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原作が先か映像が先か

映像化作品とはどのように付き合っていますか?

原作を読んでから映像を観る
映像を観てから原作を読む
原作だけ読んで映像は観ない
映像だけ観て原作は読まない


私は映像化作品と距離を置いてしまうところがあります。
(映像化されていることを知らない場合もままあります)


あれは今から15年以上前のできごとです。
好きだった作品が映画化され、足取りも軽やかに映画館に赴いたのですが、原作でいちばん感動したシーンが映画では描かれなかったのです。
私の感覚が世間とズレていたのか、予算や尺の関係で入れられなかったのか、それを知る術はありませんが、消化不良で帰ったことは確かです。

以来、映像化作品への偏見が生まれました。

同様に、映像で観た作品の原作も読めません。
結末を知っているうえに先入観を持っているので、ハードルが上がってしまっているというか。
好きな作品であればなおのこと。

例えば、三上延さんの『ビブリア古書堂の事件手帖』。
2013年に剛力彩芽さんの主演でドラマ化されました。
原作ファンからのドラマの評判はあまり良くなかったみたいですが、原作を知らない私にとっては繰り返し観てサントラCDまで買った大好きな作品なのです。
ドラマで描かれなかった話も知りたいと思い、実は栞子編も扉子編も全巻持っています。
ところが、1巻の最初の方を読んで、設定がずいぶん違うことを知り、それ以上読み進めることができなくなってしまいました。
読めば面白いことは間違いないと確信しています。ましてや好物の、書店がテーマの作品ですから是非とも読みたいのですが、「ドラマと小説は別物」と割り切れるようになるまでおあずけになるでしょう。

私の心を揺さぶる作品がもう1つ。
辻村深月さんの『かがみの孤城』です。
本屋大賞も受賞した大人気作品ですね。最近アニメーションを観て惹き込まれました。
そして、「原作を読んでみたい」と思ったのです。
自分でも驚きました。原作と映像の乖離に怯えている私が、懲りもせず原作を読みたいとまた望むなんて。


こんな感じで映像化作品をずっと避けてきましたが、映像で観てあらすじを知っているから、むしろ読みやすい、という考え方もあるでしょうか。
まぁ、あらすじを知っていたところで遅読家であることに変わりはないので、今話題のオーディオブックを取り入れてみるのもひとつです。
普段からポッドキャストを好んで聴いていますから、少なからず耳も鍛えられているはず。

・物語の世界観に浸るための読書
・知識を深めるための読書
長いこと主軸はこの2つでした。
それがこのところ、私の読書に変化が起きているように感じます。
「表現を楽しむ読書」を始めたのです。
何かきっかけがあったわけではありません。
あ〜おもしろかった!で終わらず、言葉の海から煌めく一節を掬い上げて、脳内で味わっている自分がいます。
特に『霧の向こうに住みたい』を読んでいて強く実感しました。

自分には難解だと敬遠してきた純文学も、今なら読めるかもしれません。
(純文学って、現代文の教科書を読んでいるようでそわそわします。)

文芸の食わず嫌いを克服したいです。
古典、純文学、詩集、大ベストセラー。
先入観や固定観念にとらわれて名作を知るチャンスを逃すなんてもったいないですものね。
新しいサービスを足がかりに読書の世界が広がるのであれば、怖がらずに飛び込んでみてもいいのかも。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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