 戦闘前

  ここで、トライアングルは特攻隊内のチームのリーダーを務めており、恐らく副リーダーのドラムとメンバーにベースとマンダリンがいることがわかる。さらにチェロも9-5 戦闘後では別行動を取っていることや「チェロたち」と言われてることからトライアングルと同じようにチームリーダーであったと推測できる。また、9-13 戦闘後でチェロたちと合流した後ホルンのオーボエへの呼びかけが増えておりチェロのチームメンバーにオーボエが含まれていることが推測できる。
 
 以上よりテンペスト特攻隊の編制についていくつか説を立ててみた。

説1:中隊説(100名規模)
 長所:EN版の翻訳準拠、所属がヴィクトリア軍第七前線歩兵大隊である
 短所:英語版Wikipediaでは中尉が指揮する部隊ではない、シナリオ上100名規模の隊員がいるように見えない

説2:小隊説(40名程度)
 長所:英語版、日本語版、どちらのWikipediaでも指揮官が中尉相当、9-4 戦闘後でホルンが「我々小隊」と述べている
 短所:小隊内の分隊は10名規模のはずなのに全滅時に名前を出されるオペレーターが少なすぎる(END8-1のケルシー先生の放送のように全滅後名前だけ出てきたオペレーター達という前例がある)

説3:分隊説(10名程度)
 長所:今回出てきた隊員とモブ数名で構成可能、分隊内の班や組は英語だと「Team」
 短所:中尉が指揮するような部隊規模ではない

説4:特殊部隊説(有力)
 長所:小規模部隊が単独で駐屯軍管轄下に潜入し別任務を行っている、バグパイプが推薦を受けた時に大喜びしている、中央からの派遣とはいえ中尉が4階級上の大佐に対してコンタクトや進言ができる、ホルンが貴族の家柄でさらに王立前衛学校の優等生である
 短所:実際の特殊部隊がどのような編制で隊長の階級がなんなのか私が調べきれなかった

 今回はこのような説を挙げてみたが、恐らく小隊規模の特殊部隊が一番有力になると思われる。ただ、私には調べきれなかった点や小隊規模ならばもう少しモブ隊員への言及があってもいいのではないかという点は謎となった。

余談としてバグパイプの第二資料ではロドスのオペレーターと軍人の違い(個の力が求められるオペレーター、群の力が求められる軍人)が述べられており、バグパイプはロドスの作戦方針と異なる行動をとってしまったこともあったが最終的にオペレーター生活に慣れたことが書かれている。このオペレーター転向への慣れを資料では彼女の明るさや王立前衛学校での教育に求めていたが、軍隊の中で比較的少数精鋭である特殊部隊に所属していたことも理由の一つであろう。


モジュール本体について

破城矛マガジン

 このイラストのモデルと思われる物はダネルMGLという六連装グレネードランチャーだ。

ダネルMGL ICS-192
40mmグレネード(レプリカ)

 またモジュールイラストではこのマガジンがエンジニア部により監査済みであることとロドスの軍事部門(?)によって「SMA」なるものが禁止されていることがわかる。明確な答えはわからないが有力と思われるのは「Spear Magazine Ammunition」だ。EN版のモジュール名である「Piledriver Spear Magazine」から「SMA」の「S」、「M」をこの「Spear Magazine」、そして「A」を弾薬を意味する「Ammunition」と今回推測した。つまり、破城矛マガジン用弾薬ということだ。完全に憶測の域のため他の案もあったら情報提供してくれるとありがたい。
 この「SMA」の表記はマガジン本体や薬莢、バグパイプの立ち絵でも確認できる。下の張り紙のような物には警告色である黄色の地に「SMA」そしてバグパイプの顔写真らしきものも確認出来る。


未昇進
昇進2

 モジュールテキストで先生はバグパイプに「合格よ。正式に配属が決まれば、本物の破城弾も支給されるわ。」と述べている。この「破城弾」は「本物の」と付くことから訓練や授業では模擬弾を用いるような危険物であることがわかる。さらに9-2 戦闘前ではバグパイプは「質の悪い源石爆弾なら演習で使う破城弾ほどの威力はないから当たっても大丈夫」という趣旨の発言をしている。そして、バグパイプの第二資料では破城矛から射撃機能を取り外した旨が述べられている。そこで、禁止しているとはいえこの張り紙によって「所有者は危険な破城弾を打つ能力を持っています。」ということをロドスの軍事部門は示したかったのではとも考えられる。

