スカンディナビア半島の記録 #2

 行き当たりばったりで海外にいってみるなんていうことは、映画みたいでかっこいい。しかし、そんな勇気があったら今頃は、大学の大人数サークルで会長しながら、毎日zoomで飲み会している。

 今回は、一人ではなく友人のHと一緒にいくことにした。彼とはアイスランドも一緒にいっていたので、また北の寒いところに行くなんて誘ってみても、断られるかと思っていたが、どうやら彼もかなり乗り気だったようだ。

 まずは大きな都市や観光名所を調べるのが一番計画を立てやすいと思う。しかし、去年のアイスランド旅行で、ついにオーロラを見ることができないまま帰国したことを思い返した。アイスランドは、国全体がオーロラが発生するというオーロラベルトに覆われている。首都レイキャビクでもみることができるほど、世界で最もオーロラを見る確率の高い国なのである。

 7日間近く滞在して、一回も見ることはできなかった。ツアーにも参加したのに。そのツアーでは、オーロラを見ることができなかった場合に、翌日のツアーに無料参加できるという、気前のいいツアーであったが、翌日は天候不良を理由に、ツアー自体が開催されなかった。それが最終日だったので、あきらめるしかなかった。どうせもうチャンスがないとわかっているのに、帰国の日の夜のオーロラ予報(アイスランドの気象台が毎日更新している?)を確認してみた。好天予報に加えて、オーロラレベル(電磁波の強さ?)が滞在中には一度も見ることのできない高さを示していた。

 実は天候不良で開催されなかったツアーは、一年以内に振り替えることが可能だった。学祭で授業がないのを利用して、意地でもオーロラを見てやろうと思ったが、お金もなければ振替の存在自体忘れていた。山梨で夜の寒さに震えながら、キャンプをしていた。

 だから、今回の旅でも「もしかしたら、オーロラをみるチャンスがあるのではないか?」と思い、一番にオーロラを(高い確率で)見ることのできる場所を調べた。そして、アービスコという場所を知ることになったのである。

 アービスコがどこにあるのか知っているだろうか。正解は、スウェーデンの北部である。しかし、スカンディナビア半島の北部なんて、国境がどのようになっているのかさえもよくわからない(個人談)。絶対ここに行こう!その時は固く決意したのである。どうせいくなら周辺の地域のことも知るべきだと思い、グーグルマップを眺めていたら、「Narvik」という都市の名前が目に留まった。僕はナルヴィクを知っていた。なぜなら、バトルフィールドV(5)をプレイしていたからである。第二次世界大戦をテーマにしたゲームであるのだが、ゲーム内に登場するステージの一つに、このナルヴィクという町が登場するのである。宗教に心酔していなくとも、聖地巡礼はしたい。それだけでなく、北欧旅的一大スポットのアービスコ国立公園からも近い。ナルヴィクもまた、リストの一つに入った。

 そして、友人Hとネット通話をしながら、実際にあって、プランを調整しできあがったのがこちらである。

スクリーンショット (98)_LI

 正直にいえば、この計画はスカンディナビア半島をめぐるものとして、これ以上のものはないと思うほどに完全であると思う。しかし、現実問題として、経済面を考慮しなければならないということが、計画の最も柱になる部分であるということはもちろん理解していた。そのうえで、僕たちは2週間が、飲食、宿泊、移動、という外すことのできない部分を支えることのできる最大限度だと考えていた。ということになると、この計画は2週間という期間、そして2週間を耐え抜く経済力、根本的な体力すべての限界を突破していたように思える。体力については帰国後にあらためてこの計画を考えてみたときにわかったことであるが、前者の二つについては、具体的な移動方法をするときには、火を見るよりも明らかだった。

 北欧についてガイドしているものは、ヨーロッパやアメリカ、アジアの観光地に比べ、情報量は格段に少ない。大都市における移動手段の情報はもちろん乗っている。しかし、この計画のロヴァニエミからナルヴィク間、ナルヴィクからエステルスンドとトロンヘイムを経由してオスロへの移動方法については情報が少なく、計画を具体化させること自体が非常な困難であった。飛行機で国内移動をすれば一発だが、飛行機多分高いでしょとおもって調べもせずに断念した。

そしてスウェーデンとノルウェーの北部をあきらめて、練り直した計画がこちら。

スクリーンショット (97)_LI

 この画像を、一つ目の計画の画像の計画と比べてほしい。北部をカットしたことは明らかだが、あまりのカットに、画像をトリミングする段階で、アービスコとナルヴィクが消えた。無念がすぎる。いつか行くぜアービスコとナルヴィク。

 簡単にアービスコとナルヴィクをあきらめたとは思ってもらいたくない。僕たちはその代りに、ゴットランド島を計画に加えてた。北進をあきらめて南進していくのは日本人の計画の特徴なのか?「ゴットランド」この名前の響き、アービスコとナルヴィクの7倍はかっこいい。まだ、行ってないのに「ゴットランド行ったことある?」って誰かに自慢しそうになった。

 そして、移動のためにいろいろと準備をしたのだが、それらについてはそれぞれ実際に移動した段階で、振り返ろうと思うのだが、二つほど重要な点がある。

 一つ目はそれほど大したことではないが、北欧にいくのならば、スタート地点としてフィンランドを選択するのがよいと思う。なぜなら、フィンランドへは日本から直行便がでている。往復で8万円ほどで(エコノミークラス)、10時間ほどかかる。なので今回もスタートとゴール、どちらもフィンランドだった。

 もうひとつは、サンタクロース村があるロヴァニエミへ行くために、寝台列車を予約したときのことである。ヘルシンキからロヴァニエミに行くためには、フィンランド国鉄を利用するのだが、そのために事前に日本で席を押さえておくのがよい。

 しかし、このサイト、予約する段階で席を選択するのだが、一覧を読み込むためにFlashが必要なのである。chromeだとFlashは標準でブロックされる時代なのに。もしかしたら、電車もめちゃくちゃに時代遅れなものじゃないか不安になりながら、なんとか準備をおえた。

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