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Austrian Audio OC707 レビュー 【部屋を作るかマイクを買うか】

皆様ごきげんよう。LLSY music & V ch.のレーシーです。

先日マイク探しの旅をしたお話を書きました。

とりとめもなく書いていますので適当に読み飛ばしながら読んでもらえればと思います。


そもそもどういうマイクが欲しかったの?

なにがどうなってマイクが欲しくなったのかは先述の記事を読んでいただくとして、今回は購入した上陸5周年セールが一生終わらないAustrian Audio OC707について少し深堀をしていこうと思います。
まず大前提として今回のマイク選びの私のスタンスを書いておこうと思います。

1.配信で使うのがメインである。部屋が狭くスタンドを立てたくないので卓上スタンドで使えればなお良し
2.  どうせ買うなら歌も録音してみたい。でも歌い手になるほど歌もうまくないしたまにとってみて楽しめたらいい
3.  基本作曲時はソフトかライン録りなので部屋を作るまではしたくない
4.  もし本格的に録るときになればスタジオを借りればいい

という大変ワガママスタイルです。
音楽やってらっしゃる方からはぶん殴られそうですが、Vtuberになってみて思ったのは個人的にこの「配信メインでやっててたまに歌ってみたやってみたい」みたいな層。歌い手やVsingerさんでバリバリやってらっしゃるという方より多いかもしれません。
なので今回のレビューはミュージシャンの方とかとは少し違う視点で描かれているかもしれません。

つかいまわし画像

外観とかあれこれ

OC707はハンドヘルド型です。
マイク初心者の私でもコンデンサマイクでこのスタイルが珍しいというのはよくわかります。思ったよりコンパクトな外箱を開けると収納ポーチがスポっと収まっています。
ジッパーの気密性は高そうで、本体はビニール袋に乾燥剤と一緒に入っていました。
コンデンサマイクは湿気に弱いとか非常に繊細なイメージはありますが、基本的に同じように保存していればいいということでしょうか?

デカすぎるわけでもなく、程よい感じ

外観はOD505とそっくりです。OD303はメーカーロゴがプリントということで差別化はなされていますが、基本的にAustrian Audioのハンドヘルドは同じ見た目をしているので上位モデルだからみたいな高級感とかとは無縁です。
質感が良くないとかそういうことではなく、303~707までステージマイクとして使うことにおいて一貫した考えで作られているような印象です。

あとはホルダーが入っています。手に取るだけで硬さが伝わってきます。
安物の樹脂ホルダーと比べると振動の吸収性は十分良いです。
配信用途だとマイクアームか卓上スタンドか、マイクとデスクが接触する状態で使うことが多いと思います。
本体形状と相まってここだけで結構振動をカットしてくれるのでキーボードの打鍵振動なんかには結構強いと思います。

どんなプリアンプと合わせやすい?

お店だといくつかのプリとの組み合わせで試してみました。
素人の超雑感なので適当に読み飛ばしてね。

・SSL Big Six
Super Analogueとの組み合わせ。プリは非常にクリーンとのことなので、マイクとしてのキャラクターは一番これが出るのかなと思います。
Austrian Audioに共通するハイ上がりなんだけどクリアな感じが良く出ていました。ここで完結というよりコンプやEQで好きに作っていってね!という感じにはなりますね。
・AMS Neve 1073
Neveって音がふくよかになるというか、下から歪んでくる感じがあるなと思うのですが、OC707とだと歪っぽく豊かな低音とクリアで抜けてくる高音の微妙なかみ合ってなさがありました。
・Sym Proceed
クリアなんだけどSSLほどすっきりした感じではないというか、ここである程度音が決まる感じはありました。とてもすてき。
・Shadow hills Mono Gama
MonoGamaのトランス選択ってこんな別物になってしまうんですね。面白いです。ただNeveでも思いましたが低域の歪感が多いプリはちょっとマイクのキャラとあってない感じもありました。
・Shelford channel
OC707の高音の綺麗さと適度な低域のふくらみが合わさって、なんというかすごく上質な音になります。すいません、私の語彙では表すことはできませんでした。個人的にはNo.1な組み合わせです。
お値段のこともあるので正直知らないほうが幸せだったかもしれません。
・RND Newton
Shelfordの入力トランスない版みたいな感じらしいですがキャラクターはかなり違うと感じました。かなりすっきりした音になります。