あとがき

 私は今回初めてまとまった考察文をあげたためお見苦しいところなどあったと思いますが勘違いや間違いなどございましたら教えてくださると幸いです。(特にミリタリー分野については素人なため)



モジュール考察 フィリオプシス

written by 菱ろの(https://twitter.com/HishanoArk)


初めまして、本記事ではフィリオプシスのモジュールについての考察となります。初めての考察記事なので至らない点があると思いますがご了承ください。

この記事ではストーリー上でフィリオプシスが描写されているシーンを引用しています。そのため、”午後の逸話” ”回想秘録”のネタバレを含みます。


モジュール:医療環境分析装置

フィリオプシス モジュールのイメージ

まず先にモジュール本体について考えよう。
現実世界にこれと全く同じようなものは見つけられなかったが、右下の小分けにされた筒状のもので気体や土壌などを回収し、蛍光色の溶媒に溶かし特定の物質の濃度を測定するようなものであると考えられる。

フレーバーテキスト

モジュールのフレーバーテキストは1人の録音によって構成されている。
これはおそらく、フィリオプシスが感染するに至った経緯だ。

モジュールテキスト


フィリオプシスの感染症状

フィリオプシスの感染による症状について確認しておこう。フィリオプシスプロファイル第二資料から『前兆がない異常な睡眠』となっている。以下が主な例だ。

午後の逸話:日記帳より
フィリオプシス回想秘録より 日記1

鉱石病がフィリオプシスにもたらす影響ですが、種族特性による効果が表れ、睡眠情報の指令を乗っ取り、生命体の基礎的な神経信号の伝達を妨害するなどがあります。

フィリオプシス プロファイル第二資料

この人物は誰なのか

まずモジュールにある コードネーム:フィリオプシス はロドスのフィリオプシスと同一人物と思われる。チップを埋め込まれて生きた人間だ という点と、秘録にある定期検診から間違いないだろう。

では一体誰の録音記録なのか。それは秘録から推測できる。

回想秘録より サイレンスとの会話1


サイレンスの ダラレイドさんのプロジェクト という発言と 九号デバイスプロジェクト。この二つは文脈的に同義であるだろう。 また、メイヤーからは「今の君は生命維持すら九号デバイスに頼らないといけないんでしょ?」と言われており、

「彼女が事故発生までに受け取った情報を元に、人体埋め込み式のチップを制作した。」

モジュールテキストから抜粋

この発言からおそらく本来使われる予定だった「九号デバイス」を改良した物だと思われる。

回想秘録より メイヤーによる定期検診

この前文で脳のチップに対しての言及があったためこの九号デバイスを開発した人物、つまりこの録音はダラレイドという研究者によるものだと思われる。

テキストの考察

登場人物もわかったところで本文を読み解いていこう。

まず最初にあるダラレイドが誰かに検討、相談しているシーンだ。これもまた秘録から予想ができる。源石の可能性を語っている「???」はダラレイド、ジョイスはメイヤーがフィリオプシスに対してそう呼んでいたため、フィリオプシスの本名がジョイスなのだろう。そのため、人間に計算させるという案を出したのもフィリオプシスの可能性があると思われる。

回想秘録より 序文

次に実験のシーン、これは外部の者からは不安要素があったと思われていたそうだ。

回想秘録より サイレンスとの会話2

というものからまだ完成に至るには少し時間が足りずこの事故が起きてしまったのだと考えられる。ダラレイド自体は「このプロジェクトにはエンジニア課は関わってないってのに、こんな革命的な発明をしちゃうなんて。」とのメイヤーの発言から優秀ではあったと思われる。(既出の九号デバイスに関するメイヤーとの会話の画像より)


実験の代償

「脳内に声が——既知の言語からは逸脱した声が響き、精神に大きな負担を掛けている。」
「そして、機械的な言語ロジックを用いることでしか、その苦痛を軽減できないと彼女は語った。」
「彼女はクルビア初の、チップを埋め込まれて生き延びた人間だ。これは偉業と言えるだろう。」
「だが、彼女の目に映るこの大地は、どうやら前とは全く異なるものとなったらしい。」

