見出し画像

外国人嫌いに思うこと

外国人嫌いって普通の感情だよなと思い始めている。
自分の言葉も常識も通用しない相手との接触は怖い。それはとても自然な感情だ。

私はたまたま帰国子女で、そのコミュニティにおいて私のほうが「外国人」であった期間が長い。さらに大人になった今は外国人クライアントを相手に仕事をしている。

まれに「外国人は民度が低いから、民度の高い我らが日本から出て行け!」と言うような人もいるが、私の知る限り相当少数派である。Twitter上では見かけるけど、本当に実在するの?というくらい見かけない。

だが、「外国人はなんとなく怖いから、近寄りたくない」という人は非常に多い。外国人に抵抗がなさそうな、都会の若者ですらこういう人は多い。

私は彼らのことを断罪することはできない。なぜなら、「自分の言葉や常識が通用しない、なんだか声の大きい、しかも体も大きい人たち」に多少の恐怖感を覚えるのは当然のことだと思うからだ。

ただ、特に私のような20代以下の世代は、子供の頃から「外国人差別はいけません」の教育を叩き込まれている。そのため、その分野のリテラシーも高い。
だからこそ優しい人は、「外国人差別はいけない」という疑いようもない理念と、「だけど正直外国人とは関わりたくない」という感情の間でせめぎ合って、勝手に罪悪感を覚えたりしている。

私が思うに、外国人との共生とは、文字通り共に生きることであり、なにも外国人と仲良くしなければいけませんよ、ということではないと思う。

たとえ外国人がうっすら嫌いで、関わりたくなくて、でももし日本国内で外国人が不当な差別を受けているようならそれには断固として反対する、でいいのだ。

外国人のことはうっすら嫌いで、苦手で、出来ることなら近寄りたくないけれど、彼らが不当な差別に晒されることは許さない。そういう人たちのことを、かつて「外国人」であったわたしは、外国人差別主義者だとは思わない。

と、優しくて生真面目な友達が、外国人嫌いな自分のことを嫌いになりかけていたので言っておく。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?