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Happy Birthday?

知りたくもない真実を知ってしまう。
大人になるということは、ゆっくりとした速度で『死』へと向かってゆくのだ、と。
それが幼き日に憧れていたものであると―


止まって!
そう願ってみても時間(とき)は、流れ続ける。


天国や地獄、神や仏や悪魔なんて人類が悲しみを癒すための空想で、
何処にも在りはしないし、居もしない。


だからいつかは、呼吸も心臓も止まり、何も見えなくなる。
最後までその機能を保つらしい耳もそのうち聞こえなくなる。
泣きたい程誰かを愛しても、そんな感情もなくなって私は消える。
消えた事すら分からないのだろう、きっと。
確実に訪れるその日がたまらなく怖い………。


そして今、宣告された。
無に還るまでのカウントダウン。


Happy Birthday?


(本当に、祝い喜ぶものなのだろうか……?)

※以前、別の投稿サイト様に別の名前で投稿していた作品です。

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