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あすなろ荘のこれから(3)

画像はMezzanine✨様のものを使わせていただきました。ありがとうございます。
毎回、更新頻度を増やそうと努力をしていますが、気がつけば前回から4か月もたってしまいました。
こんにちはLet's be tomorrowです。

昨年、老朽化した建物を建て替えるためのクラウドファンディングを行いましたが、年度も変わりいよいよ建て替え工事を行う年度となりました。
秋には既存の建物を取り壊し、新しい建物を約1年かけて建てていきます。現在、設計も大詰めに入り、「入居者支援×退居者支援×地域の青年支援」をコンセプトに少しずつその形が見えてきました。

ここ2回、このコンセプトについて書かせていただきましたが、今回はその3回目。入居者支援、退居者支援ときましたので、新しくあすなろ荘で行っていこうと考えている地域の青年支援についてお話していきたいと思います。

あすなろ荘の地域支援とは

自立援助ホームと地域

自立援助ホームは児童福祉法に位置付けられている児童自立生活援助事業です。他の社会的養護の施設に比べてその歴史はそんなに古くはありません。児童養護施設等児童福祉法が施行される前からその前身があったものと比べ、自立援助ホームの前身は戦後まもなくスタートしました。
もともとは児童養護施設を退所し、社会へと自立した青年たちが、様々な理由で職を失い、家を失って路頭に迷っている中、同じような境遇の青年達が集まり、アパートの一室を借りたところから始まりました。
今でいうシェアハウスといったところでしょうか。
住むところを確保した青年たちはそれぞれ職に就き、その稼ぎから少しずつ
お金を出し合って生活をしていました。
そこに施設を出た後輩たちが助けを求め、生活をし、働けるものは外で働き、働けない者たちはここで働く準備をし、生活にめどがたった者はこのアパートからまた巣立つということが行なわれてきました。
東京都が1974年に養護施設のアフターケア事業として補助金の交付を始め、1984年には実施要綱が出され、そこで初めて自立援助ホームという名がつきました。
国が制度として位置づけたのはそれからもっと後の1998年になります。しかし、基本的には児童養護施設のアフターケア事業であったため、自立援助ホームにくる青年たちはそのほとんどが児童養護施設出身者でした。
そんな自立援助ホームが地域とのつながりが強くなったのは、2009年の児童福祉法改正以降のことです。この改正により、自立援助ホームの入居年齢が18歳未満から20歳未満へと引き上げられたのです。
児童福祉法の対象年齢が18歳未満である中で、年齢の壁を超えたのは本当に大きなことでした。この改正により児童養護施設で18歳になる前に自立援助ホームへと移っていた青年たちが18歳まできちんと児童養護施設で見守ることができ、次のステップで自立援助ホームに移るといった流れができるものだと思っていました。ところが・・・。

もちろんそういう形でも入居もあったのですが、それ以上に家庭から直接入居する青年たちが増えてきたのです。
ご承知の通り、児童福祉法の対象年齢は18歳未満です。したがって児童養護施設に入所できる年齢も18歳未満となっています。
しかし、今でこそ18歳成年となりましたが、20歳成年の頃は18歳、19歳の受け皿がありませんでした。
高校生になり、自分でも情報を集められるようになったとき、はじめて自分の家庭状況がよくないこと知り、自らの意思で保護を求めようとしたときには、児童養護施設そのものへの入所が難しい年齢になっています。
また思春期になり、活動範囲が増えたことで家以外に居場所を求めた結果、そこがまた環境的によくないところで結果的に警察に保護され、そこで初めて家庭環境が良くないと判断されることもありました。
そんな青年たちが保護される場所として、保護年齢が20歳未満となった自立援助ホームに入居するということが増えてきたのです。
2009年度以降、自立援助ホームに入居する青年たちの半数以上がそれまで社会的養護で保護された経験のない、家庭からの入居ということになりました。

家庭からきた青年達

家庭からきた青年たちの多くは10数年もの間不適切な環境で育ってきた子どもたちでした。そんな彼らが自立援助ホームに入居して、安心安全の場で生活を始めることになるのですが、当然彼らはいろいろなしんどさを抱えての入居となります。
そんな彼らに対して、安心安全の場を提供すると同時に就労自立を目指す支援をしなければなりません。
そこで彼らが未来に向かって歩みだせるように高校やその先の学校等への進学支援を始めました。

保護者も子どもへの思いはある

この年齢まで家庭で生活していたということは、結果的に不適切なかかわりになってしまったとはいえ、保護者も子どもに対する思いは強くあるように思えます。しかし、思春期を迎えどのように接したらいいかわからない。それを相談するところもないという家庭が多いように思えます。
そこで私たちが感じたのは、自立援助ホームに入居するところまでいかなくても、その前に何らかのお手伝いができれば家庭でともに生活することもできるのではないかということでした。

私たちの考える地域支援

建て替えをするにあたり、わざわざ親子が離れて生活をしなくてもすむような支援ができないかなと考えたときに、青年たちがひと時の間でも家から離れたところでホッとできる場所が作れないかということ、保護者もここなら安心できると思える場所を作ることができないかということでした。建て替えたホームに生活している青年達とは別にいられる場所を作り、場合によっては一泊ぐらい泊まれる場所があるといいなと。
また自立援助ホームなので就労に関するプログラムはいくつかありますので、今の状況を変えたいけど何をしていいかわからないという青年達には就労体験プログラムを利用するなんてこともできないと考えました。
イメージとしては通所型自立援助ホーム。
家から通いながら社会との橋渡しをする役目。
必要であればそこからホームに入居するなんてこともできるといいかなと。
もちろん保護者の話も聞けるといいかななんて考えています。
これはいくつかの自立援助ホームでも実践していることではあります。
今は閉鎖してしまったホームではありますが、家から通いながら様々な体験を通じて社会的自立を支援することをやっていたホームもありますし、ホーム長がスクールソーシャルワーカーとして地元の中学の要支援家庭を訪問し、必要であれば自立援助ホームの入居を進める。なんてことをしているところもあります。自立援助ホームで無料塾をやっているところもありますし、数えだしたらきりがないと思います。
それだけ地域の中で困っている青年達がいるということではないでしょうか。

すぐに実践を始めるわけではないですが、今私たちの地域で何が必要で、どのような支援が私たちにできるのか、建て替えが終わったころには一つのかたちとしてスタートできるようになりたいと考えています。

興味がありましたら私たちのホームページをご覧ください
http://www.asunaro-sou.com/
建替えのためのご支援もよろしくお願いいたします
http://www.asunaro-sou.com/request/

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