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好きなデッキでプラチナtier1に行く方法

 今回は、好きなデッキでプラチナtier1に行く方法を書きたいと思います。
 基本的な内容を中心に、特に初心者の方には有用と思われる情報を共有したいと思います。

 また、今回の話をするに当たって、私が実際に2月度にプラチナtier1を達成した【不知火】の構築をサンプルとして使用して話していきたいと思います。

https://www.db.yugioh-card.com/yugiohdb/member_deck.action?ope=1&cgid=3e613037d114a911863abecdf2ac8173&dno=34

 今回は、以下のような構成になっております。

1. 手札誘発を入れる
2. 汎用カードを入れる
3. 安定性と爆発力のバランスを考える
4. そのデッキにしかない強みを活かす
5. それぞれのデッキを知る




1. 手札誘発を入れる

 まずは、《灰流うらら》《増殖するG》をはじめとする手札誘発をデッキに入れましょう

 手札誘発が強力なカードだということは、恐らく大抵の方が理解していると思います。しかし、ただ強力だから入れるというのではありません。
 現在、プラチナランクでは、「展開系」と呼ばれるデッキが多く分布しています。【ドライトロン宣告者】【LL鉄獣戦線】【アダマシア】【エンディミオン】【魔術師】などがそれに当たります。それらのデッキは、概して手札誘発を非常に苦手としています。それ以外にも、原作人気の高い【シンクロン】【レッド・デーモンズ】【SR】など、手札誘発を苦手とするデッキは多く存在します。
 そのため、手札誘発を入れるだけで、勝率は大きく向上します。中には、《増殖するG》《原始生命態ニビル》を撃たれただけでサレンダーする方も多く(あまりそういう戦い方をしないでほしいのですが)、他のカードが何であれ、手札誘発を打っただけで勝てるという試合も少なくありません。

 無論、手札誘発と相性の悪いデッキや手札誘発を必要としないデッキもありますが、プラチナtier1に行けなくて悩んでいるという方は、まず手札誘発の採用を考慮することをお勧めします。

 実際、私が使った【不知火】も、《灰流うらら》《増殖するG》《原始生命態ニビル》《PSYフレームギア・γ》といった強力な手札誘発が多く採用されています。

ソリティアは罪。




2. 汎用カードを入れる

 次に、各種壺や《ライトニング・ストーム》《禁じられた一滴》をはじめとする強力な汎用カードを入れましょう

 これらのカードは、デッキの動きに直接関与しないカードです。つまり、これらの汎用カードを引いた場合、その分自分のデッキの動きを通すカードを引いていないということになるため、事故に繋がる危険性があります(ただし、墓地利用の多いデッキの《禁じられた一滴》など、デッキの動きを通すことに繋がる汎用カードも存在します。そういうカードは、なおのこと積極的に採用していきましょう)。
 それでも、《ライトニング・ストーム》《禁じられた一滴》を採用しているデッキが多いということは、事故のリスクを背負ってまで採用する価値のあるほど強力なカードということです。一枚で戦局を大きく変えられ、他の手札があまり強力でなくても勝ててしまうことがあるほど強力なカードですから、採用しない手はありません。また、この「事故のリスクを背負う」という点に関して、次の項でも詳しく解説します。

 ただし、「永続魔法・永続罠を多用するデッキの《ライトニング・ストーム》」や、「《マクロコスモス》を採用しているデッキの《禁じられた一滴》」など、相性の悪い汎用カードもあるため、採用する場合は、環境や自分のデッキに合わせて、十分に考慮する必要があります。

 実際、私が使った【不知火】も、《禁じられた一滴》《ライトニング・ストーム》《激流葬》といった強力な汎用カードが多く採用されています。

聖典を盗む前よりイキイキしているともっぱらのウワサ。




3. 安定性と爆発力のバランスを考える

 デッキ構築には、二種類の方向性が存在します。それは、安定性を上げる方向性と爆発力を上げる方向性です。

 この記事をご覧になっている方の多くは、【鉄獣戦線】【ドライトロン宣告者】といった環境デッキではなく、マイナーなデッキを使われている方が多いことと思います。そういうデッキは、安定性の高い構築を目指すよりも、爆発力の高い構築を目指したほうが、最終的な勝率は高くなる傾向にあります。なぜなら、そういうデッキは、たとえ安定して回ったとしても環境デッキに勝てないことがあるからです。そもそものデッキパワーで負けているため、どちらも同程度の回転具合と仮定すると勝てなくなってしまうのです。
 そのため、ある程度安定性を捨ててでも、爆発力の高い構築にしたほうが、最終的な勝率は高くなります。前の項で、「汎用カードは事故のリスクがある」と言いましたが、それでも汎用カードを採用する理由は、こういう理由もあるからです。

 ただし、「もともと爆発すれば誰にも負けない強さがあるけど、安定性が低い」というようなデッキは、安定性を伸ばす構築にしたほうがいい場合もあります。例えば、【シンクロン】は、《ジャンク・スピーダー》が通ったときの爆発力が凄まじいため、できるだけ《ジャンク・スピーダー》を通しやすい構築にしたほうが良いかもしれません。

 また、似たような考え方として、「このデッキは【エルドリッチ】とは相性が悪いが、【エルドリッチ】に勝てる構築にすれば【鉄獣戦線】【ドライトロン宣告者】に対する勝率が落ちる」という具合に、あるデッキへの対策を諦めたほうが最終的な勝率が上がるという場合もあります。他にも、「《崇光なる宣告者》を出されたら勝ち目がない」という場合でも、《崇光なる宣告者》への対策を諦めて、他のデッキに勝てるような構築のしたほうが、最終的な勝率が上がる可能性がありますので、時には一部のデッキ・一部のカードの対策を諦めることも肝心です。そもそも、すべてのデッキに五分以上勝てるようなデッキであれば、最初から環境で活躍できているはずです。そうでないデッキを使っている以上、ある程度の諦めが必要です。

