英子ちゃんの世界
松田青子さんの「英子の森」を読んだ。
英語ができればグローバルに活躍できる、そう信じて真面目に勉強してきた英子ちゃんは、世間一般の人と比べれば英語ができるけれど、プロまでが遠い、そんな位置にいるような若い女の子。
外資勤めの私や周りの友達の多くは英子ちゃんの要素を持っている。社会人になりたてのころなんて、私は本当に英子ちゃんそのものだった。
物語のなかで、英子ちゃんはお母さんと「森」に住んでいる。ウィリアムモリス柄があふれるような家で、ジャム入りの紅茶を飲んだりして暮らしている。
松田青子さん自身もきっと英子ちゃんだったし、おそらく今だってすっかり変わってしまってはいないので、森の描写はシニカルなようでいてやさしさが感じられる。私も、今でもやっぱりウィリアムモリスが好き。
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