見出し画像

「もうこの人以上に好きになる人なんて一生現れない」と思っている人へ

「この人以上の人なんて現れない」

そんなドラマのような本気の恋をした経験はありますか?

この記事にたどり着いたということは、今まさにこの辛い状況を経験している人もいるかもしれないね。

私はそんなみんなに伝えたい。

大丈夫。

必ず次に進めるから。

きっと今は信じられないと思うし、信じたくないと思う。

ちょっとずつでいい。

思い出して泣いてもいい。

でもこれだけは信じて。

あなたはもっともっと素敵で、あなたを大切にしてくれる人に出会える

そして、あなたは必ず幸せになれる。

私も本気の恋をしました。

周りが何も見えなくなるくらいの恋を。

私の経験が、どうか誰かの役に立ちますように。

大学1年生から3年生までの3年間、私は塾の講師のアルバイトをしていた。

そしてそのバイト先の4個上の先輩に恋をした。

出会った時はなにも思わなかったけど、自分でも気づかないうちに好きになっていた。

私が大学1年で、先輩は院2年。
大学生になりたての私には、4個上の先輩がキラキラとかっこよく見えた。

人懐っこい性格だったわたしはすぐに先輩に可愛がられた。

他のバイトメンバーも含めて飲み会やフットサル、冬にはスノボなんかに行ったりして仲良くなるうちに、いつのまにか2人で遊ぶようになった。

初めてご飯を食べに行ったのは、先輩の友達のバイト先のビストロ。

友達のバイト先に連れて行ってくれるなんて、先輩は私のこと少しは意識してくれてるのかな。そんな風に思って嬉しかった。

そんな純粋な私とは違って

先輩はほんとにずるかった。

「うちくる?」

終電30分前にいつもLINEがくる。

恋愛経験が少なかった私は、断る選択肢なんてなかった。

「終電で行きますね」

軽く泊まる用意をして先輩の家に向かう。

何も経験がなかった私だけど、家へ行ったらどうなるかの流れは分かっていた。

私は先輩に初めてを捧げた。

初めては彼氏がいい、なんて口だけの話で実際は大好きな先輩が自分の初めてになったことが幸せだった。

その後も何度も先輩の家に終電で行った。

今思えば、純粋に好きだったのか、体の相性が良かったから好きだったのかはわからない。

でもとにかく大好きだった。

セフレという概念がなかったし、好きだったらいつかは彼女になれると本気で思っていた。

何度か想いを伝えたけどどれも届かなかった。

「遠距離で別れたことがある。俺には絶対無理だから」といっていつも濁される。

先輩は卒業後、仕事で上京することになっていた。

「じゃあ私が東京にいたら付き合ってくれてたの?」

先輩から唯一もらった「曖昧」という優しさに気づかない私は全てをはっきりさせたかった。

先輩から離れられないのには理由があった。

先輩は私と体を重ねる時、いつも「好きだよ」と私の耳元で囁いた。

その言葉がなんとも切なくて、嬉しくて忘れられなかった。

本当は先輩は私と付き合いたいと思っているんだ。

でも遠距離で傷つきたくないから付き合うことはできない。

先輩も苦しんでいるんだ、

と今思えば自分が可哀想になるくらいの思い込みで自分の気持ちを保っていた。

先輩が上京する前、短期留学を明日に控えながらこれが最後かもしれない、と先輩の家に向かった。

その夜、先輩が横に眠っている中、私は涙が止まらなかった。

これが最後かもしれない、なんていう理由はなかったに等しく、

「東京に絶対に会いに行くから」

そう伝えた。

「待ってる」

最後までほんとにずるい男だ。

オーストラリアへの短期留学は私に新しい風を吹かせ、先輩に対する気持ちを考え直すきっかけにもなった。

もう諦めよう

大学2年が始まる4月、私はそう心に誓った。

そしてその夏、私は1つ歳下の同期だった男の子に告白された。

たしかに仲は良かったし、2人で飲みに行ったりもしていたけど、何も意識していなかった私にとってはまさかの出来事だった。

さらにまさかだったのは、彼は同じ塾のバイト先の同期で、私が好きだった先輩の大学の後輩でもあったからだ。

私が先輩のことを好きだったことを彼が知っているかは知らなかったけど、

「え、私、先輩のこと好きだよ...」

と思わず言ってしまった。

「それは知ってる」

「私、先輩のことめちゃくちゃ好きだよ」

「俺を踏み台にして忘れればいいんじゃない」

この言葉が、どうやって断ろうとしか考えていなかった私の思考をぴたりと止めた。

「こんな私でよければよろしくお願いします」

成り行き任せで私たちは付き合うことになった。

