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見逃される小さな障害

今日は重複する障害について書きます。

例えば失語症があっても麻痺が軽い方がいます。大抵は右片麻痺、手が少し動かしにくいけれど字は書ける程度。しかし元の職業に必要なパワーが発揮できません。
高次脳機能障害で通院していると歩ける程度の足の悪さは見過ごされます。

おそらく、周囲が生活しにくさを気付かないし、本人も家にいるだけでは不都合がなぜなのかわからないかもしれません。
社会にでて活動してこそ気づく。

かかりつけ医である私でも、冬になると転びやすいのが実は足の麻痺のせいだった。
剪定バサミが使えなくなったのは右手の握力が以前よりも少ないからと数年間気付きませんでした。
家族の方が作業をさせてみるととか、相談員が生活や作業の様子を見て伝えてくれた事例があります。

さて、この部分が少し周りに理解される次の段階に進みます。
転びやすいのが、冬季雪の上を歩く場合に多いので、その間だけリハビリテーション訓練を指示する、秋口に痙縮にたいして、治療を行い足の変形を改善するなど対策が取れます。

交通事故で大きな骨を骨折しているとそちらの治療が優先されるのは当然です。でもその後の不自由をきめ細かく見ていって、他の受傷部分のフォローしていく必要があります。

大きな事故や脳卒中の方で生活しにくさを感じたら、まだ見つかっていない小さな障害の存在を考えてみたらいかがでしょうか。
かかりつけ医の先生が全部わかっていると思わずに、受診の時に相談してくださいね。

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