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映像&音楽クリエイターユニット omoi_dasenai !edda×りょこの制作裏話

9/29(水)に1st配信シングル「おもいだせない」をリリースした映像&音楽クリエイターユニット“omoi_dasenai(おもいだせない)”。作品が纏う不思議な空気感は一体なんなのか?そのヒントを二人の出会い、制作過程についてのインタビューでもらうことができました。

■中身が一緒!そんな二人の出会い

edda「結成の経緯は、元々ご一緒させて頂いていてハモったからですね。『あーこの人だ!』って思ったのは、『不老不死』のMV制作が終わった打ち上げで、アニメ『カイバ』の話になったときです。りょこさんも知ってて!『えー!カイバ知ってる人初めて会った!』って盛り上がりましたよね。」
りょこ「そうでしたね!あとは携帯ゲームの『歪みの国のアリス』とかもお互い知ってて。同じ養分でこの歳まで来たんじゃないかって。」
edda「中身一緒だ!ってなりましたよね(笑)
りょこ「あと私がフリーランスで活動を始めたタイミングと、eddaさんのレーベル移籍のタイミングもばっちりあったので、『自由に作品を作るしかない!』ってなりましたね」

edda「りょこさんの第一印象と今の印象は、全然変わらないですね。普段は大人しくておしとやかなのに、製作の話になると『鬼が来たー!』という感じです。鬼は怖い鬼ではなくて、わって集中する時はすごい燃えてる人が来ちゃった感じですね。」
りょこ「私の第一印象は、『半魚人』のMV制作打ち合わせで初めてお会いした時で。打ち合わせ前に、eddaさんの顔に葉っぱがついたアーティスト写真を見ていたので、世界観がいっぱいありそうな人だけど、どんな人だろうと思ってドキドキしていたんですよ。そうしたら、『タング』が打ち合わせに一緒に来ていて。部屋に入った瞬間に『クマと一緒に来てるーーー!!!』って衝撃でした(笑)」

タング

タング

edda「なんでいたんだろう?(笑)私別に普段ずっとタングと一緒な人じゃないんですよ(笑)」
りょこ「今の印象は結構変わって、創作の話はどれだけ広げても話せるようになったので嬉しいです。あと楽曲『おもいだせない』の歌詞の“どうしても光っちゃう僕ら”の一節がめちゃくちゃ『eddaさんだよな』って思います(笑) eddaさんといえば、光ることを疑わなくて、いつも心にお姫様がいるのでなんか安心します。
edda「なんかワガママプリンセスがどっかに住んでるんですよね(笑)」


■関係の土台ができたからこその二人での創作活動


りょこ「eddaさんの配信ライブ『kaleidoscope』の映像や、『A to Z』の企画もありましたが、最初にがっつり一緒に取り組んだ作品は『CIRCUS』ですね。」

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『kaleidoscope』

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『A to Z』

edda「あの時は1ヶ月くらい毎日りょこさんの家に通い続けました。前まではあくまで、りょこさんという素晴らしい人がいて、その人と一緒にお仕事をさせてもらえてるのは幸せだなという思いだったんですが、『CIRCUS』を作ってからは、“仲間”が増えたイメージがめちゃくちゃあります。
今まではそれぞれ役割があって、別々で苦しんでいるような環境で仕事をしてたから、同じ目線で同じことで苦しんでる人がいる、っていうのが嬉しいんです。りょこさんに対してこうした方が良いとかを言えるようになったし、自分もこうしてください、って言われるようにもなって……接し方が変わった気がしますね。」
りょこ「私は人に伝える時に、面倒臭いやつって思われたくないので、ここからは面倒臭い話はやめましょう、ってなることが多かったけど、『CIRCUS』は初っ端、このテーマは面倒臭いとか遠慮してられないな、って感じで(笑)良い意味でeddaさんは何を言ってもあんまり面倒臭いって思わなさそうで、安心感があったのですごく嬉しかったです。今のomoi_dasenaiの作品作りは『CIRCUS』の時にできた土台があるから、安心して話しあえるんだと思います。」

