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Vol.12 テレビまんが

いまや世界に誇る日本文化となったアニメですが、かつては「テレビまんが」と呼ばれていました。
「アニメ」という名前が一般的になったのはやはり映画版「宇宙戦艦ヤマト」(77年)をきっかけにする第一次アニメブームからだと思います。
ちょっと前の75年に日本アニメーションが創業、78年には専門誌「アニメージュ」が創刊されていますから、やはりこの70年代後半に子ども向けの「テレビまんが」が「アニメ」という名の文化コンテンツとしての一歩を踏み出したということになります。

アニメは特に専門家が多いジャンルですからその歴史や変遷をいまさら語りませんが(実はよくわからないし)、ただ創成期から第一次ブームまでを当時のメインユーザーである「小学生」として育った世代の視点から振り返ってみたいと思います。

今回は年代順に主な(好きな)作品を並べてみました。
同年代の方は懐かしく、若い世代の方にはその流れを感じていただけると思います。

【60年代】
・63年:鉄腕アトム、鉄人28号、エイトマン、狼少年ケン
巨匠手塚治虫による創生です。実はここまで古いとぼくもお手上げで、もうちょっと先輩の方におまかせです。

・65年:ジャングル大帝、オバケのQ太郎
藤子不二雄ワールドが始まりますが、ぼくにとってのオバQは71年の「新オバケのQ太郎」です。O次郎がでてくるほうです。

・67年:魔法使いサリー、おそ松くん、リボンの騎士、パーマン
横山光輝(三国志でおなじみ)と赤塚不二夫の絵柄は今見てもポップです。

・68年:巨人の星、ゲゲゲの鬼太郎
スポ根というジャンルはこのあと長く続きます。再放送も多かった。

・69年:ひみつのアッコちゃん、アタックNo.1、サザエさん、ムーミン
サリーちゃんもアッコちゃんも女の子向けなはずですが、なぜか男の子もよく観ていました。これも主に再放送で。
ムーミンはその後の「世界名作シリーズ」のさきがけです。最近の北欧ブームでいまでも人気ものですが、北欧のイメージを刷り込まれたように思います。

【70年代】
・70年:あしたのジョー、いなかっぺ大将、みなしごハッチ
矢吹丈と力石徹は男のかっこよさを教えてくれました。ぼくは風大左衛門のほうが好きでしたけど。

・71年:ルパン三世、天才バカボン
ルパンについては前回書いたとおりですがやっぱり早すぎたようです。バカボンは大人たちも好きでした。

・72年:ガッチャマン、デビルマン、ど根性ガエル、マジンガーZ
実写モノも含めロボットブーム(とその関連玩具たち)は当時の子どもたちの価値観の中心でした。

・73年:ドラえもん
この日テレ版の第1作は失敗に終わっています。その後の躍進については別の機会に。

・74年:アルプスの少女ハイジ、宇宙戦艦ヤマト
ハイジが描くスイスは本当にうまく描けていて、なぜ当時にここまでできたのか謎だったのですが、実は宮崎・高畑ペアがロケハンに行っているらしいです。当時よくそんな費用があったなとも思いますがその後のジブリに基礎になったと思えば安いものです。

・75年:タイムボカン、フランダースの犬、まんが日本昔ばなし
日本昔ばなしはその後20年続きます。大人向けアニメの影の立役者だと思っています。普通の大人もアニメを観ていいんだよ、という基礎を作ってくれたはず。

・76年~79年:キャンディ・キャンディ、コンバトラーV、ルパン三世(第2シリーズ)、未来少年コナン
端折りました。じつはぼくはこのあたりから洋楽ロックに目覚め(Vol.6 KISS参照)、あまりアニメを観なくなったので。
ただしこの時期には映画版ヤマトやカリオストロの城が成功を収めていますし、80年代の「Dr.スランプ」、「うる星やつら」、映画「風の谷のナウシカ」はとても好きな作品です。

2019年のNHK連続テレビ小説「なつぞら」はこの日本アニメ創成期を描いたもので、ぼくにとってなんとも懐かしい雰囲気を感じられる作品でした。あそこまで時代考証やディテールに手間とお金をかけられるのはNHKならですね。
ぶっ壊したらもったいないと個人的には思うのですが、いろいろとご意見はあるんでしょう。

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