泣きながらMBAの6単位をもぎとった話
さて。今日は、タイトルの通り、私が大泣きしつつも、なんとかMBAの必修6単位をもぎとった話をさせてください。
※話のベースはMBAですが、きっとアメリカの大学/大学院を目指している人にも当てはまる話ではないかな、と思います。もしこの先、MBAの初回クラスで心折られた人がいたら、ひとりじゃありません、ぜひこの記事を読んで欲しいです。
今週末にMBA本科が始まる前のOpening Residential(合宿)がありました。これは卒業までに必要な6単位を得るための必須授業です。
授業名は、Thinking Strategically In The Digital Age
簡単に言うと、OraganizatrionとStrategic Managementの合同授業です。授業では、Case StudyといくつかのExerciseを元に進みました。
例年、大学近くのホテルで3泊4日の合宿になるのですが、今回は2日のzoomバーチャル合宿というユニークな形を取ることになり、前期(春学期)コース履修生の合宿が2日前にキャンセルされたこともあって、そのグループも加わり、100人という大所帯でzoom授業を受けることに。
この日までの約2.5週間、課題図書等が出され、必死に頑張っていたのですが、よりにもよって、分からない一問に当てられてしまい、パニックになり、年甲斐もなく、昼休みに泣きました。
終わってしまえば笑い話ですが、数時間前の私は大泣きし、完全に自信を喪失し、なぜアメリカにいるのかすら後悔するどん底にまでいました。(マスカラが全部落ちるほど泣きました)
ただ、数時間後には何とかPassして、6単位を稼いでます。笑。
今日は、MBAがなぜ泣くほど辛いのか、そして私はどうやってそんな短時間で復活したのか、そんな話を書こうと思います。
辛いこと1:英語の壁
1にも2にもこれです。Language Barrierです。
一応、TOEFLもMiminum Reqirementは越えているとはいえ、これでもちゃんとAcceptされているとは言え、全然歯が立ちません。
特に辛いのは、
・日本語でならばサラッといえることが、英語でポンポンと出てこない
・長い文章が作れない
・初対面の人と組まされると、毎度気後れする
・良い感じの言い回し(例えば、言いにくいことを伝えるとかのシチュエーションロールプレイ)が分からない
挙げればキリがないのですが、たぶん授業では「答え分かってたのに…」とか「言いたいことが伝わらない…」とか、そんな悔しい思いをたくさんしました。
これに関しては、元も子もないけど、もう慣れるしかないだろうな、と思います。
一朝一夕に解決できるなら、みんな苦労していないし、日本人が書くMBAの記事にドラマも生まれないと思います。笑。
あと個人的に思うのは、気持ちを強く持つことです。
過去の自分を振り返って、「当たり前だけどちゃんと当たり前のことをして偉かったぞ」と自分を褒めたいのは、前職、日本で中国人の方と働く機会がとても多かったのだけど、決して彼らの日本語をバカにしなかったことと、日本語力ですべてを判断しなかったこと。
日本にいて、日本の会社にいて働いているのは彼らの選択だ(だから、苦労したって致し方ないでしょ)って考える人もいるけど、一緒に働いてる私に取っては、一所懸命に伝えようとしている熱意は凄く伝わってきたから、こちらもそれに応えていたし、自分の持っていない能力を持っているバイリンガルだし、言葉のコミュニケーションが十分でなくても、頭脳明晰なのは十分、自分には理解できたし、凄いなぁ…の一言に尽きました。
彼らの日本語をバカにする業者さんもいたけど、そんな時は、我慢できなくなって、電話を代わって猛抗議したこともありました。
いま、自分が逆の立場になって、みんながみんな、あの時の業者のような人たちではなくて、あの時の「自分」と同じようなひともきっといるはず、そしてその人たちは私のことを絶対受け入れてくれるって信じることも大切なように思います。
自分が意地悪な奴だったら、たぶんもっとどん底にいたでしょう。笑。
「うちの社員に向かって、なんてこと言うんですか?ずっと横で聞いていましたけど、あなたの話す日本語よりも、彼女の話す日本語の方が、よっぽど綺麗ですよ」って文句を言った時に、それを聞いて泣いて抱きついてきた中国人社員の気持ちが、今になって分かりました。
あの時の自分は将来の自分のために、Pay forwardしたのだな、と思います。
辛いこと2:商習慣の違い
今回のケーススタディでは、ComcastというアメリカのケーブルTV会社を題材にしたのですが、アメリカのケーブル会社って、そもそも特殊なビジネスだったりして、日本のTV業界構造とは全く異なります。
もちろん、私も何も勉強せず臨んだわけでは無くて、予習にかなりの時間を費やしたのですが、それでも業界全体図が全体像がつかめず、苦労しました。
※結論から言うと、ローカルであってもほとんど正確に理解していません。
ある程度の勘所が欲しくて、ググるけど、直接的に答えてくれるサイトが無かったり、チームメイトも理解できていなかったり…で、自分の中では最悪の状態でした。
後から振り返ると、最初から教授に、分からんってメールして、業界全体が分かるようなサイトがあるなら送ってくれというべきだったと思います(それで答えてくれたどうかは知らないけど)
辛いこと3:オンラインの壁
これは、コロナ下においては仕方ないことなのですが、オンラインの壁は思ったより分厚かったです。
ひとつは、Attentionの問題
