気の緩み説再び

5類になることが決まった新型コロナ感染症。
ほとんどの病院では、5類変更以後も厳しい感染対策を継続するとの噂。

さて、その言い方を見ていると、
多くの医療者はコロナに罹った人は気が緩んでいた、かかったのはその人の感染対策が不十分だったからと思っていたことがわかる。
病気になって気の毒だ、お大事にとは思っていなかったらしい。
でなければ、5類に移行して、気の緩みから感染が広がるとか、まだまだ危ない感染症だから、なおも十分な感染対策をという発言しないと思うのです。

2類から5類に変わるのは感染症悪化の可能性が低くなってからです。社会として脅威が少なくなっているからです。
広く普及した感染症に対して、今と同じ対策を講じていては生活がなり立たないからでしょう。

こういう話になってくると医療組織を離れて良かったなと思います。
そういう偏見のもとで仕事をしていくのはこれからも、理にかなっていないムードに支配されているようなものだからです。

クラスターが繰り返して起こっている医療機関よりも、かえって今までクラスターが起こらないで上手くいっていた医療機関の方が5類変更後の感染対策の改善は難しいと思います。

うまくいっていた組織の管理者には、自分たちはきちんとやったから大丈夫だったという考え方が根底にあります。残念なことにこの思考はきちんとしていなかった人たちが病気になった。病気になる人が悪い、その人に責任があると突き進んでいきそうです。

病気になった人、障がいのある人はその責任を問われる時代になったのでしょうか?
医療者に病気の人障がいを持つ人への共感が無いのは恐ろしいことです。

病気の人を診ることは助けることであり、理解することでもあります。
気の緩み説は医療を変えてしまったようです。

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