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ハッピーポンコツ【エッセイ⠀】

〝友達だけれど保護者みたいな友達に恵まれ〟
              キュウソネコカミ「ハッピーポンコツ」

仲良し3人組でのおでかけ
バスに乗ると先頭を歩いていた友達が1人席にスっと座り横の空いてる2人席を指して2人はそこに乗って!と言った

なにそれ!かっこよい!私もやりたい

目的地につくと食べ歩きをしてまわる
疲れたからとカフェに入り、食べ歩きのお金を計算して割り勘にする
余った100円がスっと私に来る
え?

1番遠くから来てるからもらっとき!交通費だよ

2人が声を合わせて言う

かっこよすぎるって!だから私もやりたいそれ!

帰りのバスに乗る
よし!さっきのやってやるぞ!先頭はもらった!
イメージトレーニングもばっちり!かっよくなりたい
思っていたよりバスがぎゅうぎゅうで席を探していると
1番後ろにいた友達が
横いいですか?と知らない人に声をかけ相席で座り
2人はそっちに座りな!
と指さす方をみると奥に1席だけ空いていた

だから2人ともかっこよすぎんのよ!なんなのよ!

もたもたしている私をよそに、さっきとは違う友達が自分は知らない人と座り、私ともう1人の友達が一緒に座れる席を案内してくれた

私だけかっこよくなれない
なんなの?この2人
なんかそういうセミナーでも通ってるの?
そんでなんで私はできないの?

もやもやしてる私を乗せてバスはゆっくり走り出した

駅に着くと帰る方向が反対の友達に手を振り、同じ方向の友達と電車に乗る

なんで2人はかっこよいのに私はかっこよく出来ないの?

友達はゲラゲラ笑いながら答える

だってあんたのキャラじゃないもん

一生スマートにかっこいいことはできないってこと?

出来ないんじゃない?良さがそこじゃいんだよ
店員さんがオマケしてくれたじゃん!それはあんたのおかげじゃない?
場の空気を和やかにするのは私ら2人には出来ないことであんたの良さじゃない

え!お母さんですか?
めちゃくちゃ褒めてくれるじゃん

じゃあ!と最寄り駅で友達はスマートに降りていった
最後の最後までかっこいいじゃんか

お腹も心もいっぱいになった私を乗せて電車は進んでいく

でもいつかスマートにかっこいいことやりたいな
そんな事を考えながら
今日もキュウソネコカミのハッピーポンコツを口ずさむ

友達だけれど保護者みたいな友達に恵まれ
なんとかギリギリアウト寸前のキワキワを走る♫

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