edda「りょこさんが私がそこまで考えてなかったな、っていう考察をすごいしてくれて。デモを出して、繋ぎで入れてた言葉とかも、これはこういう意味だろうから良い、って驚くような広げ方をしてくれるから、安心して曲も書けますね。」
りょこ「『CIRCUS』は曲作りのところから、“壊れ続ける世界”というテーマを教えてくれて、深掘り自体一緒に出来たのが良かったですね。」
edda「MVの打ち合わせ7時間くらいしてましたよね。結構お互い不安症なので、何回もどうやって表現するかの確認をしました。結局やりたいからやるんですけど(笑)」
りょこ「そうそう。私は『CIRCUS』の心配事としては、コンテを描いてる段階から『陶器があったら絶対良いのにな』ってずっと思ってて。でも陶器は大変すぎて出来ないよなと思ってeddaさんに相談したら速攻で『陶器でやりましょう!』ってなって。他にもやりたいことをいろいろ話してたらそんな時間になってましたね。」


■詞先行でも、楽曲先行でもない“概念先行”

edda「曲を作るときは、歌詞や曲というよりかは概念先行ですね。eddaの時はワードから物語を想像したり、リズム先行で考えたりもして、ファンタジーであることが鉄則、みたいな感じでやってたんです。でもomoi_dasenaiは二人でやっているから、りょこさんに相談して一緒に書いていくので、めっちゃ概念の話をしました。」
りょこ「概念スタートなんですよね。『おもいだせない』は自分が今、何があったら楽しかったり、救われたり、良い気持ちになるだろうか、という概念を考えることからスタートしてると思います。
edda「『お守り』を作ろう、という感じで作り始めて。嫌になっちゃった時とかに聞いてもらっても良いし、ここからまた10年経った時に『これ懐かしい〜』みたいに聞いてもらってもいいし。聞き直した時にも『お守り』として聞いた時の気持ちを思い出してもらえるように作ってましたね。」
りょこ「去年いわき総合高校の卒業制作『知らない体温』でeddaさんに曲を作ってもらったことも、良い影響だったなと。高校生たちと直接会って作品制作したこともあって、どうやったら懐かしいなって気持ちに思ってもらえるかとか、その時に改めて、作品の向こう側にいる人を具体的に意識したんじゃないかなと思います。私たちより10歳年齢が下の方が今こういう感じの音楽との距離感で暮らしているんだと、自分たちとの違いを感じられたのも面白かったですね。」

edda「ソロの時とは違う作り方で面白いです。いつも作ってる引き出しじゃないところをいっぱい開けるので、面白いですね。」
りょこ「あとは、素晴らしい作品を見た時に、『これの素敵さを自分たちなりに超えるには』みたいな思いで作り始めたりしてますよね(笑)勝ち負けじゃないけど、自分たちの方がしっくり来るように、『絶対これを超えるぞ!』みたいな気持ちで作ったりしてます(笑)お互いやったことがないところをやってみよう、というこだわりを楽しんでいます。」


■『おもいだせない』はりょこを串刺しに

edda「『おもいだせない』では、自分たちの一番古い楽しかった記憶、幸せだった記憶を思い起こすことから始めました。その時にりょこさんに頂いた“パパのおでこサッカーグラウンド”は歌詞にも入ってるんです。りょこさんが小さい時にパパのおでこをサッカーグラウンドに見立てて、そこで小人がサッカーしてるのを想像しながら見てたっていう話を聞いて、それ可愛い面白いってなったので。あとはお互い話して『うわ、あったそれやるよね〜小さい時それ面白かったよね〜』という話を入れて、書いていってると、だんだん“幼少期りょこ”と“今のりょこ”を支える曲になれば良いな、と思いながら作る方に自分の中でシフトチェンジしていって。だから最終的にはりょこさんに刺されば良いなって思いながら歌詞を書いてましたね(笑)
りょこ「すごい刺さりました!串刺しにされました(笑)今映像の仕事をしていて、作品を思い通りに作れないとか、自分の実力が追いつかないとか、ちまちましたことで悩むことがいっぱいあるんです。でもこのまま元気に身体が動いてあと40年くらい作り続けられたとしたら、その時に今のことは『あんな小さいことで悩んで可愛い!』と思えるようになれればいいなと思います。ネガティブな気持ちも思い出になった時には全部ひっくるめて思い出にできるし、『進もう』というか、『もう進んじゃったからもう大丈夫!』みたいな感じですかね。
そういう意味の良いポジティブな曲が心から欲しいな、と思ったし、実際にそういう曲になっていたら、これは本当に『お守り』だなって思います。」
edda「小学生の時や20歳くらいの大人になってからも、例えば1時間怒られたとしても、その1時間なんてそのうち忘れるだろうし、『どうってことなくなるだろうな、大丈夫!』って思ってました(笑)」
りょこ「そういう曲ができて嬉しいですね。」


