#月並

月並みという言葉は広い世代でも当然のように伝わる言葉だと思う。当たり前、平凡、ありきたり。そんな意味を持っているが使い方としてあまり使っても卑下したようには聞こえない良い日本語だと思う。
元々は毎月1回という意味だったそうだ。いわゆるツキイチだ。このような意味だったのを今のような意味に付け加えたのは明治の俳人正岡子規だそうだ。そう、左向きのおじさんである。

もちろんこの導入には意味がある。
人は嬉しいことがピークに達すると月並みの言葉しか出てこないと思ったからだ。
先日親友から電話があった。
ちなみに彼からは本当によく電話がくる。
事務連絡や最近起きた出来事、酔っ払いながらのウザ絡み。電話が苦手な私からしたらほとんどはそれはLINEで事足りるだろうと思っているが恐らく人と話したい欲が強いのだろう、履歴はほとんど親友で溢れかえる。今回わずか4文字だった。


うまれた

この歳になると周りがどんどんパパママになってくる。羨ましいと思うがこれは色々タイミングのある話だと思うので人の子を見て父性を磨いている。
子を見て可愛いとは思うがなかなかその背景にある父母の苦悩や葛藤というのは分からない。
しかし親友とは過ごす時間も長かったのでかなりそういう背景を見せてもらった。
もちろん傍からみただけなので分からないことも沢山あるだろう。誰にも見せない苦しみもあっただろう。
母親は身体の変化があるが男親はそれを見るしかできず、妻が体調を崩しても夫としてできることなんて限られている。
ましてやそんななか自分だってしんどいなんて言えば色んなところからカウンターのマシンガンを浴びることになるだろう。泣き虫の彼のことだからきっと何度も泣いていただろう。

身篭ったことを聞いたとき、彼はまだ誰にも言えないという葛藤に首を締められ唇が真っ青になっていた。
そんなメンタルに窒息させられるような繊細な男が懸命に頑張る妻のために身を粉にして奮闘していた。将来の自分の姿として照らし合わせたらとても自信はないが勉強をさせてもらった。
もちろん奥さんの話も沢山聞いたし人を1人産むということは膨大なエネルギーが必要となるんだと感じた。今回は親友の面から書いたが母親の方がもちろん大変なことはあったと思う。本当にお疲れ様でした。

月並みだが親友と奥さんには心からのおめでとうと伝えたい。
そして産まれてきた子には産まれてきてくれてありがとう。
伯父として全力で可愛がらせてもらいます。
まだ名前も知らないが会えるのが楽しみだ。

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