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「おもしろ荘」優勝で突如スポットライト。橘井と小池、誰も知らない二人だけの歴史が明かされる

オードリー、やす子、おかずクラブ、ぺこぱ……数々の人気芸人を輩出してきた「ぐるナイおもしろ荘」(日本テレビ系)にて、2024年優勝したコンビがホリプロコム所属の橘井と小池だ。
 
二人はニュースキャスターをテーマにした漫才ネタを披露。小池のキャラなのか天然なのか見分けがつかないたどたどしい喋りが、ナインティナインや有吉弘行、浜辺美波らの笑いを誘った。「シンデレラボーイ」というには遅咲きの二人は、一体どういった経緯で結成に至ったのだろうか。

■「トリオ」の時代も経験。もう一人は“パクリネタ”ばかりを持ってきていた

ーー年も離れている二人ですが、どこで出会ったんですか?
 
橘井「ワタナベエンターテインメントさんの養成所で同期だったんです。元々お互い別のコンビを組んでいて、それが解散して、ピンでネタをやっていたんですけど、めちゃくちゃ出来が悪くて、そしたら養成所の先生に『お前ら組んでみろ』って言われて。正直最初は『ええ……』って思ったんですけど、他に組む人がいなかったんで、しょうがないかと。『この人じゃなきゃ駄目だ』みたいなそういう熱い話は1個もないです」
 
小池「あの……先生の操り人形じゃないですけど」
 
橘井「操り人形って」
 
小池「あ……操り人形ではないですけど、先生の言うことは間違いないと思ったんで、言うことを聞きました」
 
ーー組んだ当時から、今のようなお笑いスタイルだったんですか?
 
橘井「僕はズブの素人から始めたんで、小池さんのキャラを生かすとか全然考えてなくて、ただただ自分のやりたいネタを書くだけ書いてみました。小池さんもネタを持ってくるんですが、本当支離滅裂なのもあって」
 
ーーどんな内容か気になります。
 
小池「ナンパ……」
 
橘井「ん?」
 
小池「いや、違った違った」
 
橘井「そんなネタ一度も見たことないよ。結成当初は本当にめちゃくちゃな出来で、自分よがりな酷いもんでした。ちなみに、一瞬トリオになった時期もあったんですよね。僕がもう小池さんを相手にすんのがちょっと嫌になって、まともに会話のできる人を入れようとして。そしたらそいつが一番やばかったんです(笑)。いろんな人のネタをパクったものしか持ってこなくて」
 
小池「あの……それが一番最初の僕の相方です」
 
橘井「養成所入って、小池さんがお試しで組んでいた奴ですね」

■お笑い事務所の年齢制限に引っかかる小池さん

ーーホリプロコム所属にいたるまではどういう経緯があるんですか?
 
橘井「ワタナベエンターテインメントさんの所属審査に1次試験で落っこちて、卒業っていう形だけになって、そしたら小池さんが、『一回地元に帰る』って言ったんですよね。なので一旦解散して、僕は1年間何もせず、ただフリーターしてました。学生時代の友達とM-1だけは出たんすけど、特に続くこともなく。その後、小池さん『いま何してんの?』って声かけたら、『地元の友達と組んでやりたいから』って言ってるのに、しばらくしても何もやってなかったんですよ」
 
小池「やるつもりだったんですけど、やっぱりやりたくないって言われて……」
 
橘井「結局僕とふたたびやることになって、事務所のオーディションを受けようとしたんですけど、小池さんの年齢がすでにその時30歳を超えてたんで、大体のところで年齢制限に引っかかってたんですね。ホリプロコムにいたっては、PC用のサイトしかなくて、応募要項が全部読めなくて、『よくわかんないからいいか』って」
 
ーーじゃあフリーの期間が長かったっていうことですか?
 
橘井「4年ぐらいやってましたかね。きっかけとしては、僕がパソコンを買ったことなんですよ。そういえばと思って、ホリプロコムのサイトを見てみたら、まさかの年齢制限が書いてなくて。『小池さん、受けれるよ!』って言って応募したら『ネタを見るのに何ヶ月待ちです』とか言われて、待ってる間に、二人でよく遊んでたんですけど、僕が言った動物の鳴き声の真似を小池さんがやるってだけの遊びをしてたらそれがあまりにも面白くて。『じゃあネタもこの無茶振り形式でいいじゃん』って事務所のオーディションに行ったら、1回目で通ってライブに出ることができたんです」
 
ーー遊びの中でいまのスタイルが生まれたんですね。
 
橘井「そうなんです。ただ、そこから正式に所属するまでに1年かかりましたね。新しいネタ書いてネタ書いて……の繰り返しで、計10回ぐらいネタ見せを受けたのかな。2年前ぐらいからここで活動しています」
 
ーーあれ、じゃあ所属して間もない中、「おもしろ荘」とか動きが結構あったんですね。
 
小池「……UberEatsも始めて」
 
橘井「それはここでは関係ないっすね」
 
小池「いや、“人が見れるな”と思って、“人間観察できるな”って」
 
橘井「ネタとかトークに活かすって?エピソード一回も聞いたことないけど」
 
小池「ちょうどコロナだったんで、『置き配にしてくれ』って言われるので、できませんでした」
 
ーー人間関係を鍛えるなら接客業のほうが良さそうですね。
 
橘井「コンビニとかやればいいのにって言ったんですけどね」
 
小池「いや……あの、コンビニは仕切りが高くて」
 
橘井「敷居ね。仕切り高くしたらお客さんの声聞こえないでしょ」

■相方が暴露「小池さんは腹黒い」

ーーちなみに、小池さんはなぜお笑いをやろうと思ったんですか?
 
