絵のセンスは壊滅的


#わたしの舞台裏

28歳で、「これが最後の転職!」と覚悟し、飛び込んだ建設業。

高校から文系で、大学も法学部卒なのに、なぜか建築物が好き。建物の構造が気になる、インテリアが気になる、という変わり者。ホテルマンとして6年働き、その間、ロビーの装飾などさせてもらいながら、センスを磨いた。カラーコーディネートを学び、装飾品の配置を思い出し(学生時代のバイト経験から)、と挑戦させていただく機会は何度もあった。だからこそ、やるなら思いきって!と考えたのかもしれない。

だが、自分の無謀さを思い知らされた。

まず、言葉がわからない。寸法をセンチではなくミリで言わなければならない。軽くどころか、だいぶパニックだった。

毎日、とりあえず、聞いた単語をメモし、帰宅後、必死に調べる。書き間違い、聞き間違いもある。そうなると、さらに時間がかかる。テキストも購入し、付いていけるように予習する。だが、現場はテキスト通りには進まない。どんなに新人で、未経験で、学部卒でなくても、現場にいれば監督な訳で、職人からは指示を求められる。「わかりません!」を連発すれば、使えない監督、とレッテルを貼られる。女性だからと、職人は容赦しないし、工期も待ってはくれない。

図面もそうだ。最初は、描けない、見てもわからない、なのだ。職人は、よくあの線と寸法だけで形を作るものである。図面は全ての指示書となる。これが間違っていれば、間違った通りに職人は作っていく。だからこそ怖い。何度も何度も確認しなければならない。所長クラスでも、実際に作ってみないとわからないことがある。作って、納まりを確認して、修正を行う。

残念なことに、私は絵が壊滅的に下手である。イメージはあるのだが、それを描けない。なにかがおかしい。毎回、所長に、笑われる。なぜだろうか。最初のうちはよかった。図面だけではわからないところを、実際の出来を確認して、「こうなるのか、こう描くのか」と頭に入れれば良かったから。だが、次席となってしまった今、描けません!は通用しない。これでインテリアコーディネーターを取得しようとしているから笑える。何度も言うが、イメージはできる。それを描くのはできない。これでは、提案どころの話ではない。

インテリアの雑誌や、物を見るのは好きなのだ。好きなのだが、それを絵に描けない。デザインが苦手なのかもしれない。具体的にイメージが湧かないのだ。抽象的にしかできない。

デザイナーさんを見ると、毎回感激する。イメージをどんどん描きだしていく。見ているのは楽しいのだが、私はどうもそれができないらしい。

壊滅的に絵が下手だから、それが自信を失う原因かもしれない。絵が下手だから、私が描いても…となっているのかもしれない。

絵は練習すれば上手くなるものなのだろうか。ある程度の技法は身につくだろうが、表現力はどうなるのだろう。

いろいろ試してみたいものである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?