モジュールテキストから抜粋

これに関連するものがいくつかのシーンからも見受けられる。

午後の逸話:日記帳より
回想秘録より 夢

この夢が九号デバイスが原因の精神的疲労によるもの(フィリオプシス鉱石病症状の例)なのか、源石の情報蓄積機能なのかは分からない。


モジュールの最後、

「私も脳にチップを埋め込むことにした。傷口はまだ痛むが、それでも知りたいのだ。源石が宿す情報が、いったい彼女にどのような変化をもたらしたのかを。」
「そして、彼女が聞いた声の正体を。」
「私は必ず、実験を再現して見せる。」
——ライン生命*未知*プロジェクト責任者生前の録音より

モジュールテキストから抜粋
回想秘録より サイレンスとの会話3

責任者生前の録音 となっている。「彼女の死は……あなたと直接的な関係はないし、私に 〜 彼女の研究に対する行き過ぎた執着が」という台詞と『私も脳にチップを埋め込むことにした。』ということからダラレイドは脳に埋め込んだチップによって死亡したのではないだろうか。
そしてこの録音は

ライン生命九号デバイスプロジェクト ダラレイド生前の録音

なのだろう。

ダラレイドとフィリオプシス

蛇足かもしれないが気になったため書かせてもらう。

回想秘録 序文 既出部分を含む
回想秘録 日記2
回想秘録より サイレンスとの会話4

彼女たちは自分の研究している内容の相談をする程、仲が良かったのだろう。

「ライン生命を見渡しても、彼女以上の適任はいないだろう。実験に伴うリスクを彼女に伝える必要はない、と上からは言われているが、彼女にはその全てをありのままに伝えた。クルビア人として、一人の人間としての最低限のモラルだ。」

モジュールテキストから抜粋

となってはいたが、おそらく友人を思ってのこともあったのだろう。

ダラレイドは源石を破壊ではなく人のために使われることを望んでおり
また、ライン生命 の職員であったのだ。

あとがき

初めまして、フィリオプシスの考察をさせていただきました。
菱ろのです。
今回初の考察記事だったのですが大丈夫だったでしょうか。
何か間違いなどあればご指摘お願い致します。



マゼランのモジュールから考察するテラ世界

written by Show/觴(https://twitter.com/eyeofthera)


1.マゼラン一度目の探索(珪化木)

一度目の果てなき氷原の探索。直近の観測基地から二十五日の位置にて:
先ほど雪原から木の枝を一本発掘。
具体的なデータはデータ表参照。簡単に説明すると、あたしの腕とほぼ同じ長さの木の枝だよ。
かなり長い時間を掛けてケイ化したって断言できる。今あたしが持ってるこれは、完全にケイ化するまで少なくとも90%は分解されたはず。
だとすると、元々はどのくらい太い枝だったんだろうね!
きっと……こないだ見たあの一本木の幹くらいなんじゃないかな?
そしたら木全体はライン生命本部ビルほど高くなるんじゃない?
わー、すっごいよね。
そんなに重くはないし、できるだけ原型を留めたまま持ち帰りたいいから、ウルサスの国境検査の警官さんがあんまり意地悪しないといいんだけど。 

一度目の探索

 まず一回目の探索で、マゼランは腕ほどの長さの珪化木を発見し、元はライン生命本部ビルなみの高さの木ではないかと発言している。「わー、すっごいよね」という感嘆の声を合わせて考えれば、かなりの大木だろうと推測される。後述するが、寒冷地でも25m程度の高さの樹木は普通に存在するので、感嘆するような大木の高さは少なくともそれ以上、50m程度と考える。しかし、ウルサス北の雪原のような場所でこんな大木が育つものだろうか?参考にしたWebページによると、以下のようにある。

タイガ南部の森林は樹高が25メートル以上にも達するりっぱな林である。いっぽう、森林ツンドラ地帯のカラマツ林ではたかだか10メートル、あるいは5,6メートルにしかならない。こんなところでは、年輪の幅、すなわち一年間の太さの成長量がわずかに1ミリの10分の1から20分の1しかないことがふつうだ。顕微鏡でなければとても読み取れない

竹中明夫 "シベリア・永久凍土地帯のカラマツ林-地球温暖化の潜在的な影響をさぐる-"
竹中明夫のページ http://takenaka-akio.org/repro/cger/9_8.html (参照2022/07/24)

