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コーヒーと歯の関係

コーヒーを飲むと歯が黄色く着色するとか口臭が気になるといったことを聞くことがあります。

しかし、それは正しくコーヒーを飲むことで防ぐことができます。

これについて考察しました。

口内が酸性になる影響

脱灰

甘いものを食べると「歯が溶けそう」といった比喩を使いますが、口内が酸性になると実際に歯が溶けています。
酸性の食品、糖分の多いものを食べると、「酸」によって歯のエナメル質(主成分:ハイドロキシアパタイト)からカルシウムイオンやリン酸イオンが溶出するため、エナメル質が柔らかくなったり、溶けたりします。
これを「脱灰」といいます。

再石灰化

そのまま溶け続けるのではなく、唾液は中性に近く、カルシウムイオンやリン酸イオンも含まれるため、緩衝作用が働き、エナメル質が修復するようになります。これを「再石灰化」といいます。
余談ですが、昔東幹久さんが出演していた某歯磨き粉のCM(芸能人は歯が命)で説明されていました。

この動きはステファンカーブと呼ばれる図で説明できます。

ステファンカーブとは?

出典: Wrigley Oral Healthcare Programme HPより

この図はスクロース(砂糖)液で口を濯いだあと、口内のpHが5.5を下回ると、「脱灰」が発生し、その後唾液の緩衝作用で20-30分で「再石灰化」し、エナメル質が修復されることを意味しています。

従って、何かを食べてすぐに歯磨きをすると、エナメル質が修復される前なので、歯にダメージを与えてしまう可能性があります。

また、間食が多かったり、何かを口にし続けていると、ステファンカーブのサイクルが短くなり、再石灰化のための時間が確保できないことになります。
よく言われる「甘いものを食べすぎると、虫歯になる」というのは、糖分摂取による口内酸性環境で、再石灰化が阻害されるということになります。

コーヒーを正しく飲むには?

コーヒーが及ぼす影響

前置きが長くなりましたが、コーヒーに感じる酸味、これは謂わば「酸」が作り出す味です。
「酸」なので、pHは中性(pH=7)より低く、コーヒーのpHは一般的に5〜6と言われています。浅煎り豆や産地の土壌によっては4〜5になる場合もあります。
※水やお茶はpH7-8程度になります。

すなわち、コーヒーのpHだけ見ると脱灰のデッドラインにある飲み物です。

コーヒー好きな方は、ずっとコーヒーを口にしている時間が長くなることがある思います。
カフェインは利尿作用があり、体内の水分を低下させる作用があるため、過剰摂取では唾液量も減少します。
そうなると、口内が酸性環境になり、エナメル質が溶け、着色や歯のダメージなど悪影響を及ぼします。
かといって、コーヒーを飲んですぐに歯磨きはより悪化することになります。
忙しい朝にはやりがちなことです。

正しく飲むには?

1) コーヒーを飲んだ後、水を飲んだり、ゆすぐ
→口内を酸性環境にしない
2) コーヒーを飲んですぐに歯を磨かない
→エナメル質が修復される30分後程度を目安に歯を磨く
3) 飲みすぎない
→歯だけでなく、色んな影響がありますのでご注意

上のサイトでも同じような内容が紹介されています。

人間は弱アルカリ性(7-8)でいると健康に良いとされています。
口内だけでなく、体全体として酸性に傾くと免疫低下や血液流れに影響があるとされています。

コーヒーは酸性ですが、うまく飲むことでその効果は最大限となります。

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