逆噴射手習い その1

就職したはいいけど昼休みがヒマすぎるので #逆噴射プラクティス をやろうと思う。
せっかくなので #逆噴射小説大賞 の応募フォーマットに乗せることにする。
今回は「パルプ小説の書き方1:一人称でやれ」のプラクティス

しまった、と思った。これは罠だ。しかも稚拙な、使い古された手口の罠だ。
予め死体を用意し、その現場に銃を持った男を向かわせる。そこを「通りすがりの一般市民」様が目撃すればめでたく犯罪者一人前の出来上がりという寸法だ。
もっともらしい演技を被せた悲鳴が響く。汗腺が開く。こいつを黙らせるか?いや、それでは事態を打開することはできない。何か言葉が口から出そうになるが、くぐもったうめき声にしかならない。かろうじて脚は自分の意志で動かせた。コンクリートの地面を蹴り、駆け出す。
おそらくセーフハウスまでは逃げ切れるだろう。この街の警察共は許可なくスラムに近付こうとしない。だがそこから先は?俺は誰に狙われている?何故?もちろん、答えは持ち合わせていなかった。

特に何もないけど投げ銭できます。