 マゼランが探索している地域は氷原と呼ばれているから、地球で言えばツンドラ地帯のような場所だろう。ツンドラ地帯のような寒冷地では、10m程度の木がせいぜいで、前述したような大木は見られないことがこの資料から分かる。そう考えると、この大木が生えていた当時は今とは気候が違い、もっと温暖な土地であったと考えるべきだろう。通常、木が珪化するのには珪酸を豊富に含んだ環境が必要で、珪化木は火山地帯や湿地・河川といった環境・地層で発見される。
 こうした条件を考えると、ウルサス氷原はかつて大規模な気候変動に見舞われたことがあり、この木はそれ以前のテラに生えていた可能性が高い。そうなると、テラ世界はテラフォーミングされた異星であるという説はかなり可能性が下がることになる。未来の地球説、または地球に類似した環境をもともと持った星という説が有力になるだろうか。

2.マゼラン二度目の探索(源石氷晶)

二度目の果てなき氷原の探索。直近の観測基地から二十八日の位置にて:
今は洞窟で避難中。外は吹雪がひどくて今日はもう進めなそうだし、ここでしっかり休もう。
予備のドローンも全部使っちゃてるから、計画通りに進めるなら、あと一機でもドローンが壊れたら帰らないと。
理論上の探索限界だと、氷原奥地に向かって一か月半は進めたはずなんだけど、現実は残酷だったよ。一か月でもう限界だなんて……
吹雪が止んで、これ以上発見がなければ、あたしは……
ねぇ!何を見つけたと思う?!
花畑、しかも洞窟の中で!
植物は氷層の中から水分と養分を得てるみたいで、あんまり丈は伸びてないけど、元気に成長してるみたい。
一株だけ完全な状態で採取して培養ポットに入れて、観測基地で初歩的な性質分析を行ってからラインに持ち帰ることにしたよ。
吹雪が止んだら、あと二日ほど進んでみよう。二日だけ進んで、そこでもう撤退。
衝動は命取りになるから気をつけないと。

二度目の果てなき氷原の探索。直近の観測基地から三十日の位置にて:
源石氷晶がまるまるひとかたまり!あたし三人分くらいの高さがありそう!
しかも完璧な菱形だから、もし今吹雪いてなかったら、きっと光を反射して輝く最高の光景が見れたのに!はぁ、吹雪の中であのまま無造作に転がってるなんて、可哀想すぎるよ。
ここの位置座標をマーキングして、撮影もしといた。次に来るときも目印を手がかりに見つけられるといいんだけど。
氷晶が完全な状態で残っていることの意義を考えたら、直接標本採取するわけにはいかないけど、幸い、地面には欠片がたくさん転がってた。十分な量もあるから、持ち帰れば一年分の分析にも困ることはなさそう。
今回の調査の目標は達成できたから、そろそろ帰ろう!
前回と同じ警官さんに会えるかな?

二度目の探索

 さて、二度目の探索である。ここでマゼランは、洞窟で咲く花と巨大な源石氷晶を発見している。洞窟内で咲く花の実例は残念ながら見つからなかったので、ここでは源石氷晶について考察していこう。
 源石氷晶についてまず分かることは、それが完璧な菱形をしているということだ(マゼランの言及より)。鉱物の結晶が理想的な形に成長することは稀で、地中の状態や受けた圧力などで様々な姿になることが普通である。マゼランが完璧な菱形に感動したのはそのためだろう。源石結晶(および氷晶)も通常の鉱物同様、一様な形にならないのだと予想される。

2-1:源石の持つ特徴について

 氷晶は源石結晶の特殊な形態と思われる。そのため、まずは通常の源石結晶について考察してみよう。アークナイツ公式HPには、次のようにある。

公式による源石の説明

 まずこの次点で、源石は「鉱物」であり、大きなエネルギーをそこから取り出すことができることが分かる。いっぽう、アークナイツゲーム内では次のような表現がある。

ケルシー:源石の自己複製速度とエネルギー増加の関係――この知識を応用し……風災の軌道を計算する。
ケルシー:君は過去にも今回と似た能力を披露したことがある。それにより、災害が当時の同僚にもたらす損害を低下させたのだ。以来、一部の者は君を天災専門家と呼ぶようになった。