 この安定性と爆発力のバランスは、デッキによるところが大きいです。だから、一概に言えるものではなく、自分のデッキに合わせてどちらを伸ばすかを考える必要があります

 実際、私が使った【不知火】も、デッキ枚数を60枚にする必要があるなどのリスクがありますが、通ったときのリターンが非常に大きい《隣の芝刈り》を採用して、爆発力を伸ばす構築にしてあります。また、同様に大きなリスクを持つ《強欲で貪欲な壺》を採用したり、被ると弱い《原始生命態ニビル》を3枚採用したりしているところも、爆発力を伸ばしている例になります。

「モロハノヤイバー」に似ている。




4. そのデッキにしかない強みを活かす

 次に、「そのデッキにしかない強み」を活かすことを考えます

 例えば、私が使った【不知火】は、「《隣の芝刈り》と相性が良い」という強みを活かしました。《隣の芝刈り》は、前の項でも説明した通り、いくつかのリスクを背負いますが、通ったときのリターンが非常に大きいカードです。【鉄獣戦線】【ドライトロン宣告者】にさえ、一枚でこれほどのリターンを得られるカードは存在していません。それほど強力なカードを採用できるという点は、間違いなく【不知火】特有の強みと言うことができます。
 他にも、これはTwitterで見た例ですが、「【天気】に《ディメンション・アトラクター》を採用する」というようなものもあります。《ディメンション・アトラクター》は、採用できるデッキが非常に少ないものの、環境に存在する多くのデッキにとって強力なメタカードとして働くため、とても良い構築だと思いました。

対戦相手の顔(左奥)。




5. それぞれのデッキを知る

 最後に、当然のことですが、それぞれのデッキを知ることが必要になります。「自分のデッキを知る」ではなく、「それぞれのデッキを知る」という表現にしたのは、対戦相手のデッキも知っておく必要があるからです。

 まず、自分のデッキに関しては、基本の展開ルートにはどういうものがあるのか、どういうコンボがあるのか、あのカードを出された場合にはどういうカードで対処すればいいのか、といったことを把握しましょう。また、「一ターンに一度しか使えないことを忘れる」というような基本的なプレイングミスを減らすために、とにかくそのデッキを使い込みましょう。ちなみに、私は元々紙で【不知火】を使っていたこともあって、一人回しも含めれば、【不知火】を回した回数は多分500回くらいあると思います。それでも、500回目にして自分の知らなかったコンボを発見したというようなこともありますので、とにかく数をこなすことに意味はあると思います。
 また、相手のデッキに関しては、そのデッキの何が強みなのか、どこをどのように妨害すればいいのか、といったことを把握しましょう。これらを口で説明できるくらい理解していれば、対面したときも非常に戦いやすくなると思います。また、それが分かっていれば、「【エルドリッチ】には《灰流うらら》は効くが《エフェクト・ヴェーラー》は効かない」とか、「【ドライトロン宣告者】には《朱光の宣告者》があるため、《エフェクト・ヴェーラー》より《無限泡影》のほうが信用できる」というようなことも分かるため、構築の際の取捨選択にも役立ちます。すべてのデッキ・すべてのカードを把握しろとまでは言いませんが、ランクマッチを回していてよく見るデッキくらいは、ある程度把握しておくことが必要です。

敵を知り己を知れば百戦殆うからず(このひとが言ったわけではない)。




おわりに

 ここまで記事を読まれた方の中には、「自分は《青眼の白龍》を使って戦いたいのに、やれ《灰流うらら》を入れろだの《ライトニング・ストーム》を入れろだの、それだと《青眼の白龍》を使って戦っていることにならないよ」というようなことを思われた方も居るかもしれません。
 厳しいことを言いますが、そもそも環境デッキではないデッキを使って勝ちたいというのであれば、ある程度妥協をする必要があります。「手札誘発もない、汎用カードもない、とにかく《青眼の白龍》を出すため」のデッキで勝てるほど、遊戯王は甘くありません。というか、それで勝てるなら、【青眼の白龍】は環境デッキになっています。それで勝てないから、環境デッキではないわけで、それでも勝つためには、それ相応の工夫をする必要があります。そのための工夫が、今回お話した内容になります。

 また、「このデッキにしかない強みなんてないよ」「強みを活かしても勝てないよ」と考えておられる方も居るかもしれません。正直に言って、どこまで工夫しても勝てないデッキは存在すると思います。私も、好きだけど、どうしてもランクマッチで勝てる気がせず、使えないでいるデッキがあります。それでも、諦めずに工夫をし続けていれば、いつかプラチナtier1に行くことができるかもしれません。確実に行けるとは言いません。しかし、そうやって努力している方のことを、私は応援します。

 今回の内容は、大半は他の環境の遊戯王にも言える内容ですが、一部は「プラチナランクで勝つ」ことのみに目的を絞った内容になっています。特に、「手札誘発があれば勝てる」という部分は、かなりランクマッチに寄った内容になっていますし、「環境を読む」という部分に関しても、別の環境ではまた別のメタゲームを読む必要があるため、それに合った構築をする必要があります。

 とはいえ、やはり、普段見られないデッキをランクマッチで見れば楽しいですし、そういうデッキがプラチナtier1に入っている報告を聞く度に、私はワクワクしています。この記事を公開することで、ひとつでもそういう報告が増えれば良いなと思います。

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