見出し画像

Christmas Story〜サンタを信じていた話

子どもがサンタを信じていますね。
けど、それはいつまで?
だいたいの人が、小学生の低学年くらいまでなのかなぁって思います。

うちの子は本が好きで、低学年の頃はいつも図書館にこもって学校の授業に出ないくらいの本好きだったのですが、その理由を
サンタさんに最初にもらったプレゼントが本だったから
とよく言ってました。

画像1

その時のことを、私はよーく覚えています。
4歳くらいの頃のクリスマスイブの夜。
初めて親子でサンタのお話をして、2人でキッチンに小さなクッキーとコップに入れたミルクを置き、サンタが来るといいね、って言って布団に入りました

その後、私は眠った息子の枕の下に「ミッケ」という本をそっと置き、キッチンに戻ってクッキーを齧り、ミルクを飲んでおきました。

翌朝本を見つけた息子は、まずキッチンに猛ダッシュ。
「ママ、クッキーが!!食べてあるー!!」
確かにクッキーもないし、ミルクも空になっています。

「ウーヒョーーーーーーーーーーーーーー!!!!
 サ、サンタ… きたーーーーーーーーー!!!!!
 ヒョーエーーーーーーーーーーーーーーー!!」

謎の奇声を発しながら、プレゼントを抱えてバタバタと家中をあっちに行ったりこっちに行ったり。
こちらが目を疑うくらいテンションが上がっていました。

そのテンションは、その年だけにとどまらず、毎年サンタのプレゼント(だいたい本でした) に狂喜乱舞。
そして、ことあるごとに、自分はサンタのお陰で本が好きになったのだ、と公言していました。



時は経って、息子15歳、中学3年生の冬休み。
我が家はクリスマスシーズンは毎年旅行することにしていて、その年はセブ島旅行が決まっていました。

現地で少しだけ学校に入ることになり、英語力を測るための面接が、事前にオンラインで行われました。
中学では学校のスピーチコンテストにも選抜された息子氏。
なかなかない機会なので、隣の部屋で彼の英語スピーキングの腕前を聞いていることにしました。

面接が始まりました。
現地の学校の女性の先生の声がします。


“Hello”
“Hi!”
“May I have your name?”(お名前は?)
“My name is RIHITO!”(リヒトです!)

演劇部だけあって声がよく響き、英語も聞き取りやすい!
会話は自己紹介的な内容から、フリーのスピーキングへ。クリスマス旅行ということで、自然とクリスマスの話題になっていきます。


”Who gave you the Christmas present last year?” (去年クリスマスプレゼントは誰からもらったの?)
“Pardon?” (はい?)
“WHO gave you the Christmas present? Your Dad, or your Mom or...” (クリスマスプレゼントをくれたのは?お父さん、お母さん、それとも…)

“Santa Claus, of course!” (もちろん、サンタです!)

え!?!?

サンタ!?

驚きました。だって彼はもう身長180cm近くの大男で、声もバリトンボイス、髭も生えているのです。


“Was Santa your Dad or your Mom?” (そのサンタはお父さん、それともお母さん?)
No, it was from SANTA CLAUS!!” (いいえ、サンタからです!)


低い声で流暢に英語を話しながら、それでもプレゼントは「サンタからもらった」ことを一歩も譲らない息子氏。
先生は笑ってしまっています。

”Then, what did you get from Santa Claus?” (で、サンタに何もらったの?)

息子は、いっそう大きい声で
Amazon Card!” (アマゾンのカードです!)


更に爆笑する先生。


“Did Santa give you an Amazon card?” (サンタが、アマゾンのカードを?)
“Yes, yes!” (そうです!)

先生はひとしきり笑った後「OK、OK」と言って次の話題に移っていきました。

…確かにここ2、3年は、もう自分で本を選べばいいと思って枕元にカードを置いていました。
サンタが私だ、とカミングアウトしたことは、これまで一度もなかったかもしれません。

しかし、だからと言って、まさかこの年まで、サンタからと信じている?
それとも、信じていないとプレゼントがもらえなくなる、と思ってる?
私に、気を遣ってる?

一体どういうことなんだろう?
そして
うちの子、これでいいのかしら…?

***

そんな出来事があったのですが、私はその後も彼に結局、「実は私が…」とハッキリは言っていません。

子どもの中にある「サンタを信じる力」を、私自身の言葉でバサッと否定したくないなー、と思ったのかもしれません。


サンタを信じる力って?

それは
見えないものを、感じる力。
見たことのないものを、信じる力。

誰かがどこかで自分の幸せを願い、幸せを運んできてくれることを信じる力。

今良いことがなくても、きっと未来には素敵なことが待っている、と思える力。

素敵な出来事があったら、喜びで自分の心を明るく照らす力。

自分の小さな好意を受け取ってくれた人がいることを喜ぶ力。

キラキラと、命を、輝かせる力。

子どもの時には誰もが持っている力。


***


それから更に3年経って、クリスマス1週間前に誕生日を迎える息子は、今日で18歳。

最近では、「異能vation」というコンテストにノミネートされ、めでたく国に認められた変な人、となりましたが
これからも「誰も見たことのないものを信じて」突き進んでいってほしいなぁと思います。

だって、「クリエイション」こそが、人生の醍醐味だからです。

もうすぐ私も卒母。
愛はあればあるほど
あげられるのは「自由」だけだから…

これからは、見守るだけです。
自分の人生を創造していく姿を。


18歳のクリスマスが
素敵なものになりますように。

読んでくださった皆さまにも
素敵なクリスマスが訪れますように。

Although it has been said many times, many ways…
Merry Christmas to you!

With Love

画像2


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?