VIGILO-我が眼に写るまま-より抜粋

 この文章は、イベントVIGILO-我が眼に写るまま-において、大規模な風災からロドス本艦を守るためにドクターがその頭脳を発揮したシーンから抜粋した。 
 ケルシーのセリフから、源石は自己複製能力を持つということが分かる。さらには、源石は自らを飛び散らせる能力をも有している。

リスカム:皆さん、手分けして密閉できる部屋を探してください!
Ash:何をする気?
フランカ:説明は後! 急いで!
リスカム:布を持ってきてください! カーテンとかシーツとか……大きな布なら何でも構いません!
シュヴァルツ:先生をあちらの小部屋に! 早く!
(中略)
フランカ:扉も窓も閉めて! 隙間も全部塞いで!
シュヴァルツ:煙突! 煙突も塞いでください! 通気口もです!Tachanka:……
Ash:これは……これは何事なの?
Blitz:わからない。先生の遺体に……何か問題でもあるのか?
Tachanka:行くな。
Ash:どうして?
Tachanka:行くな……
シュヴァルツ:上は全て塞ぎました!
フランカ:扉も窓も塞いだわ! よし……
Ash:待って! 部屋の中が光った? 扉や窓が光ってる?
(中略)
暗い部屋の中、死者の傷口からきらめく粉塵が噴き出し、狭い空間に飛散していく。それに続いて光が暗闇を突き破った。
幻想的な輝きが作り出す鮮やかな光景。光の中、源石の粉塵はまず空中に漂い、その後ゆっくりと落ちていく。
一人の感染者が、生まれ育った大地に還っていった。

オペレーション:オリジニウムダストから抜粋

 これはオペレーション:オリジニウムダストに登場するミアロという医師が急激に進行した鉱石病で死亡したシーンであるが、遺体を布に包んだ上で部屋をしっかりと密閉している。その後、「扉や窓が光っている」と描写される強い発光と共に遺体から源石と見られる粉塵が飛散している。厳重な密閉の様子からみて、こうした飛散はかなり激しいものと考えられる。また、シルバーアッシュの秘録にも次のような描写がある。

感染者の兄:鉱石病が怖くなかったわけじゃない。ただ、他の奴らが怖がるのを見て、何がそんなに怖いんだって思ってたのさ。
感染者の兄:今はもう鉱石病は怖いもんだって分かってるよ。本当にパンッと爆発して死んじまう奴もいるからな。
感染者の兄:そうならない奴もいるが、苦しんで死ぬのは変わらない。ふっ、お前も気を付けるんだな。今すぐ俺も爆発して、お前とご友人を吹き飛ばしちまうかもしれないぞ。

シルバーアッシュ秘録2から抜粋

 上の例から分かるように、重度の感染者や感染者の遺体は、発光や強い爆発を伴って源石粉塵を飛散させることがある。
 VIGILOの例で分かるように源石は自己複製する能力を有しており、さらなる「繁殖」のために自己を飛散させることもある。鉱物でありながら、こうした生物的な特徴をも有しているわけだが、源石は生物なのだろうか。それとも非生物なのだろうか。これについては、次の3つの仮説が考えられる。

 1.源石は(地球型の)生物であり、細胞分裂によって増殖する。
 2.源石はウイルスのように単独で自己複製する能力を持たず、細胞に寄生するようにして増殖する。
 3.源石は自己複製する非生物である

このうち仮説2.源石=ウイルス説は、源石が天災嵐の中で自己複製を続けていることから、生物の細胞に頼らず単独での自己複製が行えると見るべきだろう。残る仮説は1または3になる。仮説1については、源石が細胞を有しているなら、ストーリー中で源石が生物であるという言及がないのは不自然に思える。テラの科学技術はおおむね現代の地球と同等なので、顕微鏡などの装置で細胞分裂を観察できると思われるからだ。そういうわけで、本記事では仮説3.源石=非生物という説が妥当と考えたい。自己複製の能力を持っているが、地球の生物の系譜では説明できない存在というわけだ。
 ところで、オペレーターのプロファイルを見ると血中源石密度という項目があり、これは健常者でも0.15u/L程度の数値がある。つまり、誰でも血中にある程度の源石が含まれているということを示している。人体の毛細血管の太さは8~20μm程度でこれが詰まると体に異常が出るはずだが、テラの健常者はごく普通に見える。ということは、血中を漂う源石は血管に詰まらないくらいの大きさ、せいぜい8~10μm以下のサイズと考えるのが妥当だろう。
 よくSF作品に登場するナノマシンは物理学者リチャード・ファインマンが提唱した概念で、ナノメートルサイズ(0.1~100μm)の小さな機械のことである。ナノメートルのサイズであること・何らかの機能を持つことがナノマシンの条件と言える。現実でも、DNAやRNAの材料でもある核酸を用いて、光に反応して簡単な動作を行ういくつかのナノマシンが医療目的で開発されている。血中を漂う源石も、大きさが10μm以下と推察されること・自己複製という機能を持つことを考えれば、このナノマシンの一種として差し支えないだろう。
 まとめると、源石には自己複製を行う能力があり、爆発や発光と共に自分自身を空気中に拡散させることができる。
 また、健常者の血中にも存在する源石による血管の閉塞が見られないことから、その最小サイズは毛細血管の太さ未満、8~10μm以下と推測される。


