#あなたへの手紙コンテスト「特別な君へ」
水野うたさんのこちらの企画を知って、
書かせていただこう!
と思っていました。
手紙というと娘宛やトラオくん宛、
はたまたおばあちゃんと考えていたのですが
なんだかピンッと来なくて。
今朝、ふと空を見上げたら
浮かんできた顔があったので、
今から書いてみようと思います。
**
まーくんへ
まーくんに手紙を書くのは2度目だね。
1度目はまーくんが結婚した時だよね。あの時、なんて書いたか思い出せないんだけど、間違いなく、「幸せになってね」ってひたすら書いだ気がします。
今日は少し違うことを伝えたくてこうして書き始めました。
あの頃、私はまだ結婚していて、変な話だけれど、自分のことをよく知らなかったの。離婚して、それからまた時間が経って、今になってようやく自分の心と向き合って、いろいろなことに気づきました。そんな中でまーくんのことをよく思い続けています。そんな風に思われてるなんて、夢にも思ってないだろうね。でもね、特別な人なんです、君は。
すっかりまーくんが実家に寄り付かなくなったと聞いて、ずいぶんひどいなあと思っていたんだけど、最近ようやくその気持ちがよくわかるような気がしています。
君はずっとお母さんが幸せじゃなかったことを、自分のせいだと感じてきたのかもしれないね。同時に、自分の場所が見つからずに宙ぶらりんだったのかなって。静かにニコニコしていたその向こう側の辛い気持ちに気づけなかったなって後悔してるんだ。でもまぁ、そんなこと今更ジローなので、今は彼女と2人、居心地の良い場所で過ごしているといいな。
こんなこと私が伝えることでもない気がするけど、私以外の誰も言わないだろうし。本当はあなたのお母さんが、あなたに寄り添うのが一番なんだけど、それどころではないだろうと思います。だから、今日はあなたのお姉さんもどきとして、2つ伝えます。
一つ目、ごめんね。そしてありがとう。
小さな頃からまーくんは、ただただ愛おしく可愛い弟でした。だから言います。あなたはどこも何も悪くないんです。あなたのお母さんが結婚を通して幸せになれなかったのはあなたのせいじゃない。泣いていたのも、痛がっていたのも、あなたのせいじゃないし、あなたが守れなかったからじゃないんです。だから、もう自分のことを許してあげて欲しいんです。きっと辛い時間をたくさん過ごしたと思うのに、寄り添ってあげられなかったこと、もっと早くこれを伝えられなかったこと、ごめんね。元気でいてくれて本当にありがとう。
二つ目、大好きだよ。
まーくんが生まれてきた時、どんどん大きくなって可愛くなっていく時、成長して大人になっていった時、全て私にとっては大切な弟の成長でした。本当、可愛かったなあ。嬉しかったな。大好きだったし、それは変わらないな。なに、お姉ちゃんそんな恥ずかしいこと言ってんの?って言われそうだけど、本当の気持ちです。
学生時代、まーくんが本当のお父さんが住んでいる街を、一人でそっと尋ねてみたことがあると聞きました。そうだよね、会ってみたいよね。それでいいんだよ。自分が会いたい人にはいつだって会いに行っていいし、会いたいって言っていいんだよ。これからもそうやって、自分の願いを自分で叶えてあげて、どんどんいっぱい幸せになって欲しいんだよ。
幸せでいてくれたら、それだけでいいよ。
いつも心のどこかでそれだけ願っていること、伝えたかったんだ。
お姉ちゃんも欲張って幸せになるからね。
じゃあまたね。
**
私には歳が離れた大好きな従姉が
います。小さな頃大変に懐いていて、
この従姉が私の初マクドナルドも
初サンリオも体験させてくれました。
彼女が朝帰りをして、
おじちゃんに怒られている時に
「怒らないで!」と当時4歳くらいの
私が割って入ったという記憶も。
そんな従姉が結婚してから
遠く離れた隣の県に住んでいましたが、
玉のような男の子が生まれて
その子を私も本当に大切に思っていました。
一人っ子の私にとっては
歳の離れた弟のような存在です。
従姉の結婚相手は
残念ながら従姉を幸せにしてくれず、
彼女は幼い息子を連れて戻ってきました。
それ以来、一才、会っていないようです。
その後、従姉は再婚したのですが、
その結婚も相手の暴力が遮りました。
もちろん従姉も辛い思いをしたのですが、
私にとっては弟のようなまーくんが
どれだけ傷ついてきたんだろうと
今も気になってなりません。
天真爛漫だった彼が
大きくなっていくうちに
いつも物静かで
大人に口を挟まない子になり
人生から一歩退いているような
そんな姿を感じ続けても
何もしてあげられなかったんです。
だって何が彼を苦しめてきたか
想像できても深く寄り添うところまで
私が成長しきっていなかったから。
いつも幸せを願っているのですが、
伝える術がなくて。
今日こうしてお手紙を書きました。
とても私的で主観的で
一方方向の手紙になってしまって
企画の趣旨にあっていない気も
するのですが、この企画に出会わなかったら
書けなかった手紙です。
水野さんありがとうございました
人の思いは見えない力で
誰かを守っているとしんじています。
そして
まーくんがこのnoteのどこかにいて
たまたまこれを読んでくれたら
どんなにいいだろうと思っています。
そんな奇跡を
そっと信じてみたい秋の朝です。
いただいたサポートは毎年娘の誕生日前後に行っている、こどもたちのための非営利機関へのドネーションの一部とさせていただく予定です。私の気持ちとあなたのやさしさをミックスしていっしょにドネーションいたします。