■お互いの秘密を話しながらの制作

edda「『おもいだせない』のMV撮影は初のロケだったのと、自分があんなに出てるのも初でしたね」
りょこ「私も撮られる側になるのは初めてで。でも衣装が本当にすごくて!eddaさんのお母さんが担当してくれました。デザインを二人で相談しながら描いて、その場で電話して(笑)」
edda「そう(笑)すぐお母さんに電話して、3人で打ち合わせしましたね。出来上がるまでも頼んでから20日くらいで、もう出来たの?ってくらい早かったですよね(笑)」
りょこ「このお洋服が着れたことにすごく感動しました。」
edda「なんか衣装があれば、なんとでもなるだろ、という感じでしたもんね(笑)」
りょこ「撮影時は大きな公園で普通に楽しく遊んで、散歩して、唯一の夏休みみたいな日でした。」
edda「本当に15年ぶりくらいの夏休みの思い出みたいな(笑)あとご時世柄、外に出るのもすっごい久々だったから、普段は日焼け対策もバッチリするんですが、これを機に陽を浴びよう思ってラフに日焼け対策をしたら、がっつり首の後ろ焼けて。日焼けしたのも何年ぶり?って感じでした(笑)でもなんか良い思い出になりました。」
りょこ「私も足の日焼け対策全くしてないところがあって、靴下のレース部分と刺繍している部分がそこだけ型抜きしたようになりました(笑)」
りょこ「本邦初公開だらけのMVですよね(笑)私はいつも作品を作る時に現実からテーマを広げていって作るし、作品を見終わった後も現実に何を持って帰ってこれるかなっていうのを意識することが多いから、eddaさんのいつものファンタジーの世界観と自分の作り方が、良い感じに混ざったので面白かったです。
edda「あと駄菓子は、撮影前の粘土作りの時にりょこさん宅に行って広げて、懐かしい〜ってなりましたね(笑)これ食べた!みたいな。」
りょこ「粘土も自分たちで作っていて。粘土をこねながら、駄菓子を眺めながら、小さい頃の写真を送り合いながら(笑)」
edda「しかもその時にお互い、人に言ったことがない恥ずかしい話をしあって(笑)その時の『わはは』みたいな笑い声をいっぱい録音しておいて、アレンジャーの齋藤優輝さんに送って音源に入れてもらいました。」

■omoi_dasenaiでしか埋められない穴がある

edda「eddaがやってることはeddaにしか出来ないと思ってやってるんですけど、似たようなテイストの人って結構いっぱいいて。音楽だけで表現するとすごい数のアーティストさんがいるから、この人っぽいよね、とか、こういう系ね、って感じでまとめられやすい感じがしていて。自分も多分、自分はこういう系だなって思って制作をしてるし、カテゴライズしてその中で息をしてるときもあるんです。
ただ、尊敬するアーティストのdetune.さんは、detune.にしか埋められない穴をdetune.が塞いでくれるんです。カテゴライズにdetune.さんしかいないんですよね。多分omoi_dasenaiってそうなれるなってすごい思うんです。omoi_dasenaiが作る作品みたいなのがどんぴしゃで好きな人は他のじゃ満足出来ないというか、音楽も映像もそうだけど、omoi_dasenaiでしか埋められない穴だなって思ってやってます。
りょこ「そうですね。周りを見渡しても、あんまり見たことがないから『じゃあ自分たちでやろう』と思って作品を作ってますし、やってみて『やっぱ可愛いじゃん』ってすごい思います(笑)作品が溜まれば溜まるほど、もっと良いところが見えて来るんだろなと思うから、このままやっていって、周りの反応があったら嬉しいけど、あまり気にせず、これからも作り続けていきたいなって思います。あとはインスタスタンプを友達が普通に使ってくれてるのが嬉しいなと思いますね。」

5_インスタスタンプ①

インスタスタンプ


■目標は“映画”と“アトリエ”!

