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夏休み=虫とり?

虫好きな人間は私も含めて,一年中「虫とり」をしています。けれど世間一般には虫とりは夏休みにするものだと思われているのではないでしょうか。それはきっと,子どもたちに人気のあるカブトムシ,クワガタムシの仲間,そして夏の代名詞であるセミの仲間が真夏に多く発生する(と思われている)からでしょう。

私も子供のころ,夏休みには,ほぼ毎日虫とりをしていました。朝,ラジオ体操には網をもっていき,朝食の時間までセミをとっていました。夕方になるとクヌギやコナラの多い林に行き,活動を始めたクワガタムシなどを採っていました。帰り道で各種セミの幼虫を拾い,家のカーテンにつけて羽化を観察していました。

そうやって毎日みているとだんだんと採れる虫の顔ぶれが違ってくるのがわかります。夏休みに入った頃に採れていたものが採れなくなってきたり,逆にお盆を過ぎると採れだすものがいたり。町に近い場所でも複数の種類のセミが鳴き分けているのに気が付くかもしれません。それぞれの虫の発生には異なるピークがあるのです。もしかしたら夏休みが始まる前や夏休みが終わった後に現れる虫もいるかもしれません。こうした発生の波を「消長(しょうちょう)」と呼びます。そして発生のピークを年に複数回もつものもいます。おおむね,大きな虫ほど年に1回のみ発生します。そして当然ながらそういった昆虫を採るには発生時期をきちんと知る必要があります。

たとえば,関西地方ではカブトムシの発生ピークは7月中旬にあります。カブトムシの好敵手として知られるノコギリクワガタはカブトムシよりやや早く発生しています。成虫で越冬するコクワガタやヒラタクワガタは5月の暖かい日には活動を始めています。いずれも夏休みが始まる前から活動しているわけです。セミも,ハルゼミは5月に,エゾハルゼミは6月に鳴き始めます。その気になれば一年中「虫とり」ができるのです。それぞれの季節に,そのときに発生してくる虫をみる,あるいは越冬している場所を探し活動期以外の昆虫の姿を観察する,というのも楽しいものです。





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