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通信制大学での勉強の仕方が分からなくて【法学部】

2019年の春、通信制大学に編入学しました。
昔から社会科特に「公民」の授業が好きだった私は法学部・法律学科を選びました。
従事している業界に関連した宅建やマンション管理士、AFPなどの資格は編入学する前から持っていたので、通信制であっても馴染みやすいだろうと考えていました。例えば宅建試験の「権利関係」という範囲では、民法や借地借家法などが出題されます。

しかし予想に反して、大学で法律を学ぶということは資格の試験勉強のそれとは、かなり異なったものでしたので大変に戸惑いました。
学び始めで感じた困難と、その局面で参考にした本をご紹介していきたいと思います。

リポートの書き方がわからない

通信制大学での学習は、リポートの課題について調べたうえでリポートを書き、単位修得試験に合格して所定の単位を取ることの積み重ねです。
最初はこのリポートの書き方がよくわからないのです。学問の分野によってリポートの書き方の「お作法」が違いますし、何をどう書いていいのか途方にくれました。
また各科目には教科書が指定されているのですが、この教科書だけを読めばいいのかと思っていたら大間違いでして、法律の科目の場合、六法や判例百選、逐条のコンメンタールなども参考にしながら書いていくことになります。

そもそも、なんのためにリポートなど書かなければいけないのか、先生はどのようなことを見ていらっしゃるのかということを、こちら(下のリンク)の本から学びました(私が読んだ時には初版でしたが、今は第2版が出されております。)。
こちらの本の著者のお一人の井田良 先生のご専門は刑法でいらっしゃるのですが、「入門刑法学」の語り口がとても優しかったことも、こちらの本を購入したきっかけになりました。

初版 49頁への私の書き込み

単位修得試験、受かる気がしない

リポートを提出し受理してもらうと、やっと単位修得試験を受験できることになります。私の場合、法政大学の市ヶ谷キャンパスまで電車を乗り継いで1時間半少しでたどり着きました。
そして着いた会場で初めて受ける試験。受験者名簿に番号を書いたり(コロナ禍以降、方式が変わりました。)、戸惑いしかありません。
私が受験した科目は、シラバスに試験範囲がある程度公開されていておりましたので、手探りで試験勉強対策的なことをして臨んだつもりだったのですが、見事に玉砕しました。

初めて受けた単修、不合格の「D」評価の試験結果通知書が届く。。。

「こんな難易度の高いことをやって、やっと4単位なのか。。」という絶望的な気分でありました。
試験の解答の仕方についてはこちらの『法律学習マニュアル』の「第8章 法律学の答案を書く」を大いに参考にしました。

第4版 237頁への私の書き込み

対面スクーリングは素晴らしい

様々な有益な本に頼りながらも、スクーリングの授業で先生から教わることは本当に素晴らしいと実感する機会が多くあると思います。
申し上げるまでもなく先生たちの知識の量はすさまじく、条文や判例、他の法律との関係から法諺、学説の対立の裏話、ヒエラルキーなどを聞くことができるのはたぐいまれな機会だと感じました。
スクーリングで教わったことが、後々、まったく違う科目の学習で役に立ったりすることが多々ありました。

また学習ガイダンスやスクーリングでは、直接先生に質問をする機会をとらえることができました。
リポートは何をどうやって書けばいいのか。
試験の解答の仕方はどうすればいいのか。
私は果たして単位を取ることができるのだろうか。
こんなことも直接、複数の先生にお伺いしました。返却されるリポートのコメントも示唆に富むのですが、対面で質問し助言をいただけるのは素晴らしいチャンスです。

購入した本

書店やオンラインストアで、いいなと思う本があるとどんどん欲しくなるのですが、手を広げすぎてしまうと「積読」になってしまいます。
そもそも、通信制大学に通う多くの方は、仕事をしながら勉学にも励んでいらっしゃると思いますので、時間的な制約がある中、ある程度絞り込んだ数の本を、必要なところに付箋やマーカーを用いながら読み込んでいくのが効果的だと感じます。
上記以外に、最初の頃に活用した書籍をもう少し書いていきます。

こちらの『公法入門』は「法を学び始めるひとへ」という前書きから始まりますので、初学者になじみやすいものです。法の概念や分類を理解するのに助けとなりました(私が購入したのは第2版でした。)。

第2版 10,11頁への私の書き込み

次の本は『法律を読む技術・学ぶ技術』大学の先生ではなく「法制局」の中の人が書いたものです。
法律全体の構成や、法律の全体像をつかむコツなどが書かれています。法学書ではなく一般のビジネス書としても売れているようです。法律用語や有名な判例の読み方なども紹介されていて読みやすいと思います。

第3版 38,39頁への私の書き込み

次の本は、有斐閣ストゥディアシリーズの『法学入門』です。
この書籍の17頁には「労を厭わずに自分で『六法』を引いてみましょう」ということと、その理由が示されています。

「六法」は買う

今の時代、法律(だけでなく政令や省令など)の条文は、ウェブやアプリで読むことができます。わたしも学習する前はこれらを活用すれば六法は要らないと思っておりましたがダメでした。(ダメじゃない方もおられるかもしれませんが。)
卒業してから思うことは、最初に買うのはポケット六法で、次に買うのは「判例六法」がよかったなということです。もっと早く判例六法を買っておけば、リポートの書き方がもう少し効果的にできたのではないかと感じます。

大学に入って最初の戸惑いや苦労と、頼りにした本の一部を書きました。
全体的な記録は以下の記事に書いております。


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