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ひだまりの匂い

5月の晴れた午後、カラッとした風がベランダに干してある洗濯物や土や木花の匂いを運んでくる。
鼻から空気を吸い込む。
すると、じわじわと懐かしい感覚に変わり動きが止まる。

この匂いで私は、子供時代(3歳か4歳くらいの私)にタイムスリップするかのような不思議時間に入る。

状況はお昼寝から目を覚ましぼーっとしたまま寝そべっている私。

お母さんの後ろ姿、テレビかラジオの音、タオルケットの感触。
ここからだんだん西陽が黄色く広がり平和に夕方を迎える。

安物のシャンプーとバスクリン。
匂いと色は今でもはっきりと覚えている。

お母さんのリズムで夕飯前にお風呂を済ませていたのだ。

こんな感じで大人になった私は
ひだまりの匂いで幼い子供に戻って安心している。








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