2-2:源石の外見的特徴と、類似する鉱物について

 さて、では次は源石の外見的特徴について見てゆこう。次の画像は、公式HPにある源石の画像だ。

あくまで一面からの絵であり、この画像から一見して結晶の特徴を判別することは困難である。そこで、その一部を拡大してみよう。

画像を拡大したもの

これを見ると、大きな源石から剥離したかけらが、菱形ないしは四角形の薄片であることが見てとれる。マゼランのモジュールでも源石氷晶が「完璧な菱形」だと表現されており、源石結晶・氷晶が四角形、または菱形を呈する鉱物の可能性が高い。
 ここまででわかったことは、

・源石は鉱物である
・源石は自己複製の能力を持つ
・源石は、発光や、人体が爆発するような衝撃を発生させることができる
・源石の薄片は、四角形ないし菱形を呈することがある
 
 ということである。以上を踏まえ、本記事では、源石の正体は鉱物結晶をベースに、その一部が源石の本体であるナノマシンや他元素によって置換されたものではないかと考える。
 そしてもう一つ。ベースとなる鉱物は方解石ではないか?というのが、本記事の推測である。その根拠の一つとして、実際の方解石の画像を御覧いただきたい。

方解石の実例

 このように、方解石は菱形の結晶を形成することがある。また、福井市自然史博物館HPには、方解石の特徴について以下のように書かれており、割れた面が菱形になることが分かる。方解石は劈開面以外で割ることの難しい鉱石で、その割れた面はほぼ必ず菱形になる。

 割ると必ずつぶれたマッチ箱のような菱形になるのが特徴です。

福井市自然史博物館 "方解石と鍾乳石"
福井市自然史博物館ホームページ
http://www.nature.museum.city.fukui.fukui.jp/tokuten/2020kou/webten/tenji06.html
(参照2022/07/24)

 見た目上のもう一つの共通点として、犬牙状方解石と呼ばれる形状の結晶があり、公式HPに掲載された源石結晶のイラストに類似していることが挙げられる。

方解石の結晶例1
方解石の結晶例2

 このように、方解石と源石結晶は両方とも割れた面が菱形~四角形の形状を示す特徴があり、かつ結晶の見た目にも類似点があると言える。

2-3:源石と方解石の構成元素について

 次に、方解石の成分について考えてみよう。方解石の成分は炭酸カルシウム(CaCO 3)で、カルシウムと炭素と酸素の3つの元素によって出来ている。鉱石病が進行すると体表面に源石結晶が析出することから、源石は鉱石病患者の体内で自己複製を行っていると考えられる。
 呼吸器等を通じて侵入した源石が体内で再結晶化しているのだとすると、説明しにくい事例が存在するからである。たとえば星4オペレーターのムースのプロファイルを見てみよう。彼女は若年でかつ裕福な家庭に育っており、日常的に源石との接触が多いと判断する理由はない。また、過去にはっきりとした源石との接触事故が見られないまま鉱石病に罹患している。にも関わらず源石融合率は15%と高く(全オペレーター中12位)、手に大きな結晶がある。ロドス所属オペレーターの源石融合率は、最大でアーミヤとイフリータの19%であるから、15%というのはかなり高い水準と言える。このように源石との接触が少ないにも関わらず源石融合率の高い事例を踏まえると、患者の体内では源石の自己複製が起こっていると考えるほうが妥当だろう。
 さて、体内で自己複製を行おうとすると、当然人体が取り込む物質しか利用することができない。そうなると、人体内部で手に入りやすい元素で構成されていると考えるのが自然だろう。その点、方解石はカルシウム・炭素・酸素で構成されている。二酸化炭素や酸素のほか、利用しやすいカルシウムイオンなどが血中に存在する。素材の入手性という観点から、源石の正体の候補としてはなかなか有望に思われる。
 先に挙げた天災嵐での自己複製でも、酸素・炭素は空気中から、カルシウムは巻き上げた土や水(カルシウムは水溶性である)、石灰岩から得ることが可能だ。
 また、オペレーション:オリジニウムダストには次の記述がある。

