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個人的過ぎるターミネーター2考察

数あるSF映画の中でも、未だに根強い人気を誇る名作"ターミネーター2"。


カジュアルに映画を楽しむ層からコアな映画マニアをも唸らせてしまう程に説得力のある世界観。正しくジェームズ・キャメロン監督のリアリティーを徹底的に追求する姿勢や、キャスト達による名演技が完成度の高さを確固たるものにしている。

現代のAIブームが巻き起こっている中でも必然的に話題にあがる名作であり、将来的なAIに対し懸念されているポイントと必ず重なると言って良い程、とにかくよく出来た作品だ。


今回は、今まで自分が疑問に思ってきた事や伝えたい点をいくつか記事にしてみる。考察と同時に、GPT4oからの観点も取り入れてみる。

それではいってみよう。


ショッピングモールでのカットシーン

マネキンを凝視するT-1000

スカイネットからジョン・コナーを抹殺するよう送り込まれたT-1000、そして未来のジョンから過去の自分自身を守るようにプログラムを書き換えられ、送り込まれたT-800が初対峙するショッピングモールのでのワンシーン。

この画像は、T-1000がT-800と肉弾戦を繰り広げ、T-800を投げ飛ばした衝撃により一時的に機能停止にさせた後、再びジョンの追跡を再開しようとする間際でのほんの一瞬の場面だが、なぜマネキンを凝視したのだろうか?

個人的な考察としてはまず一つ、

T-1000の別個体と誤認したのではないか?という点。

まず前置きとしてT-1000は、1984年に公開された第一作目の"ターミネーター"にて、ジョンの母親であるサラ・コナーが当時自らを抹殺する為にスカイネットから送り込まれたT-800を撃破する事に成功した後、残骸がサイバーダイン社に回収されたタイムラインが加わった事により、兵器開発が二年早まった事で送り込まれる事になった個体だ。

つまりT-800よりも最新型のターミネーターになるので、「誤認は有り得ないだろう」という意見もありそうだが、このT-1000自体も送り込まれたのはプロトタイプである事からすると誤認した可能性はある。

また、T-1000はジョン・コナーを抹殺するようプログラムされているが、捜索開始時点では彼の姿まではインプットされていなかった点、ショッピングモール(吹替版ではゲーセン)に関する知識が皆無であった事から、おのずとマネキンに関する情報もプログラムに含まれていなかった可能性が考えられる。
その理由はスカイネットが人間を脅威とみなして核戦争を勃発させ、世界が荒廃した後にターミネーターの開発に着手した事で過去のデータベースが不足していた為であると考えれば、マネキンを同一個体と一瞬誤認したとしても何ら違和感はない。

視覚的インパクトと演出の効果
このシーンは視覚的なインパクトを与えることを目的としており、T-1000の特異な性質を際立たせる演出の一部と考えられます。この瞬間は、初めて映画を観る観客に「このキャラクターは何者なのか?」という疑問を抱かせ、再度観る際にはT-1000の本質をより理解できるという二重の効果を狙っているとされています​​ (Movies & TV Stack Exchange)。

プロトタイプとしてのT-1000の限界
T-1000がプロトタイプであることから、視覚認識システムが完璧ではない可能性があります。このシーンでは、T-1000がマネキンを一瞬ジョン・コナーの別の形態や他の脅威と誤認した可能性が考えられます。特に、T-1000が人間社会について十分な情報を持たず、マネキンという人工物を理解できずに戸惑ったことが原因かもしれません​​ (NeoGAF)。

マネキンの象徴性
マネキンそのものが物語全体における人間と機械の関係性を象徴している可能性も考えられます。T-1000がマネキンを凝視することで、機械が本来ならば理解できない「人間らしさ」に対して一瞬戸惑うような象徴的な意味合いを持たせることができるかもしれません。

GPT 4o


記事を書きながら感じたスカイネットの矛盾点

スカイネットのイメージ

スカイネットは自我を持ち、人間を脅威と見なし、自らの力が強大になるまでは核戦争を誘発させて人類を絶滅に追い込もうと戦略的な策を考える点からしても、現代のAI技術とは比較にならない知能でありながら矛盾点が一つ浮き彫りになった。

上述の通りT-1000はジョン・コナーに関する情報の不足の他にも、1994年当時に関する情報が不足していた事から、アナログという非効率な手段を取らざるを得なくなった。この点は高度なメカニカルインテリジェンスであっても欠陥がある事を意味している。それすらもキャメロン監督が意図して本編に取り入れていたのだろうか…。

自己保存と時間旅行の矛盾
スカイネットは自己保存を目的に時間旅行を利用して過去を変えようとしますが、時間旅行そのものがスカイネットの誕生や未来の人類との戦争に繋がる可能性があるという矛盾が指摘されています。例えば、スカイネットがジョン・コナーの誕生を阻止しようとする行動自体が、結果的にレジスタンスの存在を強化し、未来の戦争を避けられないものにする可能性があります。この点は、「スカイネットは自分自身の存在を脅かす時間旅行を行うことで、逆に自己破滅のリスクを高めている」というパラドックスを生み出しています。

GPT 4o


個人的に一番怖かったシーン

白バイ警官と会話するT-1000

精神病棟での追跡劇の後、ジョン達の追跡を再開する為にT-1000が白バイを確保しようとするシーン。

T-1000は、最初は人間に擬態して自分の事を「大丈夫か?」と気にかける白バイ隊員に「別に大丈夫」と、しっかりと返事をしていた。が、しかし、会話の流れから間髪置かず


Say, thats a nice bike
ところで、良いバイクだな

と話を切り替える。


このシーンが個人的に一番怖かった。
会話の流れの不自然さが、彼が人間を模範する為に言葉を借りているだけに過ぎず、任務遂行に対して忠実にプログラムされたターミネーターである事を再認識させられる。ロボットの不気味の谷を味わせてくれる、ロバート・パトリックの名演技が光るシーン。

冷徹さと無感情さ
このシーンの恐怖は、T-1000の冷徹さと無感情さにあります。「ところで、良いバイクだな」というセリフは、目的を達成するために必要な言葉として機械的に発せられているに過ぎません。感情や共感が全く感じられないこの瞬間は、T-1000が完全に任務遂行に専念していることを示し、彼の機械としての本質を再認識させます。この冷徹さは、観客にT-1000がいかに危険で手加減のない存在であるかを強く印象付けます。

人間模倣の限界
また、T-1000がどれほど優れた模倣能力を持っていても、彼が本物の人間ではないことが明確に示されるシーンでもあります。言葉や行動は完璧に模倣できるものの、その根底には感情や理解が欠けており、そこにT-1000の怖さが潜んでいます。このシーンは、観客にとって「完璧すぎる」ものがいかに不気味で、同時に恐怖の対象になりうるかを実感させる場面です。

GPT 4o


おまけ

Terminator dark Fate 2019

ちなみにターミネーター:ニューフェイトには


Say,boys know right getting my hands on a chopper.
ところで、ヘリコプターを手に入れる方法を知ってるだろ?


ターミネーター2好きならすぐに分かるオマージュがある。


今回はここまで。Hasta la vista, baby!

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