見出し画像

日本技術力を結集したコーヒー豆袋

コーヒー豆販売は、今では店舗販売だけではなくネット販売も主流になってきています。

店舗であれば、容器持参で量り売りなどもできるのですが、EC販売では難しく、コーヒー袋は必須です。

コーヒー豆袋の問題点

当店でも販売するにあたり、コーヒー袋問題は解決すべき課題でした。
なぜなら、コーヒー豆袋は少なからずプラスチック素材が必要になるからです。
その理由は主に以下の3つです。
1) コーヒー豆から放出される二酸化炭素を排出するため、バルブと呼ばれる通気口が必要
2)コーヒー豆のオイル分の浸透を防止するため、内側にコーティングが必要
3)コーヒー豆劣化を遅延させるため、酸素や水蒸気の侵入を防ぐためのバリア層が必要

これらは主にプラスチック素材が使われており、袋自体がプラスチックバッグであることが多いです。
コーヒー豆袋は一時保存用のため、それほどコストをかけるものではないため、一般的に安価なプラスチック素材が多く使われています。
最近では、クラフト紙ベースの袋も増えてきてはいますが、内側のコーティングやバリア層の必要性から分別表記は「プラ」となっていることがあります。

海外の状況

コンポストが一般家庭にも普及しているアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドではコンポスト可能なコーヒー袋を製造している企業が複数あります。当店もサンプルを入手し、実際に生分解性を確認するテストを行いました。
生分解に必要な期間は土壌中では1-2ヶ月、コンポストでは2週間程度でした。
※袋をそのまま埋めた場合

当初、当店もこれらのパッケージを輸入しようと検討しておりましたが、一般的なプラスチック製コーヒーバッグの3-4倍のコストであることに加え、輸送費、関税、食品衛生法の対応、昨今の円安の影響などトータルすると5-6倍のコストとなるため、断念していました。
しかしながら、どうしてもプラスチックは減らしたいと調査を継続していました。

日本製コーヒーバッグの登場

ある化学系新聞を目にしていたところ、複数の日本有名企業の技術を集結して、コーヒー豆袋に適した袋を製造する計画があることを知り、すぐさま製造を所管するとされるとある企業様にコンタクトをとりました。
しかも、それは紙ベース+生分解性素材+バルブレスというこれまでの課題を一挙に解決できる可能性がある製品でした。

日本初コーヒー豆袋に適用されている技術

1) バルブレスを達成する技術
コーヒー豆から放出される二酸化炭素をバルブを通じて放出するのではなく、紙に特殊な加工をすることで二酸化炭素を放出し、その二酸化炭素が蓋代わりとなるようにし、酸素の侵入を防ぐ技術が適用

2)オイル分を浸透させない技術
紙内側のコーティングを植物原料由来の生分解性プラスチックを使用

3)紙だけでバリア性能をプラスチック並にする技術
プラスチックと同等の酸素侵入防止、水蒸気侵入防止技術、遮光性を維持し、かつ内部の香気成分は外に出さない性能を持っている

今後の取り組み

課題はコストですが、コーヒー店舗の方々が皆さん採用するようになり、今後の普及が進めばコストが下がると期待しています。

そもそもコーヒー袋を使わなくてもいい仕組みも考えていきたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?