edda「今後は、映画を作りたいですね。30〜40分くらいでやりたいなと思います。」
りょこ「コマ撮りとしては長編だけど、映画としては短編みたいな。物語は多分私たちで書けるし、映像も作れるし、音楽も作れるし、面白そう。あとご時世とか、安心出来るようになって、いつかアトリエを構えたいなとぼんやりずっと思っています。誰が来ても楽しく、ワークショップみたいなちょっとした絵画教室ができるような。みんな自由に出入り出来て遊べるし、自分たちはその広い空間で作品を作って、焼き物も出来るし、みたいな(笑)」
edda「結成した時からアトリエを持とうね、って言ってますよね」
りょこ「どんな素材でも触れるアトリエが作りたいですね。」
edda「分かります!私たちが作品作る時、素材が多すぎて。」
りょこ「あとこれから触りたい素材も多すぎて(笑)ガラスもやりたいし、焼き物ももっと大きいものもやりたいし、七宝焼きもやりたいし……世の中の可愛い素材が多すぎて。」
edda「“omoi_dasenai”の家みたいなのが欲しいですよね。」
りょこ「いいですね!どんだけ作っても置き場所に困らないみたいな。実現させたい。」


■活力は深夜散歩とおじさん!?

edda「1日の中で一番好きな時間はゲームをやってる時かな。生活と仕事以外ゲームしかやってなくて。ちょっと前までポケモンのゲームを夜の9時くらいに集合して来て、昼の12時半くらいまでずっとノンストップでやったりとか(笑)でもそれなりに私も仕事があったりとか締め切りがあったりとかするから、そっから寝ずにやったりとかしてました(笑)全然忙しい期間じゃないのに3時間睡眠とか。あと、作業をしていて、集中出来ている時はめっちゃ好きです。近所に中が見える窓のある工房みたいな家で、おじさんがガラス工房の人が着けているようなメガネとエプロンをして結構夜遅くまでいつも何か作っていて。頑張れない、どうしてもスイッチが入らないって時は、その人を見ると自分もやんなきゃって思うので、そのおじさんを見る時間も好きです(笑)りょこさんは深夜散歩ですよね?」
りょこ「そう!深夜じゃなくても散歩は好きだけど、深夜の方が妄想が捗る。最近こそあんまり出てないけど、ちょっと前まで超歩いてました。日本橋で撮影があって旦那さんと新宿まで4時間くらい歩いて。」
edda「喋りながら歩いてると時間忘れますよね(笑)」
りょこ「歩くといろんな情報入ってくるじゃないですか。『この家面白い』とか、『ネコかハクビシンいた』とか(笑)」あと最近、ギターを始めました。』
edda「『おもいだせない』のコードも簡単なので今度教えますよ!」
りょこ「嬉しい!一旦ギター始めてせっかく指に豆が出来たのに、1週間くらい触らなかったら今はもう丸腰の指になっちゃって悲しいので、もう1回皮膚を育てるところから始めたいと思います。他にハマっていることははなんだろうなぁ……。」
edda「私たち難しいですよね。趣味がまんま仕事だから(笑)仕事がハマってることなんだなって思いますよね(笑)
りょこ「すごい絵は描いているし、絵柄の研究もめっちゃしてるし……趣味って言われると、趣味が仕事…(笑)」

りょこ「リフレッシュ方法はネコ吸い(猫をすーと吸う)ですね。制作で疲れるとやりますね。」
edda「あ、私もタングでやる!タングを吸いますね。他はなんだろう…逆に教えて欲しいですね。」
りょこ「ですね。でも一緒に作業するとそれこそリフレッシュかも。」
edda「確かに!」

【作品詳細】

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1st配信シングル「おもいだせない」
2021年9月29日(水) リリース
作詞作曲:edda
編曲:齋藤優輝
レーベル:omoi_dasenai

【プロフィール】

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omoi_dasenai(おもいだせない)
どこか懐かしさがありながらもエッジの効いた映像と音楽を手がけるクリエイターユニット”。ファンタジーストーリーテラーeddaと、アニメーション・イラストレーション・デザイン・映像監督のりょこにより結成。音楽×アニメーション(コマ撮り/ジオラマの融合)映像を得意とし、誰かのトラウマになるような、続きが気になる物語を届けます。
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