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現場監督と職人の関係


#私の仕事  は、建築施工管理技士です。今は新築の集合住宅のみをやっていますが、場合によっては、改修工事、リフォームも行います。

【現場監督】にどんなイメージが付きまとうか?

という話なのですが、男性社会で、昔気質の職人さんがいて、現場内で喧嘩が起きたら止めに入って…なんていうのはもうありません。

今は女性の職人さんもいらっしゃいますし、昔のように、現場は汚いものというイメージを払拭するために、もう十数年前から「現場はきれいに!」とどこのゼネコンも言い続けています。施主さんへのイメージもいいですしね。

それでも、汗臭い、泥臭い、汚い、というイメージは付きまといます。それはそうです。夏場は、炎天下の中外作業になりますし、冬は、雪が降ろうとも外で作業があれば、防寒着にホッカイロを貼って、できる限りの防寒対策をやって現場に出ます。「暑い、寒い」と言ってられません。全員が、それが仕事だと理解しています。

現場監督は偉い?

男性の職人さんに指示して、偉い立場なんでしょ?と聞かれることがありますが、決して偉くないです。所長だから偉い、は社内の立場でだけです。職人さんからすれば、監督は、全て監督なのです。「新人だろうと、ベテランだろうと、監督は監督!」ただ、それだけです。指示を仰いで、答えが返ってくれば、認めてもらえます。答えがあいまい、わかってない、指示ができない、の監督は、新人なら仕方ないかもしれませんが、職人からの信頼はなくなります。

現場監督と職人は、常に、win=winの関係でなければなりません。監督(ゼネコン)は、施主から、仕事を請け、各業者に依頼します。その後、業者から仕事を請けた職人が来ます。職人が、スムーズに仕事ができるように段取りを行うのが、監督です。図面は全ての指示書になります。書き忘れ、チェックミスは、起きてしまうものですが、そこをフォローしていくのも仕事です。職人も生活の為に働いています。そして、監督は自分ではできない作業を職人さんに行ってもらうために、スムーズな段取りを組まなければなりません。

指示をする立場だら、監督が偉い!と思い込んでいる監督は、いずれ職人に見放されます。そういうものは態度に出ますよね。職人さんも人間です。「あの監督の現場はやりにくい」だの、「あいつの現場は二度と入らない」という言葉も時々耳にします。正直、そういうことを言われると、現場が回らなくなります。現場はあっても、職人がいなかったら、誰が作るの?というお話なわけです。

私自身も、まだまだ未熟な部分が多いので、職人さんに迷惑をかけることのほうが多いのですが、それでも、一緒に、建物ができていく環境にいられるのは楽しいです。少しずつ躯体が上がっていって、内部の作業が完了していくと、どんな方が住むんだろう、とか、ここでの生活を楽しんでほしい、などそういう思いが出てきます。

現場監督もコミュニケーション能力は高めがいい

そのままです。職人とのコミュニケーションが取れないと、上記のようなことになりかねません。(お前の現場には入らん!と直接言われた方もいましたが)そして、職人だけでなく、施主さんやエンドユーザー(購入者・入居者)とのコミュニケーションもとらなければなりません。特に、エンドユーザーは、対応を間違えると、クレームが出てしまいます。このクレームが今後を左右します。場合によっては、「担当者を替えてくれ!」からお金の問題に発展していきます。これは最悪の状態です。最初の対応が最後まで響く、ということもあり得ます。

そして、相手の反応を見ながら、言葉を選ぶことも必要になります。専門用語を多用されると、言いくるめられているような感覚になり、余計に状況が悪化します。相手がわかるような表現をしていかなければいけません。もし、表現が思いつかないようであれば、先に「語弊はあるんですが…」など、ワンクッションおいてあげると、衝撃は和らぐのかなと思います。どちらにせよ、クッション言葉は覚えておいたほうがいいでしょう。

最後に

現場監督だけでなく、どんな仕事でもコミュニケーションは必須です。「現場監督なんて、現場で汚い職人相手してるだけでしょ?」と言われたことがありますが、指揮者がいなければ現場は成り立ちません。その指揮者となるのが、現場監督です。今、あなたが住んでいる家も、通っている道も、全て、建設業とそれに関わる人たちが作ったものです。島と島をつなぐ橋には、私の父も関わっています。確かに汗臭い、泥臭い仕事ですが、みんな誇りをもって働いていることだけは確かです。そして、陽気なおじさんたちがたくさんいて、みんな、最後までしっかりやり遂げてくれる、本当に頼もしい方々です。

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