姉からの電話

姉から電話がきた。

母親が「レオは夏休みに帰ってくるのか、あの後ちゃんと話せていないから帰ってきにくいんじゃないか」と気にしているらしい。

「付き合っている彼氏がいる」と話して気まずくなってからは、
元気?⇒元気だよ
のスタンプのやりとりを何度かしただけだ。

実家に帰るか悩んでいたけど、今回帰らなければもう実家には帰れなくなる気がする。
甥たちにも会いたいし、日帰りで短時間だけでも帰るつもりだと話した。
姉は「踏み込んだ話をしたくないなら実家でも子どもたちと遊んでいればいい、普段通りにしていればいい」と言ってくれた。

姉は、俺がゲイであることに対して積極的に理解を示してくれるわけではないけど、今まで通りでいてくれる。
姉の話だと、母親はゲイ=オネエのイメージがあって、レオは普段はオネエ口調で話してるのか、相手の人もそういう人なのか、というのが引っかかっているようだ。
メディアで紹介されるゲイの多くはそうなんだから、俺達のことをそう考えても仕方ない。

俺自身、口調もファッションも実家にいた頃と何も変わらないし、相手もそういう人ではないと姉に話したら、相手はどんな人なのか聞いてもいいかと言われた。
少し年上で優しくて、仕事を頑張っていて頼れる人だと話したら、そういう人がレオの近くにいてくれることは安心だ、いつかお母さんもわかってくれるよ、と言ってくれた。

俺には学生の頃、変な人にストーカーされた経験がある。
時間がかかったけど、周りの友達に助けられて徐々に収束して、社会人になってからはおかしな出来事は起きていない。
でも念の為、実名を出すfacebookはやっていないし、最小限のアカウントしか持っていないSNSも、親しい友人との連絡用で自分のことは基本的に発信していない。
姉はあの時のことを知っているから、何かあった時に助けてくれる人がいるのか心配してくれている。

とりあえず帰るとは決めたけど、気持ちが重くて頭が痛い。


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