【活版】ミラノのLWSに行ってきましたー1
LWS=Letterpress Workers Summitは、その名前のとおり世界中のレタープレススタジオの人たちが年に1回集まって情報交換するイベントだ。
そもそも、今の時代にレタープレス(活版印刷)に本気で取り組んでいるというだけでも、かなり酔狂な人たちなわけで、大体が自分一人か、数人で活動しているところがほとんどだから、こうして年に1回は、志を一にする人たちが一箇所にあつまって、レタープレスを思う存分楽しもうじゃないかというのがLWSだ。2012年から始まって、今年で12回目を迎える。
会場はミラノのLeoncavalloだ。
このLeoncavalloは、工場跡を使ったカルチャーセンターなのだが、1975年に閉鎖された工場跡を不法占拠したところからはじまり、再三の市からの立退勧告にもかかわらず、いまだ自主運営という形で存続しているという、ロックな場所だ。
元工場だけあって建物はとても大きくて、中にあるいくつものスペースではコンサート、展覧会、トークショー、学校主催のワークショップイベントなどさまざまなイベントが行われている。
レタープレスレターズは今年で5回目の参加ぐらとなる。LWSはレタープレスのプロの集まりだから、誰かの紹介がないと参加できないのだが、幸いなことにThomas さん(このブログでも書いたオランダのレタープレスの師匠)の紹介で参加するようになった。
LWSは3日間開催される。広い会場に設置された卓上プレス機1台につき、4人一組で1日1点、テーマにそった作品を制作印刷する。
組み合わせは毎朝くじ引きで決まるので、毎日異なる人とグループ作業をすることになる。
作業に疲れたら中庭で、のんびりコーヒー(いやビールのことが多いかも)片手にレタープレス談義に花を咲かせたり、夜は夜とて食堂、そうLeoncavalloには安い食堂が付いている、から夕食とワインを買ってきて、また深夜まで話込むのだ。
なにしろこの期間は、仕事は忘れてレタープレス仲間とレタープレスな3日間を過ごすのだ。
今回はイタリア、オランダ、ベルギー、イギリス、フランス、スペイン、スコットランド、ドイツなどヨーロッパの各地から、珍しいところではスロベニア、遠くはブラジルそして日本から約40名が参加した。
住んでいる国も違えば、職業もさまざま。
美術学校の先生、カードなどの印刷を生業にしている人、アーティスト活動中心の人、グラフィックデザイナーをしながら、レタープレススタジオを運営している人、レタープレスの教室を運営している人など、皆いろいろな方法でレタープレスと関わっている。
共通点はみんな「レタープレスが好き」ということ。
だから、集まればいつまでも話はつきない。
今年のLWSのテーマは「AI」。これが案外難しいテーマで、皆知恵を絞って作品を作る。
刷り上がった作品は最終日に、皆で1冊にまとめて、その年のLPW Editionとして参加者みんなが1冊づつ持って帰る。
あー楽しかった!
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