私の病気のことなど

 先日テレビで放映されたある医療ドラマが、主要な登場人物が私と同じ難病を発症するという設定になっていました。そのドラマでは心臓の深刻な症状が問題になっていました。患者数があまり多くなくてあまり知られてない病気ですので、私も少し驚きました。
 遺伝子の一部に変異が生じているために、体のつくりが脆弱になるのがこの病気の特徴です。比喩的に言えば、設計ミスによる欠陥建築物のような体になる病気です。私の場合は、大動脈の2か所に病変が生じていて、また腰椎の一部が圧迫骨折しています。
 生物の細胞内にある遺伝子にはしばしば変異が生じます。これは自然な科学的現象です。変異が環境への適応に有利な形質をもたらし、その形質ももった個体が繁殖するようになると、「進化」と呼ばれるようになります。その一方で、遺伝子変異が個体にとってガティブな状態、例えば「病気」とされる現象をもたらすことも十分にありうることです。
 私の病気の場合は「不運な」変異と言えるかもしれませんが、これも理性的に向き合えば、自然の摂理として受けとめるべきものでしょう。病気をかかえながらもこれまで無事に生きてこられたこと、また、症状が現れた今も仕事を続けられていることを考えるとおのずと感謝の念も湧いてきます。そして、この病気が見つかったおかげで、自分の人生を見つめ直すきっかけを与えられたことをありがたいものと感じています。今では、あと残された人生の一日一日を大切にしながら生きていきたいものだと考えています。

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