そんな歳下彼氏との日常は長くは続かなかった。

付き合って1ヶ月後、卒業した先輩たちが戻ってくるからという理由でバイトの飲み会が計画された。

歳下彼氏は用事で来れなかった。

そしてあの先輩は参加することになっていた。

飲み会当日、髪の毛をセットしてクラッチバックを持った大人な余裕のある先輩を見た瞬間

私の中で何かの糸が切れた。

幹事だった私に解散後、

「今日はありがとう」

そうやって先輩から久々のLINEがきた。

何気なく続けているうちに

「今日(私の家の)近くで泊まるんだよね」

その言葉で全てを察した私は、少しでも成長したことを見せたくて

「家まで迎えに来てくれるなら行ってもいいですよ」

と少し試すような返事をした。

そんな考えは全く意味がなく、あっさりと迎えに来てくれた先輩とホテルに向かった。

久々の先輩との時間は私が忘れかけていた、

いや忘れていた方がよかったあの感覚を呼び起こした。

「やっぱり先輩が好きだ」

私の中で明確な答えが出てしまった。

次の日の朝、先輩は私との時間をゆっくり過ごすこともなく次の予定へ行ってしまった。

伝えなきゃ

白黒はっきりさせたい私は浮気した自分を早く救いたくてすぐに彼氏に電話をした。

先輩と会うことを知っていた彼は、なんとなく察しがついていたのだろうか。

とても冷静に私の話を聞いてくれた。

その電話で私は彼と別れることになった。

それから何度か先輩に会いに東京へ足を運んだ。

デートらしいこともしたけれど、相変わらず優先順位の低さを身に染みて感じた。

急に予定が入ったと慣れない東京でひとりぼっちにさせられることもあった。

それでも会ってくれるから、と。

私はどこまでも馬鹿な女だった。

来週金曜日に有給がとれるから、と3連休を使って2人で温泉旅行にも行った。

その頃になると旅行に行けるから脈ありだのなんだの、そんなことはもう気にしていなかった。

もうこんな片想いはやめたほうがいいことは頭では分かっていた。

でももう自分の力ではどうすることもできないほどの深い沼にはまっていた。

周りの女友達は私が何を言っても聞かないことを十分に分かっていた。

だから、そんなに好きになれる人なんて人生で滅多に現れないよ、頑張って!と私の背中を押してくれた。

そうだよ、

私は先輩が好き。

「先輩以上に好きになれる人なんて、この先絶対に現れない」

諦めようとするたびに、この言葉が頭の中に広がる。

だけど決して幸せではなかった。

いつも優しさを感じるのは、ベッドの上でかけられる甘い言葉だけ。

先輩の行動がその全てを物語っていた。

自分ではどうすることもできない私は、

きっと誰かに助けてもらいたかったのかもしれない。

そして年末。

大学の仲が良かった男女グループでコテージに遊びに行った。

かなり酔い潰れて、わたしは号泣した。

「先輩が好きなの」

「これ以上のひとは現れない」

「でもつらい...」

全てを知っている友達のうちの1人の男がわたしの携帯を取り上げた。

「もうLINEブロックしろ」

そう言って先輩をLINEから削除し、インスタのフォローも外した。

これまでの長かかった先輩との時間はなんだったのか

そう思うほど呆気なく先輩との連絡は途切れた。

1年後。

「就職どこに決まったん?」

と久々に先輩からLINEがきた。

私からの返事に先輩は、

「東京じゃないんやな、東京来ると思ってたわ」

この言葉が何を意味するかわからなかったし、考えようともしなかった。

「わたし絶対東京で就職する」

遠距離で振られたと信じていたから、そうやって先輩にいつも言っていた。

きっとそのことを覚えていたのだろう。

先輩と連絡をとらない1年は、私を大きく変えた。

そして、

先輩のことはもう何とも思わなくなっていた。

大好きな人だった。

1番恋をした人だった。

その事実はこの先いつまでも変わらないかもしれない。

でも今はちゃんと好きではなかった。

わたしはこの時全てを悟った。

失恋は必ず乗り越えられる。

そして、

失恋は自分を成長させる。

大きく、優しく、強く。

この経験があって今の私がある。

本気で恋をすることは本当に素敵だと思う。

いま私と同じような恋をしている人を止めるつもりはない。

人の言うことなんてわからないから。

恋は盲目なの。

自分で経験して、理解するまで失敗し続ければいい。

きっとだれよりも強くなれるから。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?