くべるものシリーズ


※まずヨーロッパの田舎の草原や麦畑を想像して下さい。


くべるものシリーズ 

サヨナラしか言えない者 (秋)

いつでも どこでも出逢える者 (春)

ありがとう だけで満足いく者 (夏)

全ての季節を閉じる者 (冬)


  1. サヨナラしか言えない者(秋)

君しか居ないんだ。君だけが僕の薬💊になる。
私はくべるモノ、実りの季節に配って行かないと私の価値が無くなる。
価値が無くなった私は何処へ行けばいい?
一つのところに止(とど)まれない。
サヨナラ。
待ってくれ、どうしようもない僕のこの気持ちは、、、君に捧げるしか無いんだ。
そんなこと、、、私は秋風の曲に謳われる名の無い者。
大丈夫、ゆっくり眠れる次の風が吹くわ。
そうしてまた目覚めるなら、また会えるわ。
待ってくれ。

それまでは、ご機嫌よう。サヨナラ。



2.いつでもどこでも出逢える者(春)

ん、んー、朝だ!
気持ちいいー!
夢を見ていたとても悲しくて甘い夢を。
どれくらい寝てたかな。
また会える?誰と?分からない。
僕はこの季節が好きだ
草木が芽吹き、新しい始まりの季節。
ん?
誰か何か踊るように何かを撒くように
えっと、こんにちは。
何をされているのですか?
春☘️の息吹を配ってくべてるんです。
ん?
ちょっとあぶない娘かなぁ。
トモくん、まだ分からない?
えっ、僕の名前をなんで⁈
私はくべる者、
今は春の実りの収穫を楽しく湧かす者。
名前はないよ、ただ春風と今は。。。
あー!!
秋風の曲に謳われる名の無い君だ!
かつて愛した夢の君だ!!
ほらね、また会えた。
君が悲しくて儚い存在だから忘れかける。
だけど、くべる者、その言葉で
僕らはまた会える。
春☘️の息吹を配り終えたのかい?
ええ、貴方の、、トモくんのところが最後。
また会える気がしてた。
ゆっくり眠れる中で悲しくて浄化されての
繰り返し。
僕は彼女から、頬と唇の間に軽くキスされて
固まる僕の手を繋いで
また春の、、出逢いの季節と実りでまた、
日常の彼女との生活を始める。
いつでも どこでも出逢える者よりの。


3.ありがとう だけで満足いく者(夏)

今日もリアカー引いて商売に明け暮れる者。
トモ君、今日も僅かしか売れなかっね。
根気よく生活していれば いつかは芽が出るさ。何事も感謝してありがとうだよ。
いくらかの時が過ぎ、
さ、今日もリアカー引いて商売をするぞ。
おーい、
まだ支度が終わらないのかい?
お、おい、何だこれ、なぜ倒れてる?
ち、ち、血が、、、大丈夫か?
い、今、医者を呼んでくる!!
医者は言う、、
どうしたも、こうしたも無い。
栄養失調だ、養生しなさい。

ありがとうございます。
村の民たちは、
あいつは ありがとうしか言えない。
だから、この有り様だ。
仕方ない、
おい、坊、魚と少しばかりの野菜を持って行ってやれ。

ああ、アナタ、、、トモ君、
私は大丈夫だと思う、
魚と野菜を頂いたから美味しい料理が。。
ありがとう。
トモ君、ありがとう。
また目覚めたら会いましょう。
な、なに、何を言ってるんだ!?
いつも、いつもありがとう。
私は唐突に分かってしまったの、
私はくべる者、夏の実りを配る事、
それが私の価値。
どうしてだ?どうして消えていく、
なぜだ!?
トモ君、最後に私の名を言って。
そして またの目覚めで会いましょう。
ありがとう。
くっ、クッ、グゥ、
消えないで、お願いだ、消えないでくれ!!
夏風ぇぇーーー!!

ありがとう。。トモ君。


4.全ての季節を閉じる者(冬)

男は眠れる季節に感謝して今日も眠る。
そして夢を見る。
秋の小麦🌾畑を手を繋いで踊る。
そして夢を見る。
春の実りを二人頂くさま。
そして夢を見る。
苦労を共にしていた涙の陽々(ひび)

眠りなさい。
全ての季節に限りなく流した涙
全ての季節に限りなく愛した日々
全ての季節に限りなく感謝した日々
全て、、、私の中で眠りなさい。

私は冬風、眠りという実りをくべる者。
安心なさい。
またいつかカタチは違えど気がついたら逢えるでしょう。

さぁ、この物語を読んでいる坊も
お眠りなさい。

またの目覚めで会いましょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?