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《小説》おばあちゃんの手紙

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朗読手書き小説としてYouTubeでもお聴きいただけます♪ 寝る前に流し聞きなどいかがでしょうzZ 【あおいろ万華鏡ch】にてお待ちしております🩵
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2022年5月の記事一覧

おばあちゃんへの手紙10

おばあちゃんへの手紙10

翌年も夏休みを利用してお遍路の旅に出かけた。

日数にしておよそ五日間ほど、
ようやく作り出せた時間だ。

家族全員の予定を合わせるのは難しい。

それでもまだ、
三人の子供が小さいので融通が効きやすい。

佳乃が小学三年生、勇一が今年より小学一年生、
勇作が三歳。

八十八カ所の札所を
一度に全部回ることを「通し打ち」といい、
何カ所か小分けにして打つことを「区切り打ち」という。

また、徳島(

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おばあちゃんへの手紙11

おばあちゃんへの手紙11

夜と朝の狭間で独特の陰影と色彩を輝かせている
静穏な時間は本当にあっという間に終わった。

数秒前の情景が、
刹那の幻想であったかのようだ。

一日の貴重な始まりの時間を
プレゼントされたようで、
清々しい気分で満たされていた。

10分もすると、
朝日は日常の太陽へと姿を変え、
もう直視することはできない。

辺りも
先ほどまでの漆黒の闇はどこへ行ったのだろうと、
見紛うほど普通の晴れた朝の風景

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おばあちゃんへの手紙12-1

おばあちゃんへの手紙12-1

高知のお寺を順拝しながら、
道すがら龍馬ゆかりの地も訪ね歩いた。

宿は龍馬の実家があったとされる(跡地)付近に建てられたホテルに泊まり、
龍馬が子供の頃通ったとされる剣術道場跡地を訪ねたり、
高知城にも登城してみた。

そして龍馬ファンとして
何よりも訪れてみたかったのが桂浜である。

司馬遼太郎さんの小説
「竜馬がゆく」に何度も登場する砂浜で、

有志達によってそこに建てられた龍馬像を
一度こ

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おばあちゃんの手紙12-2

おばあちゃんの手紙12-2

恐怖ではなく、
このような畏敬や畏怖の前では
自分が小さき者であることが
幸せの大きなポイントであると、
腑に落とすことは容易だ。

普段私たちは常に大きくありたいと願い行動する。

立派になること、
みんなに認められるようになること、
夢を実現させていくこと。

それが叶わないと
勝手に惨めになって自分は不幸だと追い詰めていく。

大きな者であることは、
実は自分を追い詰め、
虐げることと同義だ

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