見出し画像

蒸しパンが急に大きく見える、母の食事

母が自宅に帰ってから、驚いたことの一つに
食べ物のサイズが大きく見えたこと

母が今回の入院前に好んで食べていたパンやゼリー、ジュースは急に量が多くなったように感じられます。
山形からよく買ってきた『山形代表』100%のラフランス、モモ、ブドウなどのジュース160ml、三分の1くらいしか飲めないのです。
160mlの缶がやけに大きい
朝ごはんに二つぺろりと食べていた木村屋総本店の蒸しパン、プレーンとチョコレート、こんなに大きかったかしら?
4分の1にして、牛乳に浸したのに一口も食べられないで舌で押し出してしまいました。

病院からの申し送りは嚥下障害なしとのこと。
意識が低下しているとか、数口嚥下すると疲れてしまうなんて評価はしないのでしょうか?

退院した日にいきなり現れた歯科医、嚥下内視鏡を持ってきてくれました。
先生を別の家族に頼まれてきたのでしょう。
私もかつては嚥下内視鏡をしていました。
患者さんを見ながら思ったことは、検査の結果はただの検査の結果。
意識がある患者さんは検査の時は頑張ります。
検査の一回の飲み込みでその人の可能性は探れるかもしれません。
でも、いつも毎回ではないことを検査する側が理解している必要があります。

飲み込みが悪いと言うことは生きる力が低下していることと考えると、高齢者に無理に食べさせるのはその人を苦しめることにもなります。
もちろん、入院中の母のように薬だけきちんと内服させて、食事量をかえりみない医学的な管理は論外ですが、自宅で家族と一緒に過ごしながら食事量が減っていくのは自然のことと思っています。

そう思うと、母はもはや医療の段階では無く、生活を苦痛なく、過ごすことが自宅に戻って来た目的でそこから先はもうないのですよね。

大きく見える蒸しパンを手にこんなことを考えました。
食事が苦痛の時間にならないように、母に寄り添いたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?