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脳卒中の後遺症「痙縮」ボツリヌス治療(4)

前回は痙縮の治療、ストレッチについてお話ししました。
今回は注射による治療について書きます。

ボツリヌス治療

2010年に適応が拡大されたボツリヌス治療は脳卒中の後遺症に対してひろくおこなわれるようになりました。
これは痙縮の症状がある筋肉に直接注射する治療です。
注射!痛そうと思いますか?
(細い針でゆっくり注入することで痛みを和らげる工夫をしています)

ボツリヌス治療は」麻痺が治る治療と紹介されることがありますが、そうではなく突っ張っている筋肉の力が抜ける作用があります。
力が入るようになるのではなく、力が抜けてゆるむと説明しています。

肘が曲がって伸ばしにくい方の上腕二頭筋(肘を曲げる作用がある筋肉、ポパイの力こぶを思い出してください)に注射すると肘が伸ばしやすくなります。

手の指がグーになりやすい方は、指を曲げる筋肉、肘から手首までの間にあります。その筋肉に注射すると指が伸ばしやすくなります。

自然に力が入ってしまい、勝手に動くことがなくなるので、痛みが取れる方もいますし、手を振って歩くことがしやすくなる方もいます。

さて、ボツリヌス治療というとシワを取る治療ですか?と疑問を持つ方もいるはず。
そうです、同じ薬ですが、眉を顰めるときに表情筋のシワになるのを、シワを作らせないように筋肉を動かさないようにするように、自然に不必要に力が入ってしまう麻痺の筋肉を動かさないようにするのです。

さて、ボツリヌス治療で大切なことは注射の後のリハビリテーションです。
そのことは続く

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