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与太話~Jk先輩の説法~

7年くらい前の夕方、宇都宮から帰宅途中の電車の中。

僕の隣にJK二人が並んで座っていた。
その前に先輩JKが立ち、その子達に説教をしている。

『きれいな言葉は良い人を呼ぶ。汚い言葉は悪い人を呼ぶ』

心に響くことを次つぎと話す。
JK二人もうっとり聞いている。

「先輩、じゃあムカついてもdisはダメなんですか?」

『地球には法則がある。良い事象と悪い事象はプラスマイナス0になる。disると相手に降りかかる災難は小さくなる』

いつの間にか僕もうっとりして、三人並んで座る形になった。

久喜駅で電車を降りた僕たちは、ホームのベンチに座る。
JK先輩は部活の先輩のようで、背が小さく遠くを見ている。

『タトゥーを入れてはいけない。理由があっても入れてはいけない』

僕も負けじと質問した。
「今はタトゥーもファッション化して、反社的な意味合いはそんなにありませんが…」

『人にどう見られるかではなく、内側の問題。魂にタトゥーを入れたいの?』

ホームでの説法は一時間に及んだが、乗り換えに向かう僕たちの足取りは軽やかだった。


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