もうひとつは、コミュニケーションの問題です。
個人的に日本で生まれ育って良かったことのひとつに「空気を読む」という特殊技能(ここでは、そんなもん要らないとかそういう議論はサイドに置いておいて。笑)があるけれど、オンラインにおいては、そんな技能、封じられます。苦笑。
これに関しては、私もオンライン授業というものに慣れていないので、正解を模索中です。
唯一、これならいけるか!?と思ったのは、チャットボックスの活用です。
言えないのなら書く。これしかない。
ただ、書いたとて、教授に「ここに書いたことについて、詳しく説明して」と名指しされることもあるので、書くときには、勇気をもって書き込みましょう。苦笑。
辛いこと4:教育環境の違い
義務教育+高校+大学の授業を日本で受けた私にとって、学校の授業というものは、完全一方通行でした。
先生が、教えてくれたことが絶対。たとえば、私の専攻の法学部では、刑法の授業で先生が死刑反対論者であれば、死刑反対に沿った論文を書かないと落とされる…というそんな環境を生き抜いてきました。
特に、私は日本の激しい受験戦争を勝ち抜いてきたタイプなので、(悲しいかな)「先生が絶対=教えられたことをそのまま飲み込む」っていう傾向は強いと自分でも自覚があります。
ただ、アメリカだと、たとえ先生が死刑反対論者だろうがなんだろうが、自分が死刑は賛成じゃ!と思えば、ガンガン主張します。
私の中では、この感覚はソフトウェアでアップデートできるものではなくて、ハードウェアから交換しなきゃ対応できないものだと感じます。
私は、30超えて、初めてアメリカの教育というものを受けているので、みんなが、主張しまくる環境とか、先生にそれは違うでしょ、って言うとか、ただただ圧倒されました。
今回のzoomの授業とか、「動物園かな、ここは」と正直思いました。それぐらいカオスなのですが(日本だったら学級崩壊レベル)みんな当たり前のように受け入れています。
これも、元も子もないことを言うと、慣れしかないと思います。
あとはどこかで「しょうがない」と思うことです。「しょうがない」理由をみんなに伝えられれば、ベストですが、まずは自分の中で
「しょうがないよ、自分はiPhone5で新しいOSには対応していないんだもん」
ぐらい開き直ってもいいと思います。残念ながら、人間なのでハードの交換は出来ません。笑。強いてできることと言えば、脱獄とかしながらなんとか本体の寿命を保ちつつ、ちょっとずつでもお金を貯めて、iPhone6とかに進化していくことだと自分では捉えています。
なぜ私は短時間で復活できたのか
さて、話を元に戻して。
私は、合宿までの約2.5週間、ノンネイティブというハンデを抱えながらも、当日に向けて、必死に頑張っていたのですが、よりにもよって、分からない一問に当てられてしまい、パニックになり、年甲斐もなく、泣きました。
これが昼前、大体11時ぐらいの話で、なんとか1時間耐えたものの、
昼休みに緊張の糸が切れて、大泣きしました。
でも、この1時間後には、ちゃんとzoomの画面の前に立ち、4時間後には単位を獲得しました。
どうやってこの苦境を乗り越えたかというと、チームメイトに助けを求めて、助けてもらいました。
昼休み空けのチームzoomで、
開口一番にチームメイトが
「みんな、Kanaにエアハグ送ろう!!」
って言ってくれたのです。もうその時点でまた涙が出そうだったけど、
「大丈夫だよ、心配いらないよ」
「点数が悪くてもそれはまだstretchする余裕があるってことだよ」
「評価は大体辛いよ、そうしないとみんな頑張らないからね」
と、口々に声を掛けてくれ、その後のAssignmentもめちゃくちゃサポーティブでした。
彼らがいなかったら、自分ひとりでmotivationを上げるのは辛かったと思うし、彼らなしには、この6単位は取れなかったと思います。
私自身も、このチームのために頑張ろうと自分に誓いました。
数日前にもFacultyに相談しよう、と書きましたが、落ち込んだときに、自分の力でどうにもならないな、と思ったら、すぐに周りに相談して、早めに絶望の淵から這い上がった方が良いです。自助努力には限界があるし、ぶっちゃけ自助努力ってたかが知れてます。苦笑。
絶望の淵にいると、圧倒的にパフォーマンスが落ちるし、ひとりのパフォーマンスが落ちれば、チーム全体のパフォーマンスにも影響するので、何かあれば、MBAのチームもかなり親身になって助けてくれます。
正直、クラスにおいて一番を目指す必要はないと思っています。一番にならなくても集団から遅れないこと。転んだら、とにかく早く起き上がって、ついていくことさえすれば良いし、まずそれにフォーカスするべきだと思います。
日本と大きく違うなと思うのは、やっぱりヒーロー信仰があるのか、困っているひと、弱っているひとが、助けを求めていると、積極的に助けてくれます。
逆に日本的なお節介は無いので、助けて!って、アピールしないと助けは得られません。
日本では、弱みは突かれるから隠しがちだけど、こちらでは弱みを出した方が多くの助けを得られて、成長できる要素も多いように思います。
質問とか盛んなのもまさにそこなのかもね。
日本は知らないことをバカにするけど、アメリカ人は知らない人がいると、バカにするどころか、喜んで教えてくれるもん。笑。
私のこの話が、いつか笑い話になるように、そして何かに挑戦しようとしている人、辛い思いをしている人の勇気になったら嬉しいです。
それではまた!ちゃお!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?