名づけた日

失ったものはなにもないのに
ぽろぽろ 毎日
なにかをこぼしている

「終わり」を浮かべて
遊戯している僕らだ
本当はなにも、知らないのに。

愛しいだとか
苦しいだとかが
まざった感情がうきあがる

ここは真夜中 水の中

誰か 誰か いませんか

ロッカールームの鍵を返して
100円を取り戻す

切符を入れて入場し
残り58分の待合室

かわるがわる
入れ替わる 人 人 人

なにかが終わってしまうの

ここにいてはだめなの

ずっと はなくて
きっと もなくて

ただ淡々と 与えられたことを
していくだけ

それを 命と 名づけた日