フランカ:あなた大自然をなめ過ぎ。野生生物たちはあたしたちよりもはるかに天災に敏感なの。源石汚染をどうやって回避するかだって、本能であたしたちよりもずっとわかってる。
フランカ:天災は都市を滅ぼす力を持ってるけど、野生生物はほとんど影響を受けない――
フランカ:――この無情な大地じゃ、源石の影響を回避する手段を持つ生物じゃないと、ここまで存続してこられるはずないもの。
シュヴァルツ:……なるほど。よく目にするオリジムシもそうですね。オリジムシは外殻で源石成分を全て吸収して、軟体部は完全に汚染を免れているそうですから。

オペレーション:オリジニウムダストより抜粋

 オリジムシはカタツムリのような陸生の貝類ではないかと思われるが、貝の貝殻の主成分は炭酸カルシウム(CaCO3)で、まさに方解石と同じ物質である。一般的に、貝類は炭酸イオンとカルシウムイオンの過飽和状態の液を分泌し、これが貝殻を成長させる。オリジムシは体内に侵入した源石をこうした分泌液に誘導し、貝殻を形成しながら体外へ排出していると考えれば辻褄が合うのではないだろうか。
 以上のように、人体内部と天災嵐という源石の自己複製が行われていると考えられる環境下の両方でその構成元素(カルシウム、炭素、酸素)が入手可能であること。また、オリジムシの事例では源石を吸収している殻は地球の貝の殻と類似していると考えられ、貝殻の主要構成物質である炭酸カルシウムは方解石を構成する物質と同一であることが分かった。

2-4:源石についてのまとめと氷晶について

 さて、源石=方解石とは現時点では断言できないものの、形状的な類似点と、構成元素がカルシウム・酸素・炭素と、どこにでもあり人体にも存在する元素であること。加えてオリジムシの事例を考えると、源石の正体候補としてかなり可能性が高いのではないだろうか。
 余談だが、分子構造の隙間にリチウムを配置することで結晶内部でイオンの移動を可能にし、結晶を電池の中身として利用する固体電池も実際に研究され、一定の結果が出ている。源石結晶が巨大なエネルギーを秘めた夢のエネルギー資源であることを考えれば、エネルギーを溜め込む媒体として鉱物結晶が都合が良かったのかもしれない。

 長々と源石結晶について考察してきたが、モジュール情報にいったん立ち戻ってみよう。マゼランが発見したのは通常の源石結晶ではなく、源石"氷晶"である。氷晶と通常の源石結晶の違いはなんだろうか?シルバーアッシュの印には「世界に数個しかない、誠意を象徴するオリジニウム氷晶。永遠に溶けることはない。」とあり、まず貴重であることがその特徴である。また、贈り物とされることから、宝飾品のようなものであって通常の源石のような感染性は無いことが推察される。さらに、ゲーム内に登場する源石氷晶装置は青く、色も源石結晶とは違っていることが分かる。

ゲーム内の源石氷晶装置

 これは推測にすぎないが、源石氷晶とは源石ナノマシンが複製エラーを起こすなどして、本来あるべき鉱物とは違う結晶を作り出すようになった亜種のようなものではないだろうか。見た目からすると、氷または水晶のようなものではないかと想像される。感染性が無いことや極めて希少(=大きく増殖しない)であることを考えると、源石氷晶は本来の源石が持っている機能が大きく損なわれていると推測できる。源石氷晶はいわば源石結晶のエラー品であると考えれば、こうした特徴を説明できるのではないだろうか。


3.マゼラン三度目の探索(黒い雪)