小池「……人に笑われるのが幸せだなって」
 
橘井「“笑わせる”のがでしょ。小池さん、バナナマンさん、さまぁ~ずさんとかコント師が好きなんですよね。でも演技力もないからコントもできないんですよ」
 
小池「養成所に通っている時『諦めろ』って言われたので……納得しています」
 
ーーそういえば、Wikipediaに「小池さんが高校を6回留年している(要出典)」となっていたんですが、実際のところどうなのか聞きたいんですが。
 
橘井「それ僕も見ました。どうなの?」
 
小池「はい……合計9年行ってました頭が悪いっていう理由と……」
 
橘井「このご時世なんで言い方気をつけて。テレビで使えない感じになるんで」
 
小池「頭がよろしくなくて……」
 
橘井「そんな丁寧語ないですよ。これがね、9年通ったことがわかる卒業証書だとか、証拠を一切提出してこないんで、最近は嘘なんじゃないかなって思ってもいるんです。まあ本人が本当だって言うから信じるしかないんですけど。いつ提出してくれるんすか?」
 
小池「前も言ったけど……(実家に)帰れてないんです」
 
橘井「ここが小池さんの不器用なところで、連絡して探し送ってもらえばいいじゃないかって言ってるんですけど、ずっと『いやあ……』の一点張りなんですよね」
 
小池「場所がわからないみたいで、多分、自分しかわからないところにしまったんだと思います」
 
橘井「そろそろ本当に証拠提出しないと、もう嘘だと言われてもかばいきれなくなっちゃうよ」
 
小池「嘘はつけない性格なんですけど……(インタビュアーに)卒業証書って再発行してもらえるんですかね?」
 
橘井「そんな質問聞いたことないですね。留年の本当の理由、ここでは言えないぐらいエグくて、いつかどこかで明かすタイミングがある日を恐れています」

【リーズンルッカ’s EYE】橘井と小池を深く知るためのQ&A

Q.仲の良い芸人さんは?

A.
橘井「そもそも僕ら2人とも人見知りで、社交性がないので、全然いないんですよね。『おもしろ荘』で知り合ったリンダカラー∞さんは最近仲良くしてもらっていますね」
 
小池「あの……ホリプロコムだったら百獣マダムさんの、松尾魂さんがよくご飯とか飲みに誘っていただきます」
 
橘井「観音日和さんとかもね」
 
ーーこれから仲良くしたいなっていう芸人さんとかいらっしゃいますか。
 
小池「優しくしていただければ……『お願いします』って言いたいです」
 
橘井「僕らとが行けないだけで、全然仲良くはしたいんですよ。お金持ってる人がいいですね」
 
小池「すいません、心が汚くて」
 
橘井「いや小池さんもそういうタイプじゃん。お金さえもらえれば何だっていいっていう」
 
小池「(小声で)やめろっ……!」
 
橘井「やめろって言ったって、そうじゃん」
 
小池「……ひた隠しにしましょう」

<編集後記>

不思議な二人だ。橘井さんが親戚のおじさんと組んでいるような、“微妙な距離がある”二人なのだが、コロナ中はよく二人で遊んでいたという。小池さんの喋り方はテレビでのそれと全く一緒で、だからこそ「人と共同作業をする」ということに難しさもあっただろうが、橘井さんは1言わなくとも10わかってくれる、一番の理解者に見えた。腹黒さもどんどん公になってきて、小池さんに可愛げがなくなろうとも、最後は橘井さんが助けてくれる。そんな未来が見えた。

<マネージャー談>

取材はほとんど初経験という状況の中で、カメラマンさんの独特なポーズ指示に「これ大丈夫なんですか?!」と不安になりつつも、終始楽しく撮影をしていました。素敵な写真を撮って下さり感謝しています!
どの現場でも一生懸命で皆から愛される優しい小池と、そんな小池を見守って伝えたいことをいつも解説してくれる、絶対的な信頼感のある橘井の2人からは、いつも仲良しさや信頼関係がとても伝わってきます。そんな2人の予測できない掛け合いや行動を、今後も楽しみにしてください!

<撮影の様子はこちら!> 

【プロフィール】
橘井優輝(きついゆうき)
1996年11月21日生まれ、東京都出身。小池の保護者のような役割をしている。アイドルやゲームが好きで、肩を背面から回して同じ側の耳をつまむことができるという特技を持っている。
 
小池将也(こいけまさや)
1988年3月14日生まれ、新潟県出身。高校を6回留年し、9年間通って25歳で高校を卒業。猫とおにぎりが大好きで、50音どれか言われたらその人にピッタリのおにぎりの具を言うことができる。
 
2人は2018年7月にコンビ結成、2021年12月にホリプロコムへ所属。
2024年のNTV「ぐるナイおもしろ荘」にて優勝。

取材・文/東田俊介
写真/是永日和
 


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