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酔っ払いの言うことにゃ【エッセイ】

「髪の毛を切って可愛くなったね、前は芋臭かったもんな」
そう言ったおじさんのTシャツには海人と描かれていた

オシャレとは自由だ!

これは揺るがない真理だと思う

海人Tシャツは芋臭くなくオシャレアイテムなのだ、きっと

居酒屋でバイトしてると色々な人が勝手な事を言ってくる

それが滅茶苦茶面白い

「妻がくれたお気に入りのサンダルなんだよ」

どこを歩いても和の心を味わえる畳でできたそのサンダルはスリッパだ

畳のサンダルはあるが、おじさんが履いている物は厚みが薄く、裏がツルツルの白い布でできている

スリッパだと思う

奥様はスリッパとして買われたのだろう

しかしそんな野暮な事はどうでもいい!

奥様が買われた可愛いスリッパを夫がお気に入りのサンダルとして愛用している

こんな素晴らしい話はない
私が奥さんでも嬉しいと思う
あんな笑顔で愛用してくれるならなんでも買いたくなってしまう

「お姉さんの靴オシャレだね」
褒めてくれたお兄さんはデニム生地のエプロンをつけていた

職人さんなのだろうか
普段着なのだろうか

独特なお兄さんの雰囲気に完全にのまれてしまい、お礼が変な感じなった悔しさが忘れられない

「お姉さんとおそろいだねー」
オレンジのポロシャツを着たおじさんがピンクのTシャツの私に言った

おそろい…。

でもさ、おそろいってわくわくするもんね

いぇーい、おそろーい

楽しい気持ちが味わえるなら、オレンジもピンクもポロシャツもTシャツも同じおそろいでいいのだ

私は人間味があるなと思うと面白いと感じる
その人っぽいなと思うやりとりが好きだ
冒頭に書いた滅茶苦茶面白いとはそういう事だ

様々な人がいる
それぞれの考えがある
各々の言葉がある

嫌だと思う時もある
でもやっぱり私は人間が好きだな

たかがバイトの私にみんな話しかけてくれるのだから
みんな優しい人たち

何を言いたいかと言うと

オシャレとは自由だ!



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