ちょっとプリアンプの感想にもなってきちゃったのですが、個人的な印象としては現代的な歪の少なめなプリアンプとよく合うかなと思いました。
SSLとだと低音の物足りなさや高音の硬い部分が目立つような感じもあったので、ある程度RNDみたいなモダンなプリアンプと相性がよさそうです。

最近のオーディオインターフェイスのプリアンプは所謂クリーンですっきりしたものが多いように思います。
外部プリアンプを使わない時は抜けのよいすっきりした音になりやすいかなと思います。

ということで使ってみたぞ!

家に持って帰ってきて使ってみて使ってみた感想です。
プリアンプは以前紹介したOz DesignのOZ-2200
入力トランスがあるので結構カラーがしっかりつきます。NeveというかFocusriteっぽい低音がしっかり出るプリアンプだと思います。がっつり歪むよ!という感じではないのでマイクとの相性はいいのではという予想です。
IOはいつも通りZen Q SC
ケーブルはマイクケーブルがタツタ立井、HA→IOがモガミです。

お店で試したときはかなりハイ上がりなマイクな印象でしたが、プリアンプとの相性か一転かなり落ち着いた音で取れてくれます。
部屋が狭いので多少低音の周りもあるかもしれません。
思った以上に素のままで扱いやすいというか、自分の欲しかった音に近づいてくれたので驚きました。

こちらの環境で録音してみた歌がこちらです。
コンプで軽く叩いた後にEQで6khzくらいからシェルビングで+2db、400Hzを中心に広めのQで-1dbほどしています。私は声が低くて聞き取りやすいほうではありませんが、しっかり抜けつつも立体感のある音でとれてるかなと思いました。

そしてこの音源、前回もかきましたが何の処理もしてない部屋のデスク上にマイクをポンと置いただけの状態でとっています。

エンジニアさんにシバかれそうな配置

多少低音のふくらみはあるでしょうがこのくらいで録れちゃうというのは正に、「部屋の処理をするほどではないけどたまに歌とかもとってみたいな」という配信者にピッタリではないのかなと思うのです。
ラージダイアフラムのコンデンサマイクでも指向性ありというマイクはありますが、正直ハンドヘルドと比べると拾ってしまう範囲は雲泥の差です。

配信・たまに歌ってみた用マイクとして

個人的には部屋を作らなくてもちゃんと使えるマイクということで満足しています。
私はどうしても家にいる期間が短くノートパソコンじゃないとという制約があるので、配信で重いプラグインは極力使いたくなくマイクとプリアンプでクリアに音を作れるというところを重視しました。
まだ不慣れなところも多いのでいい音で配信出来てるかというとそんなことはないとは思いますが、少なくともノイズや環境音がガンガン乗っちゃって困るということにはなってないと思います。
PCパワーに余裕があればizotopeなんかで(最近ナレーション向けのプラグインも出ましたね)ガンガン綺麗にしていってもいいかもしれません。

またOC707はコンデンサマイクですので出力は大きいほうかなと思います。普段の配信だとプリアンプを42dbくらいでささやき声もちゃんと拾ってくれる感じです。
アコギなんかをとるのも楽しそうな音ですね。
公式サイトを見ると"スタジオ・スペックを備えながらステージにも対応するマイクロフォンに仕上がっています。"とありますがまさにその通り、周りの環境に気を遣わずともとりたいところがしっかり録れるマイクになっているのかなと思います。

2024年3月の時点で定価80,000円が実売66,000円になっています。
お手頃なオーディオインターフェイスで使うことを考えて、ナレーション向けのダイナミックマイク+出力不足を補うためのプリアンプorアクティブケーブルを買うことを考えると決して高くはないのかなと思います。
(プリアンプ内蔵のSM7dbがほぼ同じ値段ですしね)
あまりこういう使い方をしてる人はいないかとは思いますが、配信用+αのマイクの選択肢として実は結構ありなのではないかなと思いました。

ただまぁ今はMiCreatorがあるので、、
オーディオインターフェイスもいらないし、配信のことだけ考えて1から機材をそろえていくならこれでええやん!感はすごくありますね。

LLSY music


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