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市役所のすべての仕事は、先手必勝で

全国的に6月定例会もそろそろ終盤でしょうか。

議会が始まると、事前レクや、聞き合わせや、委員会で、
議員といろんなやりとりをします。

議員さんの一般論ですが、
わりと思いつきで質問されることがあるようにお見受けします。

何か質問しなくちゃ、
議員としての仕事をしなくちゃと
思ってらっしゃることは伝わってきます。

でも、そういう思いつきで発言されると、
特にそれが議事録に残るような場であると、
困ることがあります。

困る理由。
なんでだと思いますか?

なぜなら、考えていなかったからです。

そんな思いつき、考えつかなかったからです。
議員の皆さんの思いつきは、
私たち市役所職員の常識の斜め上です。

いつも、目をむくような質問が出てきます。

だからといって議員を批判することは簡単です。
でも、ある意味、
それが議員じゃないかと思うのです。
一般人が素朴に思いつくことを口に出すこと。


「そんなことでお金もらえていいよね」(心の声)


そんな議員よりも先に考えておかなければ、
議員の不意打ち質問は、
収拾がつかなくなったり、
思ってもみない方向に行ってしまうことがあります。

あわてふためき、
想定外の答弁をしちゃったりしている職員を見ると、
あああ、部下がかわいそう・・・と思うわけです。

ということで、
私はというと、
議会対応を始めて、管理職になって8年目。

どんな意地悪な質問、もとい、
予想外、斜め上、斜め下、見当違いの質問にも
お答えできるように、
ものすごーーーーーく準備します。

その準備したことは、
口に出して、上司や関係者に何度も根回ししています。
意味のある雑談しかしません。

だいたい1年後には
私が仕込んだ方向に流れていることってあります。

議員さんが思いついて質問したときには、
「こうしたいと思っています」と
議員の提案どおりではないときは、
「こういうやり方を考えてます」と、
自信を持って答弁します。

その後、こうやりますね、と組織内で再確認。
議員の質問後なので、たいていOKだし、
みんな再確認の気持ちの中で、
方針が決まっていきます。

私の所掌事務の範囲内であれば、
たいていの質問には答えられます。

なぜなら、ずっと考えているから。
よ~~~く考えているから。

「こうしたいと思ってるんです」
職場で上司部下問わず、口に出しています。



私の頭の中はいつも1年後。

1年後をイメージして今を準備し、
議員に相対します。

私はこの社会が、
大人な社会になればいいなと思っています。

自分のことは自分で決める。
他人や運のせいにするのではなく、
自分で行動し、自分の人生を生きる大人社会。

自分を大切にするように、
他者のことも大切にできる大人社会。

誰かを「変なヤツ」と思って排除するのではなく、
みんな「違うヒト」と思って認め合う大人社会。


なんでこんなことを言い出したかというと、
ある新聞に、私が勤める市の紹介をする
PR記事を掲載することになりました。

広報を担当している私がテーマを決めていきます。

複数の方には「相談」というカタチで提案して、
「そうやね~それがいいね~」と、
共感という合意にもっていきます。

これを、根回しと言います。

そのうち、記事を作成していくと、
「子供も選ぶ!
多様な主体が関わるまちづくり」
みたいな見出しになったわけです。

ああ、これ、
私がやっていきたいテーマだったわ・・・

そしてそれをPR記事にしてる私。

壮大な根回し。

すべて仕事は先手必勝。

言われる前にやっておく。
言われる前に備えておく。

言われてからやるのはしんどいけど、
言われなくてもやっちゃうって楽しいよね。
そして円滑に進めばもっといいよね。


一歩先に、できそうなことを考えておく。

将来、やってみたいことを考えておく。

将来この仕事を引き継ぐ後輩に、恨まれないように。
今、この事務をしている私がやっておくことは何か、
考え、備えておく。
逃げるんじゃなく、受けて、引き継ぐ。

言われる前に考えておく。

できない理由を考えるのではなく、
こっちをやりたい、こういう仕事をやりたいと言う。

そういう姿勢で仕事に向かいたいよね。



だから今日も私は考えに考え、
仕込み続けます。

ふふふふふ・・・

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