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読書関連

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読んだ本の感想記事をまとめます。
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#読書感想

読書感想「おどろきのスズメバチ」中村雅雄

(ヘッダー画像はAIで作成) とても面白く、読みやすい。 スズメバチの生態、特にキイロスズメバチのコロニーの1年を詳しく解説。 オオスズメバチやミツバチ等他種類の蜂についても載っている。 スズメバチの巣はどれだけ栄えていても秋に滅びてしまう。次の女王バチだけが冬眠して来年の春に新しく1から巣を作るそうだ。 つまり、最初は女王ハチ1匹だけで巣の材料集めと建造、産卵と幼虫のお世話を全てやらなくてはならず、生き残る確率は100分の1以下だとか。 スズメバチといえば、人を刺すので

読書感想「恋するハンバーグ 食堂のおばちゃん2」山口恵以子

図書館で借りてきた本。シリーズものだったようだが2から手に取ってしまったけれど、前作を知らなくても読める話だと思う。 時代設定は昭和40年代ごろで、オリンピックや万博、流行歌、郵便番号の開始等同時の出来事が描かれる場面もある。 「一子」と「孝蔵」の夫婦が営む「はじめ食堂」の物語。 「孝蔵」は元帝都ホテルのシェフで、腕は一流。 夫婦の愛と人情と料理で登場人物たちが救われるような、優しい話だった。 出てくる料理がどれも美味しそうで見ていて楽しい。 巻末には物語中に登場した料理のレ

読書感想:「大どろぼうホッツェンプロッツ」プロイスラ―

子供の頃に読んだことのある物語。今改めて読み直してみても面白かった。ホッツェンプロッツは最後改心していたような記憶があったけど、それは続編での話だった。 2人の少年たちが大泥棒と悪い魔法使いに挑むべく知恵を働かせるけど、悪者たちも一筋縄ではいかない。2人が帽子を交換する変装作戦が後々の伏線になっていて、帽子によって事態が急展開する場面は納得感とユーモアがある。 音楽を鳴らすコーヒーひき、魔法使い特性のかぎたばこ、空飛ぶ魔法のマント等、物語中に出てくるアイテムが面白いのも魅力。

読書感想「ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論」デヴィッド・グレーバー

ブルシット・ジョブについての本を読んだ。 実例がいくつか紹介されていたけれど、私には想像のできない世界だった。 仕事が原因で病んでしまった人の話はいくらでも見つかるけど、それもブルシット・ジョブだったのかなぁと考えてしまう。 ブルシット・ジョブは高給取りだけどあまりの無意味さに精神をやられてしまう場合がある。意味のある仕事は給料が低い。どっちに転んでも辛いのが酷いなぁと思いつつ。 自分の仕事についても考えてみたけどちゃんと意味はあると思う。お給料少ないけど。つまりブルシット・

読書感想:「ロボット・イン・ザ・ファミリー」

「ロボット・イン・ザ」シリーズ4作目。 今回はタングの出番が少ないと感じた。ボニーが中心に描かれている。 ジャスミンが去り、代わりにフランキーがやってくる。 ボニーは自閉スペクトラム症らしく、逐一困った事が起きる。 他人ごとではないので頭と胸が痛むが、赤の他人から見れば迷惑にしか見えないだろうな、とも思う。本人も世話する人も大変。悩みの種になっているボニーだが、終盤でフランキーの為に行動する部分も見せる。 フランキーは捨てられても元の持ち主、ソニアの世話をしたいと言い、彼女の

読書感想:「ジーキル博士とハイド氏」スティーブンスン

(見出し画像はCopilot Designerで作成しました、) 非常に有名な作品なので、ハイド氏はジーキル博士なのは知っていたけれど、それでもハイドの不気味さと謎は興味を惹くし、物語の真相を知りたくなる。特殊な薬によってジーキルはハイドに変身し、姿形も大きく変わってしまう。ハイドの外見の描写は独特で、説明しがたいが誰もが嫌悪を感じるようなものらしい。ハイド(ジキル)本人以外の登場人物は全員ハイドを見て嫌悪感を感じている。ハイドが純粋な悪の側面の具現化のようなもでだとしても、