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愛知県・犬山市は素晴らしい!戦国と明治に時間旅行

 愛知県犬山市に『博物館明治村』という場所があります。
 愛知県で育った私にとって、『明治村』は学生時代の遠足や社会科見学の場所でした。しかし、大人になり明治時代の激動の空気を実感したいという思いが強くなりました。
 それでも首都圏から愛知県は遠いようで近くもあり、実家に行くついでにいつでも行けるような気もして、なかなか踏ん切りがつかなかったのですが、今年(2024年)、やっと行くことが出来ました。

 大人になってから訪れた『明治村』は、とても素晴らしいものでした。


1日目:城下町と『国宝・犬山城』

 2日目、朝から夕方まで『明治村』で過ごしたいと思ったので、1日目は犬山市に泊まることにしました。犬山と言えば、国宝犬山城があります。
 新幹線を降りたら、学生の頃よく歩いたコンコースを抜けて「名鉄名古屋」駅へ。(昔「新名古屋」という駅名だったのが懐かしいです。)そこから名鉄電車で「犬山」駅まで30分弱で到着します。

「名鉄名古屋」駅の地下ホーム

犬山の城下町

 犬山駅の近くのホテルに荷物を預けたら、城下町を通って、国宝犬山城に向かいます。
 城下町の通りは、昔からの建物が軒を連ねていました。

犬山城の城下町
旧・磯部邸は内部も見学可

国宝『犬山城』からの眺め

 天守が現存するお城は国内に5つあり、その中でも犬山城は最古のものだそうです。山を登って神社を抜けて見えてきました。

見上げる犬山城の天守
犬山城から木曽川を見下ろす
かつて名鉄電車と自動車が共用だった犬山橋も見えます
犬山城の天守から
犬山城はこちらにあった木ノ下城を移築したものらしいです

 犬山駅周辺にもホテルは複数ありますので、観光するなら、名古屋ではなく犬山に泊まるのがいいですね。

2日目:いよいよ「明治村」へ♪

 駅近くのホテルで朝食を頂き、朝9時20分発に犬山駅東口バス停を出発する岐阜バスの路線バスで明治村を目指します。
 平日でしたが、大型の路線バスの座席はすべて埋まる程度の混雑具合でした。明治村の正門には9時41分に定刻通り到着しました。今年(2024年)の3月からSuicaなどIC乗車券が使えるようになったそうです。

 遠足などで、少なくとも3回は来たことがあるはずなのですが、正門に入ってもあまり記憶が戻りません。
 遠足の場合、集合場所や大型バスの駐車場の都合で、北門から入るからなのだと後で気づきました。

明治村の正門は明治42年(1909)に建造された「第八高等学校正門」だそうです

 正門から入り、ガイドマップを見ながら順番に進んでいくことにしました。せっかく順序通りにまわるので、売店で200円で購入したスタンプ帳にスタンプを集めながら歩くという楽しみも加えることにしました。

スタンプ帳ならではのミニ情報もあります。

1丁目と2丁目

 明治村が素晴らしいのは、それっぽく作った物ではなく、本当に明治時代に建てられた建物を移築していることです。「いやむなしいな」の1867年が大政奉還。翌1868年が明治元年です。今(2024年)からほんの160年前には徳川幕府があり、その後たった数十年で西洋の文化を取り入れて、激変・激動した時代。その時代を知っている建物が今この目の前にあることの不思議。やはり大人になってからもう一度訪れるべき場所でした。

明治21年(1888)に建てられた、三重県尋常師範学校。
学校の先生の養成を目的としていた学校だそうです。
明治40年(1907)に京都に建てられた「聖ヨハネ教会堂」
「聖ヨハネ教会堂」の2階に入ってみました
オルガンだらけ


森鷗外と夏目漱石が借りていた住宅を移築したそうです。
書斎に座って夏目漱石の気分
西郷從道邸の外観
ただの邸宅としてだけではなく、迎賓館のような役割も果たしていたそう。
ガイドツアーに参加して、2階を見学させてもらいました。
暖炉は瀬戸物で、日本三景が描かれているものだそうです。
明治12年(1879)に建てられ、三重県庁舎として使われていた立派な建物
2丁目の赤レンガの通りは、明治村の中でも美しい"街並み"だと感じます。

3丁目と4丁目

 2丁目にある中間駅「京都七条」から「市電品川燈台」駅までは京都市電で向かいます。小学生の頃これに乗ったのはよく覚えています。

「市電 京都七条」駅に入ってくる市電

 この車両、明治43年(1910)~明治44年(1911)に製造されたものだそうです。普通だったら、博物館に置かれていて「お手を触れないように」という看板があってもおかしくないのに、走っている本物の車両に実際に乗ることができるというのは驚愕に値します。

明治3年(1870)に建てられた品川燈台
水辺(入鹿池)の近くにあるのが素晴らしい
「市電品川燈台」駅から「市電 名古屋」駅へ
京都市電の車内
屋根の明り取りの窓と蔓のつり革が美しいです
日本赤十字社中央病院病棟
渋谷区広尾にあったそうです。
宇治山田郵便局
本島に郵便窓口業務がなされているのが素晴らしいです
呉服(くれは)座の内部
こちらもガイドツアーに参加して、部隊の下の奈落の見学もさせてもらいました

圧巻の5丁目

 最後に到着したのが5丁目。4丁目までたくさんの建物や乗り物を間近に見た後、まだまだ存在感のある建物が目白押しです。

聖ザビエル天主堂
豪華なステンドグラス。
1丁目にあった「聖ヨハネ教会堂」の質素な趣とは異なります。
カトリックとプロテスタントの違いなのでしょうか。
旧・帝国ホテルの中央玄関
伝説的な建築物の中のロビーでコーヒーを飲んでみました

 最後に5丁目にある「SL東京」駅から蒸気機関車に乗り、4丁目にある「SL名古屋」駅に戻るというつもりでいたのですが、なんとこの日は運休でした。もう一度来なければ! 

SLは残念ながら運休の日でした。

 5丁目にある「内閣文庫」などを見学する時間は足りず、駆け足で観た建物や、ツアーガイドに参加してみたかった建物もありましたので、2日間かけてじっくり味わってみるのもよさそうだと感じました。
 まだ見たい建物がたくさんありましたが、16時に出発する路線バスに乗るため、正門へ向かいました。

正面玄関に戻る際にもう一度三重県庁舎を正面から眺める


帰宅してからもう一度『明治村』を調べる

 帰宅してから明示村について改めて色々と調べたりしました。「移築」と簡単に言いますが、解体して、運搬し、さらに復元するというのはひとかたならぬ苦労や困難を伴うものだろうと想像します。
 明治村は、鹿鳴館の解体に胸を痛めた建築家の谷口吉郎さんという方と、名古屋鉄道の副社長だった土川元夫さんという方により創立されたそうです。

 愛知県の「あいちのたてもの」という書籍も作られてるようです。残念ながら市販はされていないのですが、以下のサイトから全編をPDFでダウウンロードすることもできました。また首都圏など一部の図書館には紙の本の形で配本されているそうです。

 Amazonプライムの「おうちでテーマパーク散歩」という動画を観ながら旅の余韻に浸りつつ。

 作られたテーマパークも素晴らしいのですが、本物がそこに佇む博物館も素晴らしいものでした。

旅に出た時期: 2024年5月

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