三度目の果てなき氷原の探索。直近の観測基地から十五日の位置にて:
本部の提案により、進行方向を調整。
だけど十五日も進んだ後に、急に止められちゃった!
相手はウルサスの公式トランスポーター。
この先は軍事管制区だから、これ以上進むのはやめろって言ってきたんだ。
だからあたしは、ウルサス政府が発行した探索許可証、探索ルート確認書と氷原地図作成委託書を見せて、ここを通る権利があるって主張したんだ。
それでも相手はあたしに引き返すように強く命令してきた。自分にはより強い権限があって、あたしが持つ文書の有効性を一時的に無効にできるなんて言ってさ。
その言い方自体はキツかったんだけど、なんだか言葉の裏には、乞い願っているような感情があるように感じてさ。
ここを進めば、きっとすっごく探索に値するものがあるって感じはしたけど、よその領土での探索中に公務員と衝突を起こすのは賢いやり方じゃないことも分かってる。
だから、了承したことを表明して、鱗獣の干し物をひと包みプレゼントしたんだ。
そしたらその人も気取るのをやめて、あたしが引き返すのに必要なサポートを提供してくれるって言ってくれたよ。
予報によれば、明日明後日くらいにここでは大きな吹雪が吹き荒れるみたいだから、こんな時に助けをもらえるなんて願ったり叶ったりだったよ。
探検の目標には到達できなかったけど、ほかの成果はそれなりに喜んでいいものだったかな。
何より、ここで新しい友達ができたからね。
空から黒い雪が降ってきた。天災が起こる予兆なのかな?
彼が気付かないように、雪を一片だけ採取しといた。
この雪から、何か面白い発見ができるといいな。

三度目の探索

 ここでは黒い雪について考察してみる。黒い雪については、過去のイベントにも描写があった。「遺塵の道を」において、ウルサスの利刃がケルシーと戦う直前の描写である。

ケルシー:……黒い雪。
ハイディ:え? そんなものが見えるんですか?
ケルシー:ハイディ、仲間全員に伝えてくれ。ほかの者たちに気付かれないようにパーティー会場を掌握しろ。
ケルシー私に一時間くれ。誰にも……庭園に近づけさせるな。
(中略)
ケルシー:……姿を現わすがいい。
ケルシー:ウルサスの意志がお前をここまで運んだ。
ケルシー:だがお前はヴィクトリアの強大な力を見くびり過ぎているのではないか。お前は悪魔の性質を引き継いでいるようだが、自分の責任の所在を考えたことはあるのか?
ケルシー:悪魔に理性までも喰われたわけではないのだろう、近衛兵。
灯火の届かぬ暗闇が揺れ、そこから何かが一歩踏み出した。

遺塵の道をより抜粋

 皇帝の利刃と呼ばれるウルサスの近衛兵との対決シーンであり、利刃はその体(あるいは装備)に「悪魔」を宿していることが説明される。

「皇帝の利刃」:近衛兵の古代の儀式には、たとえウルサスでの科学者であろうと手を出す権限がないのだぞ……
ケルシー:古代の儀式か……そうだろうな。解脱を謳う狂った集団の祭司どもこそ、お前たちの身に悪魔をまとわせるにふさわしいのだろうな。

遺塵の道をより抜粋

 また、次のセリフからはウルサスの北方に「悪魔」が存在することが読み取れる。

ケルシー:サーミとウルサス以北、サルゴン以南、その他、人がまだ足を踏み入れていない土地……
ケルシー:悪魔、精霊、それらがありふれた生物なのかどうかはわからない。だがそれらの歴史は、今日のどの国々よりも古い。

遺塵の道をより抜粋

 利刃が宿しているのは北原に巣食うと言われる「悪魔」であり、マゼランが探索しているのもウルサス北の氷原であるから、この黒い雪は悪魔に関連するものである可能性が高い。制止を振り切って進んでいれば、二度と帰らぬ人となっていたのかもしれない……。
 以上、マゼランのモジュールから分かることを、推測を交えて紹介した。何かの参考になれば幸いである。



終わりに

 以上を持ちまして本記事は終了となります。最後までお読みいただきありがとうございました。

 最後となりますが、私たち「ロドスの図書館」はいつでも参加希望者をお待ちしております。参加をご希望される場合は、下記リンクよりお願い致します。

https://discord.gg/aj7RQMX8Nx

 重ねてとなりますが、最後までお読みいただきありがとうございました。次回はまだいつになるか決まっていませんが、よろしければまたお読みください。

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