アフターコロナの世界:航空事情変化が今後の海外旅行に及ぼす影響
筆者は、大の海外旅行好きで、飛行機も好きである。
海外旅行好きの多くの人が、コロナに悩まされていると思う。僕ももちろんそのうちの1人で、コロナの収束を1日も早く願っている。
ただ、ここ最近、航空事情に関する「悲しいニュース」及び「心配なニュース」が多く流れてきている。
この記事では、最新の航空ニュースに触れ、アフターコロナの世界で、我々に襲いかかる影響を考察したいと思う。
日系大手2社が赤字計上
日系航空会社の大手2社(JAL、ANA)が赤字を計上したというニュースは、テレビやネットで大きく報道され、記憶に新しい。
JALの1~3月期、最終赤字233億円 再上場後初
4月以降も減便広がる (引用:日本経済新聞)2020/4/22
ANAホールディングス、594億円の最終赤字 1~3月期 (引用:日本経済新聞)2020/4/20
今年は、東京オリンピックが開催されるはずであったので、多くのインバウンド需要が見込まれていた。それに加えて、羽田空港の国際線発着枠が大幅に増えたことに伴い、JALもANAも相当気合いが入っていたと思う。
まさか、コロナウイルスのせいで赤字になってしまうなんて誰もが思わなかったであろう。
経営危機に陥る航空会社も
コロナウイルスの影響で経営が悪化した航空会社は海外ですでに見られている。
アビアンカ航空、破産申請 運航は継続 (引用:Aviation Wire)2020/5/11
アビアンカ航空はコロンビアの会社で、あまり日本に馴染みはないが、1919年に設立された歴史ある航空会社である。
豪ヴァージン、事実上の経営破綻 運航は継続 (引用:Aviation Wire)2020/4/21
ヴァージンオーストラリアは、羽田の発着枠増加に伴って日本に新規就航する予定で、ANAとのコードシェアも発表されていた航空会社である。
国際線がほとんどストップしている状態である今、経営破綻する航空会社は今後増えてしまう可能性もある。
特にLCCやコロナ前から資金繰りがよくない会社は心配である。
航空会社の破綻が、我々の今後の活動において多大な影響を与えるのはいうまでもない。
大型機を抱える航空会社の苦悩
とりあえず倒産の心配はない航空会社でも、悩みの種がある。待機状態にある「大型の旅客機」である。
A380は二階建ての機種としての代表格であるが、これがコロナウイルスの影響で、お荷物状態となっている。
ルフトハンザ、エアバスA380型機6機など早期退役 ジャーマンウイングス統合なども (引用:Traicy)2020/4/8
コロナ禍において、国際線はほとんど飛んでいないが、国によっては1週間に1便など、最低限の運航をしている。
しかし、最低限の運航をする上で、大型機は必要ない。今後も需要が見込めないし、いつ経営が圧迫するかも分からない。そこで、出された案が「早期退役」なのだろう。
アフターコロナで我々は普通に海外旅行できるのか?
ここでは、上述した航空ニュースを踏まえて、アフターコロナの世界に待ち受ける影響を考察する。
ー①アフターコロナまで航空会社の体力は持つのかー
一番重要な点として挙げられるのが「航空会社の存続」である。海外で破綻する会社が出てきている以上、日系航空会社も例外ではない。
政府が積極的に介入し、フラッグシップへ公的援助をしている国も現われてきた。
世界で航空国有化の動き 新型コロナで経営危機 (引用:時事通信)2020/5/6
例えば、アリタリア航空はイタリア政府が国有化する方針を発表している。
しかし、日本の場合は現時点で「国有化」はできない。なぜなら、JALとANAを平等に扱わないといけないからである。どちらか一方に手をさしのべることはできないだろう。
おそらく、国内の航空会社を平等に扱えるような援助方式がとられると思う。
一番恐ろしいのは、「アフターコロナの世界で航空会社が消滅していること」である。
我々が自由に世界を旅行できているのは、さまざまな航空会社が国同士を繋いでいるからである。
資金援助など、さまざまな対策を取って、どうかコロナウイルスが終わるまで持ちこたえて欲しいと心から思う。
そして、コロナが収まったら、我々がたくさん利用することによって応援するべきであると考える。
ー②航空券の値段が跳ね上がるー
これは、生き残った航空会社の状況に左右されるだろう。
近年ではLCCが浸透し、我々は海外へ出かけるときは、利用する航空会社の選択肢が多くあった。
また、そのおかげで各社の価格競争が起き、東南アジア方面などはかなり安い値段で行くことができていた。
アフターコロナの世界ではどうだろうか。
大型機は退役、LCCは倒産・・・など複数の状況が重なると、航空券の値段が跳ね上がる可能性がある。
需要と供給のバランスが整わない状況が続くことは大いに考えられる。
ー③旅行先を入国する際は、検査が必須になるー
おそらく日本の感染が収束し、日常が戻ったタイミングで、感染が収束している国同士の往来が再開されるだろう。
ただ、しばらくはビジネスや公的交流が優先。
そして外務省の渡航レベルが見直され、海外旅行が出来るようになる。こんな流れだろうか。
しかし、恐ろしいのが感染第2波の到来である。
これを防ぐべく、各国に入国する際はPCR検査とまでは行かなくても、簡易検査や検温などが必須になる。
もしくは、感染していないor感染済(いまは回復)という最新の証明書がないと入国は許されない。
このような状況になるのではないかと予想している。
いままで、日本人はパスポートの強さNo.1を誇っており、ビザがなくてもスムーズに入国できる国が多かった。入国の際に質問もなく、ただスタンプをポンと押されるだけで拍子抜けした経験をしたことがある人も多いと思う。
これがコロナの影響で様変わりする可能性も十分あるだろう。
ー④正常化されるのは数年後ー
コロナウイルスの第2,3・・・波を乗り越え、世界的に終息すれば「正常」、つまり「いままでの姿」が戻ってくる。
(コロナウイルスは終息せずに残るという報道もあるが)
どちらにせよ、ワクチンなどの開発期間も考慮すれば、正常に旅行ができるのは数年先だと考えられる。
いままで海外旅行に行けていた我々の生活は、当たり前ではなかったのだと思い知らされた。
数年先でもまた日常が見られるのであれば、それ以上喜ばしいことはない。
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