#向上心

「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」
これだけを聞いても、あぁあれかと思い出す人も多いだろう。記憶力壊滅お化けの私でも学生の時に国語の教科書に載っていたなとすぐに記憶の引き出しから出てくる。
夏目漱石のこころという作品だと言うことはネット検索で調べたことはもちろん秘密だが。
この言葉は登場人物「K」の言葉だが習った時からえらく否定的で鬱々としたことを言うなと感じていた。

なので今回の話は私の友人K君の話だ。
彼とは社会人2年目からの仲であっという間に5年以上親交を温めている。元は友人の友人という存在だったが親友となるまではさほど時間はかからなかったと記憶している。
仕事終わりに家に行って朝まで酒を飲んだり、旅行に行ったり、K君の結婚式では余興でドッキリを仕掛けたりもした。

K君は一言で言うと才能豊か、感性豊か、気分豊か。彼には感心させられることも本当に多いが呆れることもまた多い。

間違いなく私の価値観を変えた人物TOP10に入る人物だが、厳密に言うと彼は高校の後輩にあたる。高校の時には全く関わりもなく名前も聞いたことも無かったので巡り合わせを感じずには居られない。
しかしふと考えた。もしその時から知っていれば。後輩として関わっていれば。同級生でいれば。
このような仲で居られただろうか?才能もあり感性も豊かであるのに、気分屋。
距離を置いていたかもしれない。

私が大学までで色々な経験をして自分を構築し終わったと思った後での出会いだからこそ彼とはここまで仲良くなったのか。理由はまだ分からないがそのように感じる。
Kくんの他にもこのタイミングでこのような状況で出会ったからこそ、自分の中で特別になっていると感じることがある。
巡り合わせに特別な想いを持つのだ。

私が人から影響を受けやすいからなのかもしれない。現にここ5年で私の人生に多大な影響を与えた人物が、出来事が、趣味が沢山現れ人にアピールするものがなかった人生が変わってきた。今後は影響力の高い人や物を紹介する文章になりそうだなぁとふと考え、またまとまりのない文面と向き合うのかと溜息が出る。

ともかく私の人間性は周りによって変えられていくのである、それに抗う手段はまだない。

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